総括
FX「6月に続き7月も最強通貨に浮上 政策金利は据え置きか」南アランド見通し
「通貨11位、株価11位」
「予想レンジ 南アランド円7.4-7.9」
(ポイント)
*6月月間は最強通貨、7月も最強通貨へ浮上
*5月の製造業生産が堅調
*政策金利は据え置きか
*今週は消費者物価と小売売上の発表
*停電は改善
*ズマ前大統領収監で支持者暴動への不安あり
*中国、オランダ、デンマークが電力問題で支援
*対米関係修復出来るか
*今年は0.3%の小幅成長か 電力不足が不透明要因
*1Qはリセッションを回避
*難題(停電、グレーリスト入り、中国・ロシアへの接近で対米関係悪化)
*IMFは成長見通し引き下げ
*南アの最大貿易相手国は輸出入ともに中国
*インフレ率は23年は5.4%、24年は4.8%と予想(中銀)
(7月も最強通貨に浮上)
6月は最強通貨、7月は「夏の円高」で一時円に抜かれたが、先週末は再び月間最強となった。ランドを押し上げたのは5月の製造業生産が堅調だったこともある。前年比2.5%増加。4月は3.6%増に改定された。停電でも生産が伸びたことが好感された。
ただ年初来では、まだ12通貨中11位と、10位の円とともに低迷している。
(政策金利は据え置きか)
今週は7月20日に政策金利決定会合がある。政策金利を8.25%に据え置くとの予想が多い。これまでの利上げ効果が浸透して物価上昇率が大幅に鈍化した上、今後さらに下振れると見込まれるからだ。6月の消費者物価は7月19日に発表され、予想通りの5.9%であれば、インフレターゲット(3-6%)内に戻る。そうなれば、7月20日の政策金利は据え置かれる可能性が出てくるだろう。クガニャゴ中銀総裁は、「インフレ率は着実に低下傾向にあり、2Qか遅くとも3Qには目標の範囲内に低下すると予想している」と述べた。
今週は5月小売売上の発表もある。
(停電は改善)
停電は改善されている。レベル2の停電は7月17日月曜日の現地時間午前5時から午後4時まで実施され、続いてレベル4は火曜日の午前5時まで実施される。レベル6,7の強い停電措置は緩和されてきた。
(ズマ前大統領が収監)
ズマ前大統領が、警察に出頭し、収監されたと伝えられた。憲法裁判所は先月、ズマ氏に禁錮1年3カ月の実刑判決を言い渡していた。
ズマ氏は2009~18年の大統領在任中、インド系富豪への便宜供与などの数々の汚職疑惑が浮上し、辞任に追い込まれた。汚職疑惑の調査委員会が立ち上がり、今年2月に出席を求められたが、「委員会は私をいけにえにしようとしている」などと主張して拒んでいた。
ただズマ氏には熱狂的な支持者も解放を求めて多く暴動が起きる可能性もある。
テクニカル分析(ランド/円)
7月も月間最強を回復
日足、ボリバン2σ下限から反発し中位へ。5日線上向き、20日線下向き。7月7日の長い下ヒゲ効く。7月5日-14日の下降ラインが上値抵抗。7月12日-14日の上昇ラインがサポート。
週足、先週は切り返す。6月26日週-7月3日週の下降ラインが上値抵抗。中位は維持。7月3日週-10日週の上昇ラインがサポート。5週線、20週線上向き。
月足、6月は月間最強で大陽線、7月も.かろうじて陽線。雲の上は維持。5月-6月の上昇ラインがサポート。22年11月-23年6月の下降ラインが上値抵抗。5か月線、20か月線は上向き。
年足、今年は円とデッドヒートを繰り消すが、再び陽転。20年-22年の上昇ラインがサポート。08年-22年の下降ラインが上値抵抗。
喜望峰
南ア、プーチン大統領でジレンマ BRICS欠席提案も拒否
マシャティル副大統領は、中国やロシア、南アなどBRICSの8月の首脳会議を巡り、ロシアのプーチン大統領の欠席を提案したものの、ロシアなどが拒否したと明らかにした。
南アには、ICCの逮捕状が出ているプーチン氏が入国した場合、拘束する義務がある。マシャティル氏は「われわれにとって大きなジレンマで逮捕するわけにはいかない。友人を家に招待して逮捕するようなもので欠席が最良の解決策になる」と語り、引き続き欠席を求める考えを示した。
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