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今週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「どうするRBA 市場では利上げを巡って思惑が錯綜」ハロンズ FX 2023/6/4

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執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次

 

どうするRBA 市場では利上げを巡って思惑が錯綜

先週の振り返り

先週の豪ドル/円は91.69円前後、NZドル/円は85.05円前後で週初を迎えました。30日には日本の財務相・金融庁・日銀が三者会合を実施したことで円安けん制への警戒感が高まり円が全般的に買い戻されました。また、31日には中国製造業PMIの悪化を受けて中国株が下落。中国と交易関係が強い豪ドルやNZドルに売り圧力がかかりました。また、米国金融当局者が6月の利上げの見送りを示唆したことによる、米ドル/円の下落もクロス円通貨である豪ドル/円とNZドル/円の下落を後押しし、豪ドル/円は一時90.26円前後まで、NZドル/円は83.52円前後まで下落しました。その後、米債務上限停止法案が無事に米下院を通過したことや中国の経済指標が好結果だったことなどを受けて世界的に株価が反発。豪ドル/円、NZドル/円は株価の反発に連れて買い戻されました。

RBAは利上げする?しない?どっち???

豪準備銀行(RBA)は5月の理事会で0.25%の利上げを実施しましたが、「利上げか据え置きかの判断は微妙だった」と後に公表された議事要旨には示してありました。そのため、市場は6月6日の理事会ではRBAが金利を据え置くとの見方を強めていました。そんな中、5月31日には豪4月消費者物価指数が発表されました。月次CPIと四半期CPIの推移は以下のグラフの通りです。

【図1 豪州の月次、四半期CPIの推移】

4月月次CPIは前年比+6.8%となりました。3月月次CPI(+6.3%)から豪州のインフレの伸びが加速していることがわかります。RBAは常々インフレが高水準で定着してしまうことへの警戒感を示しています。そして、ロウRBA総裁は31日の議会証言で「インフレリスクはどちらかといえば上向き」とも話しています。こういったことから、単月のインフレ指標のみで判断するのであれば、6月に利上げを継続する可能性は十分にあり得ると思います。

続いて、RBAがCPIのほかに重視する労働市場の状況を見てみましょう。豪4月雇用統計では、雇用者数が前月から0.43万人減少しました。これは正規雇用者数が2.71万人減少していたことが主な要因です。一見、豪州の労働市場のひっ迫が和らいできたようにも見えます。しかし、豪州の雇用者数は過去2カ月(2月、3月)の合計で11.27万人も増加しています。同期間の正規雇用者数は15万人増加となっています。また、今回の豪4月雇用統計は集計週がイースター休暇と被ったため、結果に影響が出てしまった可能性があります。(※ちなみに同じく集計週とイースター休暇が被った2015年は4月は雇用者数が900人減少し、5月には4.35万人増加に転じました。)
労働市場に関しては特殊要因が絡んでいるため、“様子見”という判断になりそうです。

最後に小売売上高を確認してみましょう。豪4月小売売上高は前月比±0.0%で横ばいとなりました。豪州の小売売上高は、11月と12月に季節的な要因で上下はありましたが、平均値をとってみると昨年9月からほぼ横ばい状態が続いています(図2参照)

【図2 豪州の小売売上高推移と前月比】

この小売売上高(消費)がほぼ横ばいの原因は、
①高インフレで物価が上がったため
②高金利による住宅ローンの上昇により、ローン支払い額が増えたため
と言われています。

インフレに関しては、前述の通り昨年12月にピークを打った可能性が高いですが、依然として高水準での推移となっています。
ローン金利に関しても、RBAの利下げは当分先との見方が優勢となっています。
そうなると、家計消費が今後大きく伸びることは考え辛く、徐々に減少していきそうです。豪州のGDPの約6割が家計消費と言われていますので、消費が低迷すれば、豪州経済にとってマイナス要因となってしまいます。

インフレが反発してしまったがために、追加利上げを実施するか?
それとも、当初の市場予想通り利上げをいったん見送るか?
どちらもあり得る状況です。6日のRBA理事会には普段以上に注意が必要です。

中国のCPIに要注意

先週発表された2種類の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は良し悪しが分かれる結果となりました。まず、5月31日に発表された中国国家統計局が集計する5月製造業PMIは48.8となり、市場予想(49.5)や前月(49.2)から悪化となりました。翌6月1日に発表された民間企業の財新が集計する5月財新製造業PMIは50.9と市場予想と前月(共に49.5)を上回り、さらには好不況の分岐点となる50.0も上回りました。
市場はここ最近の中国の経済指標の結果から、「中国の景気回復が予想していたほど強くない。」との印象を強めています。そのため、経済指標が強い結果を示すと目線が下を向いていた分、強く反応します。
今週は7日に中国5月貿易収支、9日に中国5月消費者物価指数(CPI)と5月生産者物価指数(PPI)が発表されます。
貿易収支では輸入額の変化に注目しています。中国と豪州は交易関係が非常に強いので、「中国の輸入額が減少」イコール「豪州からの輸出が減った」とも受け止められます。もちろん資源価格などの低下による輸出額の減少という可能性もありますが、注意は必要でしょう。
またCPIに関して、前回の4月分では前年比+0.1%と中国のインフレ圧力がかなり弱いことを示しました。5月分でも引き続きインフレが弱い結果となった場合、中国経済の鈍化懸念が再び台頭し、豪ドルに売り圧力がかかってきそうです。

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円は200日移動平均線(MA)を上抜けきれません。来週も目先の上値目途として意識されそうです。現時点では200MAが下向きとなっています。先週、先々週同様に同線を上抜けたとしても上昇圧力は限定的になりそうです。200MAを上抜けた場合の上値目途は5/2高値の92.43円前後となりそうです。同水準は昨年9/13高値と今年の3/24安値を結んだフィボナッチリトレースメント61.8%戻し、先週の高値圏でもあるため意識されやすい水準となりそうです。
一方で下値ですが今週同様に日足一目均衡表の基準線が目先の下値目途となりそうです。その下の水準では雲がサポートとして機能しそうです。

【豪ドル/円 日足・一目均衡表、200MA】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:AUD/JPY:89.00-93.00、NZD/JPY:82.50-86.00

6/5 週のイベント:

06/05 (月) 10:45 中国 5月Caixinサービス部門購買担当者景気指数(PMI)
06/06 (火) 10:30 豪 1-3月期経常収支
06/06 (火) 13:30 豪 豪準備銀行(RBA)、政策金利発表
06/07 (水) 未定 中国 5月貿易収支
06/07 (水) 10:30 豪 1-3月期四半期国内総生産(GDP)
06/08 (木) 07:45 NZ 1-3月期四半期製造業売上高
06/08 (木) 10:30 豪 4月貿易収支
06/09 (金) 10:30 中国 5月消費者物価指数(CPI)
06/09 (金) 10:30 中国 5月生産者物価指数(PPI)

一言コメント:

家の近所に安くておいしいインドカレー屋さんを発見しました。特に、テイクアウトが安いので良く利用しているのですが、このお店に行く時だけは次男が付いてきます。テイクアウトを頼んで待っている間にサービスで出してもらえるラッシー(長めのショットグラス1杯分)が目当てのようです。(笑)
ただ、カレーも子供が食べられる味なので、我が家のチョイスが増えてうれしいです。

 
nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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