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FX/為替「ドル/円、148円台定着に失敗 関心は来週の日米金融政策に」 外為どっとコム トゥデイ 2024年3月13日号

外為どっとコム トゥデイ

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2024年3月13日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼12日(火)の為替相場
(1):日銀総裁発言で円売り
(2):日銀金融政策決定会合を控え観測報道相次ぐ
(3):英雇用統計は弱い内容が目立つ
(4):米CPIを受けて乱高下

▼12日(火)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:方向感が出にくい/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

12日(火)の為替相場

期間:12日(火)午前6時00分~13日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):日銀総裁発言で円売り

植田日銀総裁は国会で「個人消費は非耐久財消費に弱めの動きがうかがわれる」などと発言。これを受けて3月のマイナス金利解除観測がやや後退すると円売りに傾いた。なお、植田総裁は翌週の3月金融政策決定会合について「賃金と物価の好循環の動向を中心に点検し、適切な判断を下していきたい」とも語った。

(2):日銀金融政策決定会合を控え観測報道相次ぐ

「日銀が3月マイナス金利解除の是非議論、春闘集計踏まえ判断」とブルームバーグが日銀関係者への取材を基に報じた。記事によると、春闘の回答結果がどの程度の水準であれば十分かは政策委員の間でコンセンサスができておらず、マイナス金利の解除と見送りの両方のシナリオが準備されているという。また、仮に見送りの場合、利上げへの期待感を維持し、市場の動きを抑制するために、利上げの可能性を示唆する必要があるかどうかを検討しているとのこと。日銀の金融政策を巡っては、その後ロイターも「イールドカーブ・コントロール(YCC)の終了に伴い、国債買い入れ額について数値的なガイダンスを示す可能性が高い」と報じるなど、観測報道が相次いだ。

(3):英雇用統計は弱い内容が目立つ

英2月失業率は4.0%、同失業保険申請件数は1.68万件だった(前回4.0%、0.31万件)。国際労働機関(ILO)基準の英11-1月失業率は3.9%と予想および前回(3.8%)を上回った。英11-1月の週平均賃金(除賞与)は前年比+6.1%と市場予想(+6.2%)を下回った。

(4):米CPIを受けて乱高下

米2月消費者物価指数(CPI)は前年比+3.2%と市場予想および前回(+3.1%)を上回る伸びとなった。食品とエネルギーを除いたコアCPIも前年比+3.8%と予想(+3.7%)を上回ったが、前回(+3.9%)からはわずかに鈍化した。これを受けてドルは上昇したが、6月の利下げ観測を後退させるほどのCPIではなかったとの見方から急落するなど一時乱高下した。

12日(火)の株・債券・商品市場

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ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

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人気通貨ペア 本日の予想レンジ

ドル/円の見通し:方向感が出にくい

昨日のドル/円は147円台へと反発。終値は0.5%高の147.68円前後だった。米2月消費者物価指数(CPI)の高止まりを受けて一時148.14円前後まで上昇したが、CPIの上振れが6月の利下げ観測を大きく後退させるほどのものではなかったことから148円台には定着できなかった。米2月CPIを消化したことで、市場の関心は来週の日銀金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)に向かうことになろう。
本日のドル/円は147円台を中心に方向感が出にくい相場展開となりそうだ。なお、本日は日銀が注目する春闘の集中回答日となる。大企業の間ではすでに大幅な賃上げの決定が相次いでいることから市場への影響は大きくないと見るが、日銀が来週にもマイナス金利を解除するとの見方があらためて強まるか注目したい。

注目の経済指標:特になし

注目のイベント:春闘、集中回答日

※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。

 
kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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