個人投資家として活躍するひろぴー氏が、独自の最新マーケット分析を毎週公開します。現在のFXマーケットを取り巻く情報の整理をする際、また短期間の FXトレード戦略を考える際に、お役立てください。
作成日時:2023年2月22日13時
執筆:CXRエンジニアリング株式会社 代表取締役 ひろぴー
先週末から今週にかけてドル円は134−135円での推移が続きます。
昨日発表された米国購買担当者景気指数(PMI)も市場予想を上回り、これで雇用統計、小売売上高、消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)、PMIとすべて市場予想を上回り、今年1月の米経済は好調そのものです。
これらを受けてドル/円は上昇してきたわけですが、昨日のPMIの結果を受けても高値更新にはなり切らず、135円手前で停滞をはじめました。
さすがにこれらの好結果は既に織り込んでいたようです。目先ドル/円の好材料は出し尽くしたイメージが個人的には強いです。
筆者は最終的には135円超えを予想もしているほうなのですが、今週に限っては、金曜日に国会にて行われる、植田新総裁の所信演説に注目しており、調整下落を予想しております。
この所信演説では、イールドカーブコントロール(YCC)撤廃の有無や金融緩和の継続など、日銀の異次元の緩和からどのような金融政策変更となるか、世界が注目することとなります。
報道を見ている限り、市場予想はマチマチですが、個人的には、『異次元の緩和→通常の金融緩和継続』のような、ボカしたニュアンスで発信されるのではないかと予想しております。
年内にYCCの撤廃を強く予想する海外機関投資家は多いですが、日本の場合、長期金利が上昇すると経済への影響、および政府債務の返済が恐ろしく膨らみますので、やりたくてもできません。
この板挟み状態の中での新たな船出となる植田新総裁ですが、波風立てずの出航となるようにも感じます。
演説は、今週24日金曜日9時半〜となっており、まだ時間があります。
現在市場のポジションの傾きはドル/円ロングに寄ってきておりますので、これらの円高報道にて幾分か調整を期待している状況です。
よって、今週のコラムはドル/円ショートトレード目線の内容になります。
目次
▼133円台への調整を意識
▼意外とタカ派?利上げは継続見込み
133円台への調整を意識
出所:Tradingview
ドル/円4時間足です。フィボナッチエクステンションにて、161.8%の目標に到達済みです。
135円に2度乗せているものの、すぐに反落しており、オプションがらみのディールが多いように思います。
しかしながら、すでに135円より上のストップはついているでしょうから、オプション消滅以降、反落になるようにも思えます。
調整下落の目安としては133円付近までを予想しており、本日から金曜早朝までの2日弱が調整期間だと考えております。
植田新総裁関係の報道には本日、明日と注意でしょうか?
また前述通り、米国の経済指標は全て好結果、ドル買い要素ばかりです。
今週金曜日はPCEデフレーターの発表ですが、こちらもインフレ率は上昇している可能性が高いでしょう。
ただし、その前に植田新総裁の所信演説がありますから、それまでを調整期間とし、その調整で下げたところから再び買いに転じてPCE経済指標に向けた買いポジションを取りたいイメージです。
よって、筆者的にはポジショントークになりますが、ドル/円のショートポジションを作り、133円台からドテンロングをイメージして指値注文をいくつか待機させていることも付け加えておきます。
意外とタカ派?利上げは継続見込み
出所:Tradingview
続いてNZドル/米ドル(NZD/USD)4時間足分析です。
本日10時にRBNZが開催され、市場予想通り利上げ幅は0.50%にて、政策金利を4.75%としました。
米国の政策金利と同じです。またRBNZからはサイクロン被害にて洪水になっている一部のエリアについて配慮しつつも、今後もインフレに警戒して利上げに決意と声明が出ております。
タカ派姿勢は変わらず、ターミナルレートも5.50%方向で変わりはなさそうです。
市場はハト派予想のほうが多かったことも加味し、一旦調整の買い戻しが入るように予想しております。
添付チャートは4時間足に下降トレンドラインを引いておりますが、目先、このトレンドラインタッチを目指す展開でしょうか?
サポートラインは0.6195に何度も止められたラインがありますので、距離は近いですが、ここが防衛ラインとなりそうです。このサポートラインをバックに買い戦略を。第一ターゲットは0.63付近に引けるレジスタンスラインを意識した損小利大トレードを狙っております。
ドルストレートでもドル買いがここしばらく進行しましたし、そろそろ調整の頃合いだと感じてドル売りトレードを短期的に狙っている状況です。
週の後半戦略はこのようにイメージしております、ご参考まで。
【ひろぴー氏出演動画】
【インタビュー】
「初心者から上級者まで相場観が一致したときが一番危険」(前編)
<もくじ>
・幼稚園児 投資に目覚める
・どこか引っかかる感じを大切に
・個人投資家におすすめ書籍と読む時期
「低勝率型こそ1憶円への近道」(中編)
<もくじ>
・勝率は低いほうがいい
・その失敗が糧となる!?
・他の金融商品も考え方は一緒
・日銀緩和のときに活きた投資の勉強
・決済はむずかしい
・低レバレッジでリスクを抑える
「はじめて話す 外為注文情報 活用法」(後編)
<もくじ>
・損切り注文の功罪
・シグナル、逆シグナル
・検証の果てに
・ローソク足は基本どおり見る
・外為注文情報の活用
・レポートの勧め
FX&Cryptoトレーダー、業界ニックネームは「ひろぴー」。ラジオ日経パーソナリティ、FX会社や仮想通貨取引所のコラムニストとして活動の場は多岐に渡る。自らのトレーディングノウハウから、ユーザビリティの高いインターフェース総監督を担う。FX会社や金融プラットフォーム開発エンジニアリング企業、仮想通貨取引所へのコンサルティング業が主。 2019年7月より TradingView Japan の Marketing Director に就任。
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