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FX「政府・日銀の共同声明改定か。円安の2022年の終盤は円高に修正」

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総括

FX「政府・日銀の共同声明改定か。円安の2022年の終盤は円高に修正」

ドル円=133-138、ユーロ円=141-146、ユーロドル=1.03-1.08

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨11位(11位)、株価7位(8位)、政府・日銀の共同声明改定か。円安の2022年の終盤は円高に修正」
 2022年最終号です。23年は1月9日からスタート致します。今年も残すところ僅か、円相場は終盤、日銀介入もあり盛り返すも、12通貨中11位と円安で終わりそうだ。大きな要因は原油安で貿易赤字が史上最大となること、また日米金利差の拡大も後押しした。2012年-14年で起きた円安相場の再現だった。日本の輸出入は毎月、輸出20%の伸びに対し、輸入が40-50%伸びで赤字を拡大し円安を導いてきた。11月は輸出の伸びが20%に対し輸入が30%と拡大幅を縮小するも赤字額はまだ2兆円を超えている。

 さて先週から、ブルームバーグ、ロイター、共同通信と「2%物価上昇目標の見直し検討 政府日銀、初の共同声明改定へ」が報道されている。23年4月の黒田日銀総裁退任の前に、「2%の物価上昇目標の達成時期を見直すなどして金融政策の幅を広げる方向で検討する」ということらしい。円安・物価上昇でも頑なに超金融緩和を続けた黒田総裁に政府が不満を持っているのだろうか。ただまだ4か月先のことを、市場で議論すれば相場は、観測報道で荒れる場面も増えてくる。黙って4月を待つか、直ぐにでも改定したほうが無用の混乱を防げると思うが、もう観測合戦は始まってしまった。無風で終わると思っていた12月20日の日銀政策決定会合後の黒田総裁会見も質問が飛び交うだろう。11月の消費者物価の結果も議論を促進するかもしれない。黒田総裁は来年は2%の物価になると予想しているので従来通りの見解を押し通すだろう。結局は流れは貿易収支次第、それと介入となるのだが。今年は円安メリットもあり、企業の収益は過去最高、冬のボーナスも増額された。円高になると、また弊害が出ることも想定しておきたい。


*米ドル「通貨2位(2位)、株価(NYダウ)11位(11位)、スタグフレーションのチグハグな政策」
 2022年の米ドルはメキシコペソに次ぎ2位で終わりそうだ。11月からは利上げ減速論も出て小緩んだが、年間ではUSMCAの狩猟として資源を「持てる国」でドル高が進んだ。米国の金融政策ではなく、政府の原油政策やサプライチェーンの改善策でインフレは低下し始めているのは、米国のリーダーシップとも言える。
 FOMCでは利上げ減速論でこれまでの0.75%の利上げ幅を0.5%に縮小した。ただその後は、FOMC関係者が「インフレの後退はサービス部門で他の部門よりも時間がかかり、インフレを全体として抑制するために政策金利を引き上げる必要があるとの見方を示している」という声が殆どであった。また同時に成長率は減速し、失業率は悪化するとした。

 景気後退の可能性がある中で、政策金利を引き上げ続けるいうのが「スタグフレーション」なのだろう。ただインフレは金融政策というより、政府の財政出動やインフレ対策の方が効果がある。日本のバブル時代のインフレを止めたのも日銀ではなく政府の不動産投資抑制策だ。ロシアの暴挙がない限り、金利はいずれ低下するだろう。米国の経済指標は弱いし、雇用が強いといっても、感染者数増加での労働力不足で景気が強いからではない。名だたる米国の大企業が大幅人員削減を行っている。長期金利も、FRBのさらなる利上げ示唆でも上昇していない。株価も下落している。米国の先行きが心配だ、すなわち世界の景気が不安な状態となるだろう。


