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為替介入は「ドル円150円以上」が最も多い結果に…個人投資家が予想するFOMC・YCC行方【外為短観 第169回】

外為短観ロゴ

<第169回調査>2023年7月1日

外為どっとコムの口座開設者のお客様を対象とした投資動向等に関するアンケート調査です。

分析・レポート作成
外為どっとコム総合研究所

調査実施期間
2023年6月23日(金)13:00~2023年6月27日(火)24:00

調査対象
外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』に口座を開設のお客様層。

調査方法
外為どっとコムの口座開設者にメールでアンケート回答URLを送付。
今回の有効回答数は615件。
※必要項目を全て入力して回答して頂いたお客様を「有効回答数」としました。

問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください
問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください
問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください
問4:今後1カ月間のポンド/円相場の見通しについてお答えください
問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか
問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか
問7:FRBは7月25-26日のFOMCで政策金利をどうすると思いますか
問8:日銀は7月27-28日の金融政策決定会合で、イールドカーブ・コントロール(YCC)の見直しを実施すると思いますか
問9:政府と日銀が円買い介入をする場合、どの水準で実施すると考えますか
今後の調査実施計画及び公表方針

問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください。

「今後1カ月間の米ドル/円相場の見通し」については、「米ドル高・円安方向」と答えた割合が65.7%であったのに対し「円高・米ドル安」と答えた割合は17.6%であった。この結果「米ドル/円予想DI」は△48.1%ポイントと前月の△39.0%ポイントからプラス幅が拡大した。
調査期間前後の米ドル/円相場は、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が議会で「今年あと2回の利上げが適切となるだろう」などと発言したことからドルが上昇。また、海外中銀がインフレ抑制に向けた金融引き締めを行う中、大規模緩和を維持する日銀の姿勢があらためて際立ったことで円が下落した。ドル/円が7カ月ぶりに144円台へと強含む中、個人投資家は上昇基調がまだ続くと考えているようだ。
今後1カ月の米ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が151.00円、最安値が130.00円となり、高値の平均値は145.30円、安値の平均値は138.76円であった。高値の中央値は145.00円、安値の中央値は139.00円だった。前月調査から4~5円程度、米ドル高・円安方向へシフトしている。

※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください

「今後1カ月間のユーロ/円相場の見通し」については、「ユーロ高・円安方向」と答えた割合が、57.7%であったのに対し「円高・ユーロ安方向」と答えた割合は16.6%であった。この結果「ユーロ/円予想DI」は△41.1%ポイントとなり、前月の△30.6%ポイントからプラス幅が拡大した。
調査期間前後のユーロ/円相場は、ラガルド欧州中銀(ECB)総裁が「7月に利上げを継続する公算が非常に大きい」として連続利上げ示唆したことからユーロ高となった。一方で、植田日銀総裁が「粘り強く金融緩和を継続していく」などと表明したことで円は全面安だった。この結果、ユーロ/円は2008年9月以来の高値157.99円前後まで上伸。個人投資家は15年ぶり高値を更新してもなお、ユーロ高・円安が続くと見ているようだ。
今後1カ月のユーロ/円相場の高値と安値の予想については、最高値が165.00円、最安値が138.00円となり、高値の平均値は157.35円、安値の平均値は149.96円であった。高値の中央値は157.40円、安値の中央値は150.00円であった。前月調査から4~7.4円程度、ユーロ高・円安方向に大きくシフトした。

※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください

「今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通し」については、「豪ドル高・円安方向」と答えた割合が、45.9%であったのに対し「円高・豪ドル安方向」と答えた割合は19.3%であった。この結果「豪ドル/円予想DI」は△26.6%ポイントとなり、前月の△24.3%ポイントからプラス幅がやや拡大した。
調査期間前後の豪ドル/円相場は、豪中銀(RBA)6月理事会の議事録が市場が想定していたよりもタカ派的ではなかったとして7月利上げ観測が後退する中で豪ドル売りがやや優勢だった。しかし、円安による下支えにより95円台前半では下値が堅かった。豪利上げ期待は高くないものの、日銀の金融緩和維持が見込まれる中、豪ドル/円についても強気な見通しを維持する個人投資家が多いようだ。
今後1カ月の豪ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が100.00円、最安値が85.00円となり、高値の平均値は97.83円、安値の平均値は92.17円であった。高値の中央値は98.00円、安値の中央値は92.00円で2~5円程度豪ドル高・円安方向にシフトした。

※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問4:今後1カ月間のポンド/円相場の見通しについてお答えください

「今後1カ月間の英ポンド/円相場の見通し」については、「英ポンド高・円安方向」と答えた割合が、55.3%であったのに対し「円高・英ポンド安方向」と答えた割合は16.1%であった。この結果「英ポンド/円予想DI」は△39.2%ポイントとなり、前月の△29.7%ポイントからプラス幅が拡大した。
調査期間前後の英ポンド/円相場は、英中銀(BOE)の大幅利上げなどもあって上昇基調が続き、2015年12月以来の高値となる183円台へと上伸した。インフレの高止まりを受けてBOEがさらに利上げを継続するとの見方が強まる中、大規模緩和の継続が濃厚な日銀との対比から、英ポンド高・円安の流れは止まらないと見る個人投資家が多いようだ。
今後1カ月の英ポンド/円相場の高値と安値の予想については、最高値が194.00円、最安値が158.30円となり、高値の平均値は184.51円、安値の平均値は175.76円であった。高値の中央値は184.58円、安値の中央値は176.00円で、前月調査から8~11.60円程度、英ポンド高・円安方向に大きくシフトした。

