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FX「秋のドル円のクセと注目点は」

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総括

FX「秋のドル円のクセと注目点は」

ドル円=144-149、ユーロ円=155-160、ユーロドル=1.05-1.10

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨11位(10位)、株価4位(4位)、秋のドル円のクセと注目点は」
 ドル円の秋は、9月、10月がドルが上昇しやすく、11月は下落しやすい。輸出業者は新年度前半(4-9月)にドル売りを出しやすく、秋以降はその勢いが縮小する。輸入は1年を通しほぼ平均的にドル買いを行うからだ。貿易赤字は大幅減少しドルの上昇を抑えているがが、黒字になったわけではない。昨年は秋に年初来30%以上ドル高円安となったが、今年は11%程度の上昇なので、ドル売り介入の大義名分はない。
 ただ最近のサウジ・ロシア主導の減産での原油価格の上昇が、再び貿易赤字の拡大となれば円安要因だ。中国の日本製品輸入減少も注意したい。

 日米金融政策の違いによる金利差でのドル買いは続いている。日銀は金融緩和を続け、米国はインフレ圧力がやや低下しているが、利下げには遠く高金利での現状維持を続けている。日本の株価上昇は続き、投資家のリバランスによる海外投資増加の円安も出ている。今週は8月上中旬の貿易統計の発表がある。昨年ほどのドル急騰になっていないのは、貿易赤字の縮小なので注目したい。

*米ドル「通貨5位(5位)、株価(NYダウ)13位(12位)、やや有事のドル買い。経済は順調」
 今年は去年ほどの世界情勢の混乱はなく、有事のドル買いは収まっていたが、このところの原油や天然ガスに価格上昇で取引通貨のドルが買われている。ただドルは欧州通貨よりも弱く、12通貨中5位であり、日本や新興国以外の通貨当局がドルが強すぎるという議論には、まったくなっていない。

 米国の経済指標もまずまずだ。アトランタ連銀の3Q・GDPナウは5.6%、クリーブランド連銀の8月CPIナウは3.82%である。先週の8月雇用統計、雇用動態調査(JOLTS)、ADP全体雇用リポートは弱かったので、一時ドルが売られたが、米政府やFRBからは長期的には雇用情勢は改善しているとの発言が出て、ドル売りは収まっている。

 バイデン大統領は、就任以来、1350万人の雇用が追加され、失業率は6.3%から低下、インフレは現在は約3%で、1年前の約3分の1となっていると自画自賛した。クリーブランド連銀のメスター総裁は「労働市場について、均衡化の兆候が出ているものの、なお堅調な状態を維持している。失業率は3.8%となお低水準にある。インフレ率はまだ高すぎるものの、物価上昇圧力の軽減は進んでいる」と述べた。
 今後の金利を巡る決定については「経済、銀行、金融市場の動向を注意深く監視し、経済が見通し通りに進展しているか判断するために、あらゆる経済的な観察を行う必要がある」と語った。
9月FOMCでは、CMEのフェドウオッチによると、金利を据え置く可能性を93%、11月の利上げの可能性を36%とみている。

*ユーロ「通貨4位(4位)、株価7位(7位)DAX)、3Qはマイナス成長観測あり利上げは苦しい」
 ドルに迫られてきた。12通貨中5位のドルと4位のユーロの差は僅差となってきた。米国と比べると経済指標は弱く、また最近の原油高は欧州にとっては不利な材料だ。

7月のECB理事会の議事要旨では9月会合でまとめる最新の経済・物価予測を確認すれば「9月の追加利上げは必要でなくなる」との見解が出ていたことが分かった。利上げ継続を視野に入れた意見も根強く、理事会内部の温度差が浮き彫りになった。ラガルド総裁は9月の利上げは「データ次第」と強調。「利上げするかもしれないし据え置くかもしれない」として、利上げを見送る可能性にも言及していた。

 8月のユーロ圏の消費者物価は前年同月比5.3%上昇と、伸び率は前月と同じだった。価格変動の大きい食品やエネルギーを除いても5.3%と高止まりした。議事要旨では「インフレ率の鈍化傾向を確認できるには今後数カ月の物価データが必要になる」と警戒する声もあった。

ユーロ圏は景況感が急速に悪化しており、3Qはマイナス成長に転落する恐れがある。景気失速の懸念から利上げ観測が後退する。9月の理事会で0.25%の利上げが決定される確率は約20%。8月30日時点では60%だった。

*ポンド「通貨3位(3位)、株価19位(19位)、9月は0.25%の利上げか」
 市場では、英中銀があと1回利上げをすると見込まれている。9月21日の次回の金融政策委員会で政策金利を0.25%引き上げ5.5%とする予想だ。英中銀チーフエコノミストのピル氏は、政策金利を引き上げすぎるリスクがあっても、インフレ率を目標まで引き下げるために「仕事をやり遂げる」と表明した。また、ブロードベント英中銀副総裁は、最近のガス価格や生産者物価の下落でも、インフレが急上昇したのと同様のペースで急速に鈍化することはないため、高金利を長く維持する必要があるとの認識を示した。

 消費は弱い。8月の小売売上高指数はマイナス44となり、前月のマイナス25から急低下した。2021年3月以降で最大の落ち込みで、大半の店舗は9月も厳しいとみている。金利上昇と需要低迷を背景に、小売り業者は今後1年は投資抑制を予想している。また9月は雇用も再び減少するとみられている。
 四半期の小売業者の景況感指数はマイナス14と5月のプラス6から低下。今年最低水準となった。

