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今週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「主要経済指標は強弱マチマチ RBAは利上げするのか?」ハロンズ FX 2023/7/2

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執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次

主要経済指標は強弱マチマチ RBAは利上げするのか?

先週の振り返り

先週の豪ドル/円は95.86円前後で、NZドル/円は88.11円前後で週初を迎えました。週初は日銀と主要国中央銀行の金融政策の方向性の違いが意識されたことで日本円が全面安。豪ドル/円は96.49円前後、NZドル/円は2015年6月以来8年振りとなる88.97円前後まで上値を伸ばしました。28日に発表された豪5月消費者物価指数(CPI)が市場予想や前回値を大きく下回る結果(+5.6%)となったことで、豪準備銀行(RBA)が7月に追加利上げを行うとの見方が後退し豪ドル/円は一時95.16円前後まで下落しました。しかし翌29日の豪5月小売売上高が市場予想を上回ったことで、一転買い戻しが優勢となりました。NZドルは国内で主要経済指標の発表もなかったことから豪ドルに連れた動きとなりました(執筆時)。

豪経済指標がRBAの動きを読みにくくした…

今週は4日(火)には、RBAが金融政策会合(理事会)を開催します。RBAは今月(6月6日)の理事会では0.25%の利上げを実施、市場では据え置きの可能性が高いと見られていたためサプライズとなりました。その後、20日に公表されたRBA理事会の議事要旨では、「利上げと据え置きは微妙な判断だった」と示してありました。そのため、これまで通り労働市場やインフレ率、家計消費などの動向(経済指標結果)が7月の利上げの有無を探るための重要なデータとなりました。

まずは豪州の労働市場の状況を確認したいと思います。
15日に発表された豪雇用統計では雇用者数は7.59万人増でした。この結果は前月の0.4万人減が一時的なものだったこと、豪労働市場が引き続き非常に逼迫していることを示しています。豪州の雇用者数は2023年に入って約4.4万人/月増加しています。これは昨年平均の約4.16万人やコロナ禍前となる2019年平均の約2.13万人を上回る増加幅となっています。また、5月の労働参加率は66.9%となり月次統計を開始した1972年以降で最も高い数字となりました。強すぎる労働市場はRBAが利上げを検討する要因になるでしょう。

次にインフレ率を見てみると、豪州の5月月次CPIは前年比+5.6%となり、前月の+6.8%から大きく低下していました。この結果だけを見る限りでは、RBAが7月に利上げを見送ることになりそうです。ただ、筆者はRBAが7月に追加利上げを実施する可能性が残っているとみています。なぜなら5月の月次CPIの内訳を見ると自動車燃料の大幅な低下が、総合CPI鈍化の主な理由だからです。事実、総合のCPIから価格変動の激しい自動車燃料や果物・野菜などを除外したコアインフレ率は+6.4%で前月から0.1%しか低下しておらず高止まりしています。そして、RBAが気にするCPIの項目の一つであるサービスインフレ(外食、テイクアウト)は前月から伸びが加速していました(+7.3%⇒+7.7%)これは追加利上げの可能性を想起させる内容になります。
「パッと見た目では据え置きだが、内容を見ると追加利上げの可能性も残る」と言った結果と言えます。7月に再度予防的な利上げを実施するか、はたまた7月末に発表される四半期CPI(RBAが最も重視するインフレ指標)を見て判断するのか。RBAの決断に注目が集まります。

そして最後に29日に発表された豪5月小売売上高です。結果は前月比+0.7%で1月以来の大幅な伸びとなりました。しかし、5月はオンラインで大規模なセールイベントがあったことや前述の通り、サービスインフレが上昇したことなどが、小売売上高の増加の要因となった模様です。昨年11月も「ブラックフライデー」や「サイバーマンデー」と言った感謝祭前後の大規模なオンラインセールの影響で小売売上高が大きく伸びました。そして翌12月にはその影響から小売売上高は大幅に低下しました。そういった事例を見る限り、5月の好結果は単発的なものになる可能性が高いと考えられます。

【豪小売売上高と前月比の推移】



これらの状況から筆者はRBAは7月4日の会合で「利上げか据え置きかは微妙な判断」で据え置きになると予想しています。

中国の景況感は?

今週は3日(月)に民間企業である財新が集計する6月製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表されます。先月の同指数は予想外の大幅上昇(49.5⇒50.9)となり、中国経済の回復期待を市場に抱かせました。6月30日に発表された中国国家統計局が集計する6月製造業PMIは49.0となり前月から改善がみられました。執筆時点での財新6月製造業PMIの市場予想は50.0となっています。市場予想を上回れば中国経済先行きが少し明るくなり豪ドルは小幅上昇となりそうです。前月を超えれば強い買いとなるのではないでしょうか。ただし、翌日にはRBA理事会が控えていますので大きな流れを形成するには至らないとみています。

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円は6/19から徐々に上値を切り下げてきています。目先の上値目途は日足一目均衡表の転換線となります。そこを上抜けた場合は、6/19高値の97.68円前後や、昨年9/13高値の98.79円前後が目安となりそうです。一方で下値ですが、目先は今週下値を支えた6/15安値の95.11円前後が意識されそうです。そこを下抜けた場合は、6月上旬の上昇局面の高値安値を結んだフィボナッチリトレースメント38.2%戻しとなる94.86円前後が目途となりそうです。日足一目均衡表・基準線がまず意識されそうです。その下の水準では6/6に上抜けるまでは上値目途として意識されていた93.00円前後が下値目途(サポート)になりそうです。

【豪ドル/円 日足・一目均衡表、フィボナッチリトレースメント】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:AUD/JPY:93.00-99.00、NZD/JPY:85.00-90.00

7/3 週のイベント:

07/03 (月) 07:45 NZ 5月住宅建設許可件数
07/03 (月) 10:30 豪 5月住宅建設許可件数
07/03 (月) 10:45 中国 6月財新製造業購買担当者景気指数(PMI)
07/04 (火) 13:30 豪 豪準備銀行(RBA)、政策金利発表
07/05 (水) 10:45 中国 6月財新サービス業PMI
07/06 (木) 10:30 豪 5月貿易収支

一言コメント:

最近ちょっとだけ頑張っているダイエット。ある日の夕飯は大豆もやし一袋(約60kcal)のみでした。翌日のお昼は会社の近くのお弁当屋さんで購入。入っていたタルタルソースを付けようとして、ふとパッケージを見ると62kcal(たしか…)と書いてありました。タルタルソースを付ける量を減らしました。

 
nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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