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来週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「豪四半期CPIでRBAの政策が変わる⁉終値次第では強い売りシグナル点灯も…」ハロンズ FX 2023/1/21

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次

 

豪四半期CPIでRBAの政策が変わる⁉終値次第では強い売りシグナル点灯も…

今週の振り返り

今週は豪ドル/円が89.01円前後、NZドル/円は81.45円前後で週初を迎えました。週前半は、「ゼロ・コロナ政策」を撤廃した中国の経済回復期待が豪ドル、NZドルを支える要因となりました。1月18日には日銀が金融政策決定会合を開催し、金融政策は現状維持とすることを公表。市場では今会合で日銀が金融緩和の再修正を実施するとの思惑があったことで、政策発表後に一時的に円売りが強まりました。この影響により、豪ドル/円は92円手前まで、NZドル/円は84円台後半まで一気に上昇する場面も見られました。19日にはアーダーンNZ首相が突如退任の意向を発表したことで、NZドルはもちろんのこと、同じオセアニア通貨である豪ドルにも売り圧力がかかりました。豪ドルは同日に発表された豪12月雇用統計は雇用者数が前月から減少していたことも影響し、一時88.12円前後と週を通しての安値を記録しました(執筆時)。

豪雇用は本当に軟化したのか?

前回(12月)の豪準備銀行(RBA)理事会の議事録を見ると、RBAは「金利据え置きも検討したが、正当化するデータが得られなかった」と示していました。RBAが金融政策を策定する際に特に意識しているものが、「インフレと労働市場のデータ」です。
1月19日に発表された豪12月雇用統計は市場予想を下回る結果となりました。※表1

【表1:豪州の12月雇用統計 予想と結果】

市場は豪12月雇用統計の結果は、金利据え置きを「正当化させるデータ」としてみなしたようです。しかし筆者は豪州の労働市場はRBAが政策金利を据え置く材料にならないと見ています。理由は、1月にRBA理事会がなかったため、2月のRBA理事会では2カ月分の経済指標を考慮する必要があると考えているからです。そのため、11月と12月の豪雇用統計の結果を合算し(失業率、労働参加率は最新の12月分に合わせる)、表にしました。※表2 

【表2:豪州の11、12月雇用統計合算値】

雇用者数は合計で4.37万人増となり、内訳をみると正規雇用者数が大幅に増加しています。失業率は3.4%から3.5%へ若干悪化、労働参加率は66.6%で変わっていません。(失業率と労働参加率は小数点第2位以下が四捨五入となります。そのため、雇用者数が増加し労働参加率が変わらないのに、失業率が悪化するという結果となっています。)
つまり、豪州の労働市場は前回のRBA理事会の時よりもさらにひっ迫していることを示しています。強すぎる労働市場はインフレが加速する一因となります。そのため、豪12月雇用統計の結果はRBAの金利据え置き見通しを強めるものにはならなそうです。

豪州のインフレはRBAの予想よりも弱い?

RBAが重視するもう一つの経済指標が消費者物価指数(CPI)となります。
2022年の豪CPIの推移は表3の通りです。

【表3:豪州の消費者物価指数 推移】

月次CPIを見ると、10月にはインフレは鈍化の兆しを見せましたが、11月には再び9月の水準まで戻ってしまいました。これは豪州のインフレは高止まりしている可能性が高いことを示唆しています。RBAは12月の理事会の声明で「インフレは高すぎる」と示しています。当時の最新のインフレ率は月次CPIが10月分で6.9%、四半期CPIは7‐9月期分で7.3%でした。米国はインフレが鈍化してきたことで利上げ幅を縮小しましたが、豪州はインフレに鈍化の兆しが見えない9月から利上げ幅を縮小しています。ですので、RBAが利上げを見送るにはインフレの鈍化を確認する必要があると思われます。

来週は25日に豪10-12月期CPIと12月月次CPIが発表されます。月次CPIは四半期CPIの補助的な役割のため、一番の注目は四半期CPIつまり10-12月期CPIとなります。
執筆時時点での市場予想は10-12期CPIは前年比+7.5%、12月月次CPIは7.7%となっています。

RBAは2022年末時点でのインフレを8%前後と予想していました。仮に10-12月期CPIが予想通りに+7.5%だった場合…インフレ率はRBAの予想を下回っていますが、前期よりも加速しています。これでは金利据え置きは難しいと考えています。しかし予想を下回り、さらに前期(+7.3%)からも下振れた場合には…?
1月25日の豪10-12月期CPIの結果次第でRBAの採る金融政策が変わる可能性があるため大注目です。

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円は、200日移動平均線がほぼ水平(若干下向き)となっており、方向感を模索している状況が続いています。週足一目均衡表を見ても雲の中での動きが続いています。上値は今週もレジスタンスとして働いた週足一目均衡表・雲上限、そして昨年12月半ばから上値を抑えている92.00円前後が目先の目途として意識されそうです。一方で下値は週足一目均衡表・雲下限の87.39円前後や、12月20日安値の87.01円前後が目先の目途となります。その水準を下抜けると昨年の3月11日や、2021年の高値水準となる86.00円前後が次の目途として意識されそうです。仮に週の終値ベースで週足の雲を下抜けてしまった場合、①転換線が基準線の下、②日々線が雲の下、③遅行線が雲の下、と三役逆転となり強い売りシグナルが点灯し売り圧力が高まる可能性がありますます。

【豪ドル/円 週足・一目均衡表】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:AUD/JPY:87.00-92.00、NZD/JPY:80.50-84.50

1/23 週のイベント:

1/23~27  中国 春節で祝日休場
01/24 (火) 09:30 豪 12月NAB企業景況感指数
01/25 (水) 06:45 NZ 10-12月期四半期消費者物価(CPI)
01/25 (水) 09:30 豪 10-12月期四半期消費者物価(CPI)
01/25 (水) 09:30 豪 12月消費者物価指数(CPI)
01/26 (木) 豪 オーストラリアデーで祝日休場
01/27 (金) 09:00 NZ 1月ANZ企業信頼感
01/27 (金) 09:30 豪 10-12月期四半期卸売物価指数(PPI)
01/27 (金) 09:30 豪 10-12月期四半期輸入物価指数

一言コメント:

昨年末から読みたいと思っていた本がありました。地元の図書館で探しましたが、貸し出し中。貸出予約をしたのですが、1カ月以上連絡が来ません…ということで、初めて電子書籍を購入しました!タブレットで見ると目がチカチカするかな?など、不安はあったのですが、読み始めて2日目の時点では嫌な感覚はありません。電子図書館とかもあるのですね。読書をする機会が増えそうです。

nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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