オーストラリアの通貨「豪ドル」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
豪ドル(AUD)トレードに関わる現在までの相場トピック
本日10:30 豪4月雇用統計発表!
・4月18日発表の豪3月雇用統計は、雇用者数が0.66万人の減少と市場予想(1.00万人増)を下回った。失業率は3.8%へ悪化(前回:3.7%)、労働参加率は66.6%だった。
・NY原油先物市場は反発。米4月CPIなどの米経済指標が弱い結果となり、ドルが全面的に下落したことから、ドルで取引される原油に割安感が出た。また、米エネルギー情報局(EIA)が発表した週報で原油とガソリンの在庫が予想以上に取り崩されていたことも買い材料となった。終値は前営業日比+0.61ドルの1バレル=78.63ドル(5月15日)。
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・5月7日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。政策金利は4.35%で据え置きとなった。
・4月24日に発表された豪1‐3月期CPIは前年比+3.6%となり、前四半期(+4.1%)から鈍化したが市場予想(+3.5%)を上回った。同時に発表された豪3月月次消費者物価指数(CPI)は前年比+3.5%で前月(+3.4%)から上昇した。
今日の豪ドル(AUD)トレード メインシナリオ
豪労働市場の悪化でRBAの利下げが近づく
本日は豪4月雇用統計が発表される。先月発表された3月分の雇用者数変化は市場予想の1.00万人の増加に反して0.66万人の減少だった。ただ、これはその前の月(2月)が11.65万人と大幅な増加だった反動とも捉えられた。今回発表される4月分の市場予想は2.37万人の増加となっている。RBAは5月7日の理事会の声明で労働市場について「状況はこの1年で緩和されたが、持続的な完全雇用とインフレ目標の達成に整合的な水準よりも引き締まったままだ」などと評価している。昨日発表された豪1‐3月期賃金指数(WPI)は前年比+4.1%となり、前回の+4.2%から僅かながら鈍化を示した。仮に、本日発表の雇用者数変化を含めた豪4月雇用統計が「弱い結果」と判断されれば、RBAの年内利下げ開始期待がわずかながら高まることになりそうだ。
想定される個別シナリオ
■豪4月雇用統計が弱い結果となる
⇒豪州の労働市場のひっ迫が解消しつつある
⇒インフレ圧力が弱まわる
⇒インフレ鈍化期待につながる
⇒RBAの年内利下げ期待が僅かに高まる
⇒豪ドルは売りで反応する
豪ドル/円 最新チャート分析
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豪4月雇用統計
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外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は曇り空に太陽が覗き、豪ドル/米ドルは雨。6時に豪ドル/米ドルのRSIで売りシグナルが点灯。
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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