主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年4月10日8時50分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼9日(火)の為替相場
(1):植田総裁 参院財政金融委員会で答弁
(2):日銀物価見通し上方修正観測報道
(3):ダウ平均急落 リスク回避の円買い
(4):アトランタ連銀総裁 利下げの可能性について語る
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:目が離せない相場展開/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
9日(火)の為替相場
期間:9日(火)午前6時10分~10日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):植田総裁 参院財政金融委員会で答弁
植田日銀総裁は参議院の財政金融委員会で半期に一度の「通貨及び金融の調節に関する報告書」の概要説明を行った。3月のマイナス金利解除については「賃金・物価の好循環を確認し、大規模金融緩和の見直しを決定」「金融政策の変更は、あくまで2%の物価目標の持続的・安定的実現のため」などと説明。また、ここ最近の円安の動きについては「為替はファンダメンタルズに沿って安定推移が重要」としたほか、「インフレに影響があれば為替対応も検討」と語った。
(2):日銀物価見通し上方修正観測報道
「日銀が今月の金融政策決定会合で24年度の物価見通しの上方修正を議論する公算が大きい」と一部通信社が報じた。
(3):ダウ平均急落 リスク回避の円買い
12日からは米大手銀行の決算を控えて、NYダウ平均が300ドル超下落したことでクロス円を中心にリスク回避の円買いが持ち込まれた。
(4):アトランタ連銀総裁 利下げの可能性について語る
米アトランタ連銀のボスティック総裁は、インタビューで「米経済が非常に好調で力強く、回復力があることを考慮すると、利下げがさらに先送りされる可能性も否定できない」と述べた。一方で、「労働市場が弱まるシグナルが出始めたら、利下げを早めることにもオープンだ」とも語った。
9日(火)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:目が離せない相場展開
昨日のドル/円は151円台後半での動きとなった。終値は約0.1%安の151.76円前後。
日銀が今月の金融政策決定会合で「今年度の物価見通しの上方修正を議論する公算が大きい」と伝わったことで円買い・ドル売りが優勢となり、一時151.57円前後まで下落した。ただ、翌日に米3月CPIを控えていることもあり、下げ幅は限定的だった。
本日は米3月消費者物価指数(CPI)が発表される。市場は前年比で伸びが加速すると予想している。米3月CPIの結果が米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ開始時期や年内の利下げ回数に影響を及ぼす可能性があり、結果次第でドル/円は34年振りの152円台を試す動きとなりそうだ。
仮に心理的節目でもある152.00円を上抜ければストップロスを巻き込んで上げ足を速めることも考えられる。一方で、上昇のスピードが早ければ日本政府・日銀による円買い介入の可能性が高まるだけに、本日も目が離せない相場展開となりそうだ。
注目の経済指標:米CPI
注目のイベント:米10年債入札
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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