*ユーロ「通貨5位(7位)、株価13位(12位)DAX)、FRBに習い利上げ減速したが、ユーロ高が進んだ理由は」
今年はユーロもパリティー割れとなったが、12通貨中では5位と弱くもない。ただ最近の強さはユーロ自体の強さではなく、米国で利上げ減速論を議論され始めてからドルが下がり、対価としてユーロが買われているからだ。世界的なスタグレーション不安の中で、ECBはFRBに習って利上げ減速を行い、前回の0.75%利上げから0.5%利上げへ上げ幅を縮小した。

 利上げ決定後のECB関係者のコメントもFRBと同じく、「インフレとの戦いは終わっていない。さらに大幅な引き締めが必要」としている。ただ米国長期金利は大きく上昇しなかったが、欧州の長期金利は上昇した。インフレが米国は7%台、欧州は10%台との違いがあり、ECBのコメントを直に具現化した。経済指標は水準自体は強くはないが、改善し始めている。例えば独の12月の景気期待指数はマイナス23.3で、前月のマイナス36.7から上昇した。マイナス圏での改善だ。また米ドル主導のドル安なのでユーロも他律的反発している。さて独ではLNG基地が完成しロシア離れが見られる。日本ほど海外へのエネルギー依存度は高くないので、日本より先に貿易赤字が黒字化するのではないか。そうんればユーロ買い要因となる。
 今週は、今年最後の経済指標の発表となる。ユーロ圏では建設支出、経常収支、消費者信頼感、独ではIFO企業景況感指数、生産者物価、GFK消費者信頼感などと続く。


*ポンド「通貨10位(9位)、株価4位(4位)、高インフレより景気後退が心配なポンドの環境」
ポンドは年間では12通貨中10位と弱い。まだEU離脱後の経済活動が正常化していない。トラス前首相の失政もあった。ユーロ圏のような一時的ではない恒常的な貿易赤字もある。先週はFRBに習い、またECBやSNBとともに利上げ減速の0.5%利上げを行った。景気減速の兆候があるにもかかわらず利上げを継続する方針を示した。
11月小売売上高は前月比で予想に反して減少。また、12月の総合購買担当者景気指数(PMI)は前月からやや上昇したものの、景気拡大・縮小の節目の50を下回った。

 ベイリー中銀総裁は、インフレ率が41年ぶりの高水準から低下し始める兆しが出ているものの、労働市場の引き締まりに起因する圧力を相殺するために、引き続き利上げが必要との見方を表明した。「今週の指標でインフレが低下し始めている初期の兆候が示されただけでなく、われわれの予想よりもやや低かった。これは明らかに良いニュースだ」としたものの、「まだ長い道のりが残されている」と述べた。
11月の消費者物価は前年比上昇率が10.7%で、41年ぶりの高水準だった10月の11.1%から予想以上に減速した。


*豪ドル「通貨7位(6位)、株価8位(8位)、利上げ減速継続、「持てる国」の通貨の下落傾向あり」
 年間では7位と4位のNZに抜かれている。いち早く、利上げ減速論を実施していることと、エネルギー価格の下落が豪ドルがやや弱くなっている原因である。また隣国NZが金融引き締めを続けていることでNZドル買い豪ドル売りも出ている。経済指標は悪くはないが、エネルギー価格の下落が豪ドル売りに繋がっている。年初から強かった「持てる国」の通貨の下落は、カナダ、南ア、メキシコなどでも見られている。

11月の雇用統計は、就業者数が前月比6万4000人増加し、増加幅は予想の1万9000人を大幅に上回った。失業率は50年ぶりの低水準にとどまった。12月の消費者信頼感指数は80.3と前月から3.0%上昇した。前月は6.9%急低下していたが、痛みを伴う利上げサイクルが終わりに近いとの見方から持ち直した。11月の企業景況感指数は、2ポイント低下してプラス20となった。ただ、長期平均は引き続き上回った。
 一方、信頼感指数は4ポイント低下してマイナス4となり、昨年12月以来初めてマイナス圏に入った。企業は収益が堅調に推移しているにもかかわらず、インフレと金利上昇が消費者に打撃を与えることを懸念し、今年初めて悲観的な見通しを示した。