*豪ドル「通貨8位(8位)、株価14位(15位)、政策金利は据え置きか。GDPは減速か」
 豪RBAは今週の政策会合で政策金利を据え置くだろう。最近の主なデータでは、弱い7月雇用統計、コンセンサスをわずかに下回った2Q賃金価格指数、コンセンサスを大幅に下回った7月消費者物価がある。RBAが雇用とインフレ状況を強く懸念していることを考慮すると、政策金利は4.10%に据え置かれる可能性が高い。エコノミスト36人中34人も4.1%に据え置くと予想。

 その中で好材料もあった。2Q設備投資額が2015年終盤以来の高水準となった。設備購入への税優遇措置が寄与した。設備投資計画も上方修正され、経済押し上げ効果が予想される。2Q企業設備投資は前期比で2.8%増加し、予想の1.2%増を上回った。今後1年間の設備投資計画は前期から14.5%上方修正された。

 懸念は中国だ。チャーマーズ財務相は、中国経済の情勢を注視していると発言、景気低迷の「懸念すべき」兆候があり、豪経済の重しになる可能性があると述べた。
「中国は成長の鈍化に対処しており、デフレが起きている。不動産セクターに対する懸念のほか、銀行セクターに対する懸念もある程度あり、輸出も減速している」とした。
今週は2Q・GDPが発表される。予想は前年比1.7%増で1Qの2.3%から減速する見通し。

*NZドル「通貨9位(9位)、株価18位(17位)、中銀が2度目のリセッションを予想」
 円より強いが全体では9位と弱い。中銀の先行きの見通しは、経済成長率が3Qに0.3%、4Qに0.1%縮小し、ここ1年以上で2度目となるリセッションになると予想している。ただインフレは6%と思ったほど低下せず。NZ中銀のチーフエコノミストは「NZドルの下落に細心の注意を払っている」とした。NZドルの対ドルでの買い介入の可能性もあるだろう。
8月の消費者信頼感指数は85.0で、前月の83.7から小幅上昇した。ただ、楽観と悲観の分岐点となる100を引き続き下回っている。消費者は引き続き慎重になっている。8月企業信頼感は、2021年半ば以来の水準に改善した。 向こう1年間に経済が悪化すると予想した回答は差し引き3.7%で、7月の13.1%から低下した。各種指標は依然として低調だが、8月景況見通し調査は単月の動きとしては良かった。

 さてフィッチはNZの格付け「AA+格付け」を維持、見通しを安定的とした(ムーディーズはAaa格付け)。高水準の家計債務と巨額の経常赤字がリスクであると警告している。
見通し安定は強力な統治構造と財政規律への取り組みを反映しているとしている。短期的な財政拡大にもかかわらず、政府の総債務/GDPは中期的には下降線をたどるとしている。貿易情勢の悪化、債務返済コストの上昇、住宅価格の下落と労働市場が緩和の兆しを示していることによる消費者心理の低迷により、来年の成長率が0.8%に低下するなど、経済見通しは厳しいと述べた。

テクニカル分析

*ドル円「ボリバン上位で膠着。9月1日は下ヒゲが長い」
日足、8月半ばより膠着。ボリバン上位。9月1日は下ヒゲが長い。8月7日-9月1日の上昇ラインがサポート。8月29日-9月1日の下降ラインが上値抵抗。5日線。20日線上向き。
週足、5週ぶり陰線。ただ上値は切りあがった。22年10月17日週-23年8月28日週の下降ラインが上値抵抗。8月7日週-28日週の上昇ラインがサポート。5週線、20週線上向き。雲の上。
月足、7月は4か月ぶり陰線も長い下ヒゲで8月の陽線を誘導。5か月、20か月線は上向き。7月-8月の上昇ラインがサポート。22年10月-23年8月の下降ラインが上値抵抗。
年足、2023年はここまで陽線。2022年の長い上ヒゲを駆け上る。21年-22年、12年-21年の上昇ラインがサポート。

*ユーロドル「弱い。7週連続週足陰線」
日足、ボリバン下限。8月31日-9月1日の下降ラインが上値抵抗。8月25日-9月1日の上昇ラインがサポート。5日線、20日線下向き。
週足、7週連続陰線と弱い。先週は上ヒゲ長い。中位を割る。5週線、20週線下向き。5月29日週-8月28日週の上昇ラインがサポート。8月7日週-28日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、7月の長い上ヒゲで8月は下落。7月-8月の下降ラインが上値抵抗。23年6月-7月の上昇ラインを下抜く。22年10月-11月の上昇ラインがサポート。5か月線、20か月線下向き。
年足、年足陽転。20年‐21年の上昇ラインは下抜く。2022年は2年連続陰線もボリバン2σ下限到達し反発。22年の下ヒゲが長く反発力あり。02年-22年の上昇ラインがサポート。21年‐22年の下降ラインを上抜くも元に戻る。

*ユーロ円「159.767の年初来高値を更新後反落。ボリバン中位割る」
日足、8月30日に159.767の年初来高値を更新後反落。ボリバン中位割る。8月23日-9月1日の上昇ラインがサポート。8月31日-9月1日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き、20日線上向き。
週足、ボリバン上位で推移。8月21日週-28日週の上昇ラインがサポート。2008年7月21日週-2023年8月28日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線上向き。
月足、6月は大陽線、7月は陰転も下ヒゲを出し8月の上昇へ。6月-7月の上昇ラインがサポート。2008年7月-23年8月の下降ラインが上値抵抗。5か月、20か月線は上向き
年足、3年連続陽線。今年はさらに大陽線。20年-22年の上昇ラインがサポート。08年-22年の下降ラインを上抜く。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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