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来週の為替予想(ポンド/円 ユーロ/円) 「後半に明暗を分けるか、ECB理事会と英雇用データ」ハロンズ FX 2023/9/10

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執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人

目次

執筆日時 2023年9月8日 16時00分

後半に明暗を分けるか、ECB理事会と英雇用データ

9月4日週のユーロ/円、ポンド/円はタカ派期待後退で下落

円安進行への期待から、ユーロ/円は158.502円、ポンド/円は185.779円まで買いが先行しました。しかし、英国の利上げサイクル終了への期待が広がったほか、英国第2の都市のバーミンガム市の財政破綻などから、ポンド/円は183.060円まで下落。フローが交錯する中で、158.519円まで上昇幅を広げていたユーロ/円も景気減速懸念から156.997円まで押し戻されました。(各レート水準は執筆時点のもの)

FX ライブ配信、ドル円、次の急騰で実弾介入か (2023年9月7日)

※相場動向については、外為どっとコム総研のTEAMハロンズが配信している番組でも解説しています。

ECB理事会後に、ユーロは切り返すか

9月14日にECB理事会が開催されます。インフレを巡る見通しにばらつきがあり、9月利上げの必要性についてECB内でも見解は分かれています。そのため、短期金利市場では9月理事会での『据置き』が7割、『0.25%利上げ』が3割ほどと、『据え置き』『利上げ』どちらも織り込みが浅い状況です。結果を受けてその差を埋めるようにユーロの動意が高まりそうです。ただ、域内のコアインフレは頭打ち傾向を示しつつも、足許では5.3%と目標の2%よりかなり高い状態で、政策金利である主要リファイナンスオペ金利(4.25%)を上回っています。

インフレ鈍化には抑制的(インフレ率<政策金利)な水準まで金利を誘導する必要があると思われ、安易に「利上げ停止」や「利下げ」を期待させる姿勢は示さないでしょう。ラガルドECB総裁も「利上げの道筋はファンダメンタルズ次第としながら、現状で利下げは選択肢にない」との立場を続けそうです。前半はファンダメンタルズの弱さからユーロ売りが先行しそうですが、後半は徐々に持ち直すのではないでしょうか。

ユーロ/円は、50日線(157.140円:執筆時点)が下値支持線となり下げ渋る一方、21日線(158.346円:執筆時点)に上値もキャップされて狭いレンジでもみ合って次なる方向性を模索しています。ただ、日足一目均衡表の雲上限の支持力低下が影響して、目先は下方向に向かい易いように感じます。下値の目途としては、7月31日安値の155.110円付近を考えています。

【ユーロ/円チャート 日足】

EUR/JPY日足チャート
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:EUR/JPY:155.000-160.000

英賃金動向で、中銀への思惑が振幅か

6日、ベイリー英中銀総裁は議会で行った年次報告で、「目先、若干の金利上昇はあり得る」ものの、「年内のインフレ低下見通しに変化はなく政策金利がピークに近づいた」との認識を示しました。ベイリー総裁の発言は、9月21日の英中銀金融政策委員会(MPC)で0.25%利上げして「引き締めサイクル終了」を意識させます。かたや、中央銀行の金融政策見通しを反映していると言われる短期金利指標のOIS市場では、まだ年内あと2回の利上げ、金利の最終到達地点は5.7%程度との見方が優勢な状況です。

つまり、市場はまだベイリー総裁の見解を十分に消化していない状態です。どちらの見方が正しいのか判断するには20日の消費者物価指数まで待たなければいけませんが、その前哨戦とも言える12日の英8月労働統計での賃金動向も相応に注目を集めそうです。賃金の上昇が加速すれば、インフレ鈍化と考えるのは早計と思われポンド買い戻しが強まりそうですが、賃金の上昇が頭打ちとなるようなら引き締めサイクル最終章への期待が膨らみ、ポンドの下げを加速させるかもしれません。

ポンド/円のチャート形状は156円付近で頭を抑えられて、ダブルトップのような形になっているほか、日足一目転換線が下向きに変化し始めるなど、上値の重さが意識されやすくなっています。182円前半の今年3月24日安値(158.260円)を起点としたサポートライン割れをトライしても不思議はなさそうです。同ラインを割り込んだ場合は、186円突破に向けた8月8日安値の181.379円が次の節目と見られます。ただ、支持線割れを回避した場合は、反転に向け値固めが期待できそうです。

【ポンド/円チャート 日足】

GBP/JPY日足チャート
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:GBP/JPY:181.500-186.500

9/11 週のイベント

9/11(月) 17:00 イギリス ピル英中銀MPC委員、発言
9/12(火) 8:00 イギリス マン英中銀MPC委員、発言
9/12(火) 15:00 イギリス 8月失業率
9/12(火) 18:00 ドイツ 9月ZEW景況感調査
9/12(火) 18:00 ユーロ 9月ZEW景況感調査
9/13(水) 15:00 イギリス 7月月次国内総生産(GDP)
9/13(水) 15:00 イギリス 7月鉱工業生産
9/13(水) 15:00 イギリス 7月貿易収支
9/13(水) 18:00 ユーロ 7月鉱工業生産
9/14(木) 8:01 イギリス 8月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格指数
9/14(木) 21:15 ユーロ 欧州中央銀行(ECB)政策金利
9/14(木) 21:45 ユーロ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見
9/15(金) 18:00 ユーロ 7月貿易収支

一言コメント

英国第2の都市のバーミンガム市の財政破綻。生活困窮者の支援や、ごみ収集など法律上必要なサービスは継続して行われるようですが、行政サービス低下は止むを得ないでしょう。理由は職員や元職員の男女の賃金格差の是正のための費用が財政を圧迫したとのことで、特殊な事例と見られますが、他の英国の都市でも同様の問題が広がるようなら、英国に対する悲観的な見方が強まる恐れもあるかもしれませんね。

 
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