ドル/円、一時145円台を突破も失速...本邦当局による為替介入への警戒感などから伸び悩む
東京市場のドル/円は、9カ月ぶり高値を更新するも失速。米長期金利の上昇などを背景に2022年11月10日以来の145.21円前後まで上伸しました。しかし、その後は政府・日銀による介入警戒感から144.60円台に押し戻されるなど不安定な値動きとなりました。 欧州市場では、底堅く推移するも上値が重く144.74円~144.97円程度の小幅なレンジ推移となっています。
今夜のドル/円は、145円台に定着できるかが焦点となりそうです。重要イベントは予定されておらず、海外市場の金利や株式の動向次第となるでしょう。仮に145円台を回復して上伸すれば、日本政府関係者からの円安に対する口先介入が入る可能性もありそうです。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、10・20・80日移動平均線は上向きを継続。RSIはやや下向きですが70ライン近辺に推移しており上昇基調は継続しています。日足チャートの終値で145円を上抜けるようだと上値摸索の展開が明日以降も続きそうです。一方で145円台を上値抵抗に反落すれば6月高値145.07円前後とダブルトップを形成し下落バイアスが強まる可能性があることには注意しましょう。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
8/14(月)
特になし
8/15(火)
08:50☆日本4-6月期GDP・速報値
10:30☆RBA議事録
10:30☆豪4-6月期賃金指数
※☆は特に注目の材料
最新の経済指標カレンダーはこちら ↓↓↓
https://www.gaitame.com/markets/calendar/
今日の注目トピック
中国の最新の経済指標では成長回復の兆しが見られておらず、特に不動産業の悪化に圧迫されています。中国有数の不動産開発業者である碧桂園は先週7日の利払いを履行できず債務不履行(デフォルト)までの猶予期間が30日を切りました。関係筋からの情報によると本日、碧桂園が国内債償還の3年延期を要請したとのことですが予断を許さない状況です。ちなみに2021年にデフォルトとなった不動産大手の恒大集団はいまだ多くのサプライヤーや債権者への支払い、プロジェクトの完成に苦戦しているそうです。万一、碧桂園がデフォルトになれば恒大集団の時よりも影響が大きくなる可能性があるともいわれていることもあり中国経済を含めて今後も注視する必要があります。
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。