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ドル/円、今夜の重要イベントは米小売売上高…142円を試す展開となるか!?(NY市場の見通し)

ドル/円、今夜の重要イベントは米小売売上高…142円を試す展開となるか!?

本日、東京市場のドル/円は、年初来高値を更新する展開となりました。朝方こそ140円を挟んだ小動きでしたが、5・10日の仲値公示に向けた円売り観測や、日本株の持ち直しを受けたクロス円の上昇を背景に今月高値(140.45円)前後を突破すると、一気に年初来高値(140.93円前後)を更新。午後には141.44円前後まで上値を伸ばしています。

欧州市場に入っても円安の動きは止まらず2022年11月23日以来の高値141.50円前後まで上伸しました。しかしその後は、上値が伸び悩む中で岸田首相が「今の国会での解散は考えていない」と伝わると一時140.85円前後まで円高に振れました。

昨日のFOMCでは年内に後2回の追加利上げが示唆されたものの、追加引き締めの度合いはデータ次第としました。そうした中で、今夜は米5月小売売上高に注目です。市場予想は前月比-0.2%と冴えない結果が見込まれていますが、自動車を除いた売上高は前月比+0.1%の予想となっています。発表後に7月利上げの期待が高まるようならドル/円はさらに上値を試す可能性もあるでしょう。また、その前には欧州中銀(ECB)の金融政策発表が予定されています。ユーロ圏長期金利の動きが米長期金利にも波及すればドル/円にも影響が及ぶ可能性があります。

ドル/円をテクニカル分析で見ると、注目していたレンジ138.30円-140.93円を上抜けて141.50円前後まで上値を拡大しています。10・20・80日移動平均線が上向きで139円台に位置する10・20日線をサポートに上昇しています。レンジ上限をブレイクしたことでさらに勢いを増してくる可能性も考えられます。次の上値メドは昨年高値151.94円前後から今年安値127.23円にフィボナッチリトレースメントを引いた際の61.8%戻しの水準142.50円と見ています。キリ番の142.00円前後も意識されるかもしれません。

ドル円 日足チャート

この後の経済イベント

6/15(木)
21:15☆ECB政策金利
21:30☆米新規失業保険申請件数
21:30 米5月輸入物価指数
21:30 米5月輸出物価指数
21:30 米6月ニューヨーク連銀製造業景気指数
21:30☆米5月小売売上高
21:30 米6月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
21:45☆ラガルドECB総裁講演
22:15 米5月鉱工業生産
22:15 米5月設備稼働率
23:00 米4月企業在庫
24:35 カンリフBOE副総裁講演
25:00 ビルロワドガロー仏中銀総裁講演
29:00 米4月証券投資
※☆は特に注目の材料

最新の経済指標カレンダーはこちら ↓↓↓
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今日の注目トピック

日銀は本日から明日の16日まで金融政策決定会合を開催します。現在の金融緩和策はイールドカーブ・コントロール(YCC)政策を中心としており、現行の金融緩和策を継続する見通しです。日銀は2%の物価目標を達成するために経済を支援する必要性を強く感じています。そうした中、日本4月消費者物価は前年比+3.5%、コア前年比+3.4%、コアコア前年比+4.1%となっており、今後の物価動向と金融政策の展開が注目されています。一部では早期の政策修正を期待する声もありますが、今回は現状維持が大方の予想です。そのため、明日は植田日銀総裁の記者会見に注目が集まってます。7月の会合以降に緩和策の修正を示唆するか、それとも緩和策を維持していくのか。いずれにせよ円相場にも大きな影響を与えるかもしれません。

 
uehara.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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