個人投資家として活躍するひろぴー氏が、独自の最新マーケット分析を毎週公開します。現在のFXマーケットを取り巻く情報の整理をする際、また短期間の FXトレード戦略を考える際に、お役立てください。
作成日時：2023年2月8日14時
執筆：CXRエンジニアリング株式会社 代表取締役 ひろぴー
先週の米1月雇用統計は50年以上ぶりの失業率低下、雇用者数も市場予想を大幅に上回る結果となり、ドル/円が上昇しました。
日足ベースでは大陽線を出現させて金曜日はクローズしております。
その後、日曜日に「日銀総裁後任は現副総裁の雨宮氏」という報道が日経新聞からなされ、月曜日は大きく窓を開けて急騰。
その後、この人事を否定する発言が入り、火曜は反落、そして窓を埋めて現在は131円台前半での推移となっております。
行ってこい相場となったわけですが、それでも金曜日の終値近辺で推移しておりますので、チャート形状的にはまだまだここから上昇形状をしている状態です。
目次
▼ドル/円 日足RCI形状は抜群！？
▼ドル/円 130.60円付近は好都合なサポートだった？
▼今週金曜日は英国GDP、ポンド下落に期待
ドル/円 日足RCI形状は抜群！
出所：Tradingview
ドル/円は下降トレンドラインを力強く抜けてきました。
前述通り、窓をしっかりと埋めて本日に至ります。
RCIは非常に良好な形状をしており、RCI26（水色）が0.00ラインを超えるタイミングでRCI52が-80ラインを似たようなタイミングで突破してくる場合、上昇トレンドが加速しやすい傾向があります。
まさに今週後半にも、その条件が日足レベルで整ってきそうですので、チャンス到来の可能性があります。
過去の例で見てみますと、例えば2022年11月上旬の値動きとRCIをご覧ください。
145円付近から大きく下落しましたが、RCIの形状は、RCI26がミドルラインを割り込み、RCI52が+80ラインを割り込み始めたタイミングがほとんど期間で重なっております。
このタイミングで発生する順張りトレンドは、本当によく伸びる傾向があり、過去にこのパターンで勝利したトレードは多いです。
現状からファンダメンタルズや経済指標でドル/円上昇要因となれば、大きく上値を伸ばしていくことになるのではないでしょうか。
ドル/円 130.60円付近は好都合なサポートだった？
出所：Tradingview
続いて、ドル/円4時間足です。
フィボナッチが半値押し水準でぴったりと止まっておりますが、サポートラインでもあったため、好都合な条件が重なったポイントでした。
130.60円付近は重要なサポートラインとなります。
筆者もこのラインから買い指値注文を入れて約定しており、ここから大幅反発を期待してスイングトレードを開始しております。
ストップは130円を割れたら諦めるスタンスで、再び132円方向への上昇をテクニカル的に賭け始めたところです。
日足レベルでの相場になりますので、1−2週間ぐらいのイメージでスイングしていく予定です。
今週金曜日は英国GDP、ポンド下落に期待
出所：Tradingview
続いて、ポンド/米ドルに注目してみましょう。
4時間足ですが、ダブルトップを形成中です。
ネックラインは1.1840のサポートラインを割り込めば、ダブルトップ完成となりますので、さらなる続落が期待できます。
今週金曜日は英国10-12月期GDPが発表になりますが、市場予想が0.0%となっております。前回は-0.3%でしたので、今回わずかにでも下振れますと２期連続マイナス成長が確定となり、経済的な観点からリセッション入りと判断されます。
英国は欧州エリアのなかでもインフレ率が高く、悪いインフレ経済に突入する可能性が高まります。
よって、ポンド/米ドルは続落をイメージしております。
戻り売りのポイントとしてはいくつかレジスタンスラインが存在しますが、1.2095付近にレジスタンスラインが引けます。
目先、戻り売りのポイントはこちらでしょうか？
再度1.20を割り込みにいく場合、1.19が目先ターゲットとなりそうです。そして、ネックラインの1.1840付近でしょうか。
英国の利上げもあと1−2段階で終了見込みです。米国もあと2段階の政策金利引き上げがコンセンサスとなりつつある状況ですので、米英の金利差はしばらく1％程度開き続けることとなりそうです。
よって、中長期的にみて、ポンド/米ドルは下落方向ではないでしょうか。
リセッション入りとなれば、利上げもさらにやりづらくなりますので、英国経済は我慢の時期が1年程度続きそうです。
通貨価値の差がまた徐々に出てくるのではないでしょうか？
ポンド/米ドルは再び1.10-1.15を目指す展開を個人的には予想しております。
【ひろぴー氏出演動画】
【インタビュー】
「初心者から上級者まで相場観が一致したときが一番危険」（前編）
＜もくじ＞
・幼稚園児 投資に目覚める
・どこか引っかかる感じを大切に
・個人投資家におすすめ書籍と読む時期
「低勝率型こそ1憶円への近道」（中編）
＜もくじ＞
・勝率は低いほうがいい
・その失敗が糧となる！？
・他の金融商品も考え方は一緒
・日銀緩和のときに活きた投資の勉強
・決済はむずかしい
・低レバレッジでリスクを抑える
「はじめて話す 外為注文情報 活用法」（後編）
＜もくじ＞
・損切り注文の功罪
・シグナル、逆シグナル
・検証の果てに
・ローソク足は基本どおり見る
・外為注文情報の活用
・レポートの勧め
ひろぴーFX＆Cryptoトレーダー、業界ニックネームは「ひろぴー」。ラジオ日経パーソナリティ、FX会社や仮想通貨取引所のコラムニストとして活動の場は多岐に渡る。自らのトレーディングノウハウから、ユーザビリティの高いインターフェース総監督を担う。FX会社や金融プラットフォーム開発エンジニアリング企業、仮想通貨取引所へのコンサルティング業が主。 2019年7月より TradingView Japan の Marketing Director に就任。
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