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来週の為替予想(米ドル/円)「このまま円安進行?地政学リスクや円債動向に注意」ハロンズ FX 2023/8/11

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執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人

目次

執筆日時 2023年8月10日 14時56分

このまま円安進行?地政学リスクや円債動向に注意

8月7日週の米ドル/円、144円台回復

本邦の毎月勤労統計調査における現金給与総額の伸びが予想より弱かったことで、日銀のイールドカーブ・コントロール(YCC)修正期待が後退したほか、米債券が需給面の懸念から軟調(金利は上昇)だったことが、米ドル/円をサポートしました。米ドル/円は144.083円と、8月3日高値(143.886円)を上抜け、直近高値を塗り替えました。
ただ、ウェルズ・ファーゴや邦銀系など11行に対し、記録管理不備で米証券取引委員会が制裁金を科したほか、中国の不動産開発の碧桂園がドル建て債2本の利払い不履行を発表するなどきな臭いニュースも伝わるなど、悪材料には目を瞑ったように感じる場面もありました。(各レート水準は執筆時点のもの)

FX ライブ配信、リスクオフでも1㌦143円台、止まらない円安に赤信号? (2023年8月9日)

※相場動向については、外為どっとコム総研のTEAMハロンズが配信している番組でも解説しています。

ベースは買い回転も、円債利回りに警戒

例年、夏季休暇を取る市場参加者が多く市場流動性が低下しやすい中、動意は限定されそうですが、その分僅かなフローで値幅が広がり一方向に相場が走る危険もある時期だけに、注意は怠れません。来週は8月16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨、同15日米7月小売売上高、同17日本邦7月貿易統計、20年債入札、同18日の本邦7月全国消費者物価指数(CPI)が予定されています。FOMC議事要旨では、残り1回とされる追加利上げに対して、参加者がどの程度前向きな姿勢を示しているのか着目されます。

かたや、本邦サイドでは20年債入札や7月全国消費者物価指数(CPI)が着目されます。7月日銀会合の主な意見では、物価の上振れリスクに関する言及が多く、内容はどちらかと言えばタカ派色が強かったように感じます。国際商品市況が上昇傾向であることも考えると、今後、日本のインフレ率の一段の上振れに対する懸念は高まっている様子です。20年債入札が低調な結果となれば、日銀アタックに伴う円高進行も想定されそうで、この円安を全面的に信頼するのも危険と考えます。内外金利差から、米ドル/円の取引はどうしてもベースは買い回転となりますが、本邦の金利動向次第では梯子を外される危険があり、ストップロス注文はこまめに設定しておきたいです。

その他のリスク要因としては、中国の動向も注意したいです。輸出の減少や消費者物価指数の減速、不動産分野の不透明感など、同国の成長に対する不安は晴れていません。また、台湾の頼清徳副総統が12日から米国を経由して南米に向かうことに中国政府が反発しており、台湾海峡を巡る地政学リスクなど中国関連のリスク回避には注意したいです。

米ドル/円、143円割れなら

トライアングルの上限を突破しつつあり、このままレベルをキープできれば145円台回復から、昨年11月9日高値(146.792円)を目指して下値を切り上げそうな展開です。ただ、日足一目均衡表の雲上限が目先、低下するなどサポート力が限られる可能性には注意が必要で、調整方向に向かった際は値幅が広がる危険があります。143.000円を割り込んだ場合は、141.000円付近まで目線が下がりそうです。

【米ドル/円チャート 日足】

ドル円 日足

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:
USD/JPY:141.500-146.500

8/14 週のイベント:

8/15(火) 8:50 日本 4-6月期四半期実質国内総生産(GDP、速報値)
8/15(火) 13:30 日本 6月鉱工業生産・確報値
8/15(火) 21:30 米国 7月小売売上高
8/15(火) 21:30 米国 8月ニューヨーク連銀製造業景気指数
8/15(火) 21:30 米国 7月輸入物価指数
8/15(火) 23:00 米国 8月NAHB住宅市場指数
8/15(火) 23:00 米国 6月企業在庫
8/15(火) 24:00 米国 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、発言
8/16(水) 21:30 米国 7月住宅着工件数
8/16(水) 21:30 米国 7月建設許可件数
8/16(水) 27:00 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
8/17(木) ― 日本 20年債入札
8/17(木) 8:50 日本 7月貿易統計
8/17(木) 8:50 日本 6月機械受注
8/17(木) 8:50 日本 対外対内証券売買契約等の状況
8/17(木) 13:30 日本 6月第三次産業活動指数
8/17(木) 21:30 米国 前週分新規失業保険申請件数
8/17(木) 21:30 米国 8月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
8/17(木) 23:00 米国 7月景気先行指標総合指数
8/18(金) ― 米国 日米韓首脳会談
8/18(金) 8:30 日本 7月全国消費者物価指数(CPI)

一言コメント

なでしこジャパンがノルウェーに快勝して、次は準々決勝。対戦相手は北欧のスウェーデン。猛暑で外出もままならないので、部屋でゆったり応援させていただきます。

 
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