※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)。また、選んだ理由もご記入ください

今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「米ドル」と答えた割合が43.9%で最も多かった。次いで「円」が18.7%で、その後、「英ポンド(9.8%)」、「ユーロ(9.1%)」、「メキシコペソ(5.2%)」、「豪ドル(5.2%)」と続いた。米ドルは回答割合こそ前月の45.3%からやや低下したものの、3カ月連続で首位を維持した。「米ドル」と答えた理由について自由記述形式で尋ねたところ「米国景気が底堅い」「さらなる2度の利上げの可能性があり先高観がある」との見方や「欧州通貨に流れていた資金の巻き戻し」がドルを押し上げるとの意見も出た。2位の「円」については「円買い介入」を挙げる向きが多く、昨年に続く財務省・日銀による為替介入を期待する声が出ていた。

問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)。また、選んだ理由もご記入ください

今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「円」と答えた割合が50.7%と最も多かった。次いで「米ドル(17.1%)」、さらに「トルコリラ(10.9%)」、「ユーロ(5.2%)」、「英ポンド(4.6%)」、「中国人民元(3.9%)」が並んだ。円は3カ月連続で首位。回答割合も前月の44.3%から上昇した。「トルコリラ」は調査期間直前に中銀が大幅利上げを行なったにもかかわらず前月の7.6%から回答割合が上昇した。「円」と回答した理由については「他国との金利差拡大」「日銀の金融緩和維持」など、金融政策面を指摘する向きが多かった。日銀の金融政策については「YCC(イールドカーブ・コントロール)が多少修正されても金利差が意識される」として現行の緩和策が一部修正されても円安は止まらないとの意見もあった。

問7:FRBは7月25-26日のFOMCで政策金利をどうすると思いますか

今回の特別質問として、「FRBは7月25-26日のFOMCで政策金利をどうすると思いますか」と尋ねたところ、「0.25%利上げ」が51.2%と最も多く、以下「据え置き」が33.2%、「0.50%利上げ」が3.6%、「0.25%」利下げは0.8%、「0.50%利下げ」は0.3%で、「わからない」は10.2%だった。米金利先物市場の織り込みを示すFedウオッチによれば、「0.25%利上げ」の確率は77%前後で「据え置き」は23%前後(6月27日時点)となっている。「0.50%利上げ」や「利下げ」は今のところ全く織り込まれていない事がわかる。個人投資家の米利上げ期待は、金利先物市場に比べるとやや控えめのようだ。

問8:日銀は7月27-28日の金融政策決定会合で、イールドカーブ・コントロール(YCC)の見直しを実施すると思いますか

「日銀は7月27-28日の金融政策決定会合で、イールドカーブ・コントロール(YCC)の見直しを実施すると思いますか」と尋ねたところ「実施しない」が55.8%と過半数に上り、「実施する」は14.3%、「わからない」は29.4%で、「その他」は0.5%だった。なお、大手金融情報サービスQUICKが6月上旬に実施した東京為替市場関係者へのアンケート調査(QUICK外為調査)によれば、「6月、7月ともに実施しない」との回答は63%であった。日銀が当面YCCの修正を見送るとの観測は広く共有されているようだが、サプライズ的な修正が行われる可能性を排除できないとの見方も共通のようだ。

問9:政府と日銀が円買い介入をする場合、どの水準で実施すると考えますか

さらに「政府と日銀が円買い介入をする場合、どの水準で実施すると考えますか」と尋ねたところ、「150円以上」が36.1%で最も多かった。次いで「実施しない」が15.3%で続き、以下「145円以下(14.7%)」、「146円(12.2%)」、「148円(9.4%)」、「147円(7.9%)」、「149円(4.4%)」の順になった。心理的節目の1ドル=150.00円突破が円買い介入の引き金になるとの見方が多いようだ。また、昨年9月に約24年ぶりの円買い介入が行われた145円台後半を、今回もターゲットとして見ている向きが一定数いるようだ。なお、昨年9月の円買い介入の直前には本邦政府筋から「あらゆる手段を排除しない」「いつでもやる用意がある」などと実施を直接的に示唆する発言があった。今回もそうした切迫的な発言がどのタイミングで出てくるか注目したい。

今後の調査実施計画及び公表方針

本調査も第169回目となりました。調査開始から13年が経過し、データの蓄積が進んできました。今後については、毎月定点観測で実施する調査結果を基に、予想DIの時系列比較から見出せるFX投資家の相場観の変化やその傾向などのほか、中長期的な視点に基づいたFX投資家の投資スタイルの変化などの考察も進めて行きたいと考えています。なお、毎月の本調査においては、公表扱いとしている質問項目及び回答結果の他に、「投資家の属性」、「取引頻度」、「取引規模」、「取引時間帯」、「投資選好」など、投資家実態を把握するために必要な各種の質問項目も設けて集計しています。それらの回答結果を用いた投資家の実態報告や属性別のクロス・セクション分析等については、当研究所が1年に1回、毎年年央に公表する「外為白書」で紹介する予定です。

本レポートは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。また、本レポートに記載された意見や予測等は、今後予告なしに変更されることがございます。なお、本レポートにより利用者の皆様に生じたいかなる損害についても、株式会社外為どっとコム総合研究所ならびに株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承願います。 Copyright©2023Gaitame.com Research Institute Ltd. All Rights Reserved. https://gaitamesk.com/
kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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