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今週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「豪雇用統計が強くても、RBAは動かない?」ハロンズ FX 2023/4/9

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執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次

 

豪雇用統計が強くても、RBAは動かない?

先週の振り返り

前週末の2日に石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の産油国で構成される「OPECプラス」が、予想外の減産を発表。原油価格が急騰したことで、豪ドル/円は89.01円前後 NZドル/円は83.24円前後と共に前週末終値から20銭程度高い水準で週初を迎えました。4日には豪準備銀行(RBA)が金利据え置きを発表。翌5日にはNZ準備銀行(RBNZ)が市場予想を上回る0.50%の利上げを実施しました。その他、米国の主要な経済指標が軒並み弱い結果となったことで、米景気後退懸念が高まり、資源国通貨である豪ドルやNZドルは大きく値を下げる展開になりました。このため、週初には一時90円台に乗せた豪ドル/円は87.59円前後まで下落し、NZドル/円はサプライズの大幅利上げ後に83.88円前後まで上昇後82.14円前後まで下落することになりました。(執筆時)

豪雇用統計が強い結果だったとしても…?

13日に豪3月雇用統計が発表されます。前回2月分の結果は以下の通りです。

【豪2月雇用統計結果】

雇用者数は予想を上回る大幅な増加、失業率は過去最低に近い水準、労働参加率は過去最高に近い水準となりました。正規雇用者数が大幅に増加したこともあり、不完全雇用率が過去最低となる5.8%まで低下するなど、内容は非常に良いものとなりました。豪州の雇用者数は過去最多となっています。数カ月前までであれば、強い雇用により、インフレが加速する可能性があるとして市場はRBAの追加利上げを警戒していたかもしれません。しかし現状を見ると、月次消費者物価指数(CPI)は2カ月連続でインフレ加速のペース鈍化を示しており、小売売上高は9月からほぼ横ばいとなっています。先週のRBA理事会で、RBAはハト派的な姿勢に転じています。仮に3月の豪雇用統計が堅調さを維持する結果だったとしても、RBAが金融政策をタカ派的に再転換する可能性は低いと考えられます。その理由は、インフレ加速や小売売上高の大幅な増加が継続しないと、RBAが利上げを行う必要性を感じなくなるためです。

市場では、先週のRBAのハト派への転換を受けてRBAが年内に利下げを開始するとの思惑が浮上してきています。豪雇用統計の結果が豪労働市場のひっ迫を和らげていることを示唆する内容だった場合、市場は利下げ開始時期が前倒しになると勝手に期待を膨らませる可能性があります。この場合には豪ドルにはさらに強い下押し圧力がかかりそうです。

米国の個人消費が豪ドルに影響?

来週は米国にて3月CPIなどの注目指標が発表されます。筆者はその中でも14日に発表される、米3月小売売上高と米4月ミシガン大消費者態度指数(速報値)が豪ドルへの影響を与える可能性のある指標として注目しています。ここ最近の米国の経済指標の結果を受けて、市場は米経済の景気後退(リセッション)懸念を抱き始めています。小売売上高などのハードデータで実際に消費が落ち込んでいることや、景況感などのソフトデータで消費者心理が悪化していることなどが示されると、市場参加者はリセッション懸念を高め、リスク回避姿勢を強める可能性があります。その場合には、リスクマインドに敏感な豪ドルは売られることになるのではないでしょうか。

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円の上値は日足雲下限が90.20円付近に位置しています。同水準は先週の高値(4月4日、90.17円前後)もありますので、かなり意識されそうです。そこを上抜けると雲の上限を抜けられるかが焦点となりそうです。

一方で下値は、3月24日安値の86.06円前後が下値目途として意識されそうです。そこを下抜けた場合には節目となる85.00円前後が次の目途となりそうです。

【豪ドル/円 日足・一目均衡表】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:AUD/JPY:85.00-90.50、NZD/JPY:80.00-84.00

4/10 週のイベント:

04/10 (月) 豪、NZ イースターマンデーで祝日休場
04/11 (火) 09:30 豪 4月ウエストパック消費者信頼感指数
04/11 (火) 10:30 中国 3月消費者物価指数(CPI)
04/11 (火) 10:30 中国 3月生産者物価指数(PPI)
04/11 (火) 10:30 豪 3月NAB企業景況感指数
04/13 (木) 時間未定 中国 3月貿易収支
04/13 (木) 10:30 豪 3月新規雇用者数
04/13 (木) 10:30 豪 3月失業率

一言コメント:

初のDIY!壁にレールを設置して棚を作りました。ただ、下穴を開けるためのドリルが少しずれてわからない程度ですが棚が傾いていたり、レールの幅が広すぎて棚板が乗らないなど、細かな反省点がいくつかありました。(あまり見えないところで良かった…)今後、これを作りたい!といったものはまだないですが、せっかくなのでまた何か作ろうと思います。次は家の壁に穴を開けないものにします。

 
nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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