*NZドル「通貨4位(5位)、株価12位(13位)、GDP改善、商品価格下落で持たざる国の強み。23年2月は引き締め継続か」
年間順位を意外と上げてきた。12通貨中4位で「持てる国」の豪を抜いてしまった。商品価格低下で「持たざる国」が買われている。円、ユーロもそうだ。3QのGDPは、堅調な伸びとなった。国境が完全に再開されて旅行支出が増加したほか、建設部門の活動が拡大した。前期比で2.0%増と、伸び率は2Qの1.9%から拡大し、予想の0.9%も上回った。
前年比の伸びは6.4%に加速。ヘルスケア、旅行、建設が好調だった。ただ積極的な金融引き締めにより、国内経済が来年にリセッション入りするとの懸念が高まっている。財務省は、来年2Q以降、3四半期連続でマイナス成長になるとの見通しを示した。また、中銀は2Qから1年間のリセッションを予想している。

 経済成長は23年にかけて鈍化が見込まれるが、現在の経済の底堅さは、経済活動に大きな回復力があることを示している。中銀が次回2月の会合で0.75-1.00%の利上げを行うと予想している。

テクニカル分析

 *ドル円「13日、14日の下ヒゲで浮上も中位を越えず。5日線は下向く」
日足、雲下での推移続く。12月13日、14日の下ヒゲで浮上も中位を越えず。5日線は下向く。20日線下向き。ボリバン下位。12月15日-16日の上昇ラインがサポート。12月15日-16日の下降ラインが上値抵抗。
週足、ボリバン下位。5週線以下。5週平均線が20週平均線を下抜く。11月21日週-12月12日週の下降ラインが上値抵抗。12月5日週-12日週の上昇ラインがサポート。
月足、11月は陰線。12月もここまで陰線。9月-10月の上昇ラインを下抜く。6月-8月の上昇ラインがサポート。10月-11月の下降ラインが上値抵抗。
年足、2021年は6年ぶり陽線。今年も大陽線。2016年-20年の下降ラインを上抜く。ただボリバン3σ上限近くからは反落、上ヒゲが長くなってきた。2σ上限まで下落。12年-21年の上昇ラインがサポート。15年-21年の下降ラインを上抜く。


 *ユーロドル「強いがボリバン2σ上限から小反落」
日足、ボリバン2σ上限から小反落。12月13日-16日の上昇ラインがサポート。12月15日-16日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向き。
週足、ボリバン2σ上限。12月5日週-12日週の上昇ラインがサポート。2月7日週-12月12日週の下降ラインが上値抵抗。雲下限に近づく。
月足、4か月連続陰線後、2か月連続陽線。12月もここまで陽線。まだボリバン下位。2月-11月の下降ラインを上抜く。10月-11月の上昇ラインがサポート。21年6月-22年2月の下降ラインを上抜く。
年足、20年‐21年の上昇ラインを下抜く。ボリバン2σ下限到達し反発。17年-20年の上昇ラインも下抜く。14年‐21年の下降ラインが上値抵抗。


 *ユーロ円「ボリバン2σ上限から反落、雲中」
日足、ボリバン2σ上限から反落、雲中。12月15日-16日の上昇ラインがサポート。12月15日-16日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き、20日線下向き。
週足、ボリバン中位から反発。ただ先週は上ヒゲが長い。12月5日週-12日週の上昇ラインがサポート。10月17日週-12月12日週の下降ラインが上値抵抗。5週線上向き、20週線上向き。
月足、ボリバン3σ上限から反落。11月は陰線。12月は陰線スタートも陽転。10月-11月の下降ラインが上値抵抗。3月-8月の上昇ラインがサポート。
年足、2年連続陽線。今年も3月に陽転。14年-21年の下降ラインを上抜く。12年-20年の上昇ラインがサポート。


情報提供元:FX湘南投資グループ
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