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来週の為替予想(ポンド/円 ユーロ/円) 「ECB通過でユーロは目線上向き、ポンドは一目雲付近を警戒」ハロンズ FX 2022/12/18

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執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人

目次

執筆日時 2022年12月16日 14時30分

ECB通過でユーロは目線上向き、ポンドは一目雲付近を警戒

12月12日週の欧州通貨は対照的な展開に

ECB理事会、英中銀MPC(金融政策委員会)の結果を受けた、金融政策や経済見通しに対する強弱を通じて明暗が分かれる格好になりました。ユーロ/円はECBの0.5%追加利上げや量的引き締め開始と、10月のハト派的な会合とは対照的にタカ派化が漸進したことから、本邦との金利差拡大が意識されて146.732円まで上昇幅を広げました。かたやポンド/円は英中銀MPC後に失速。ECBと同様に0.5%利上げに踏み切ったものの、こちらは成長鈍化懸念がより意識されて、168.838円をトップに167.389円付近へ押し戻されました。(各レート水準は執筆時点のもの)

※相場動向については、外為どっとコム総研のTEAMハロンズが配信している番組でも解説しています。

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外為どっとコム総合研究所のTEAMハロンズ(@TeamHallons) が、平日21時より配信するFXライブ番組

FX、FOMCレビュー 今後の焦点、BoE・ECB・米小売 Live(2022年12月15日)- YouTube

ユーロ、変動幅拡大時の順張り取引に注意

来週は12/19(月)にドイツ12月IFO企業景況感指数、12/19(月)にユーロ10月建設支出、12/20(火)にユーロ12月消費者信頼感、12/21(水)にドイツ1月GFK消費者信頼感調査など企業や個人のセンチメントを示す指標が並びます。冬場のエネルギー問題が解消されつつある中で、センチメントが底打ち感を示す期待はあります。しかし、新たなECBスタッフ予想において来年の成長見通しが0.5%に留まるとの認識が示されている点を踏まえれば、域内の事業活動や消費活動が急速に回復するとは考えづらく、経済への下振れリスクは残ったままでしょう。

ECBの利上げサイクルの長期化観測はユーロをある程度支えそうですが、全面的に買い進めるには新たな材料が必要です。とはいえ、対円では少し話が違っています。円を巡っては、日銀の大規模緩和継続期待から上値の重さが意識されやすく、日欧の金利差拡大からユーロ/円はもう少し戻りを試しそうな雰囲気です。もっとも、ホリデーシーズンが本格化し市場流動性が低下する中で、この期間の値動きが年明け以降も継続するとは限らないため、特に変動幅が拡大するような局面での順張りトレードには注意が必要と考えます。

ポンド、賃金動向がより注目に

英中銀のMPCでは6対3で利上げ幅の縮小を決定したものの、テンレイロ委員ほか1名が据え置きを主張したことで9月会合よりタカ派色が薄らぐ格好になりました。インフレ動向を見れば、まだ追加利上げが必要な状況ですが、成長への配慮も欠かせないため利上げペースはインフレ動向次第と言えそうです。そのインフレについては、労働市場の動向がカギとなりそうです。下図は、消費者物価指数(CPI)、賃金、失業率のデータを並べていますが、CPIの上昇は賃金上昇の約1年後、失業率低下の半年後から始まっています。

英国のインフレと失業率
英国のインフレ動向と雇用 出所:外為どっとコム

その賃金は前年比での伸びがすでに鈍化していますので、そろそろインフレ・ピークアウトのサインが出てくる可能性はあります。こうした兆候がより鮮明になれば、英経済への期待感からポンドの買い戻しが本格化してくるかもしれません。今後は、労働市場の行方により着目する必要があるでしょう。来週は、目立った指標がないため落ち着いた展開になりそうですが、流動性低下によりしばしば引き起こされる変動幅拡大には注意したいです。

下降チャネル上抜けで目線上向き

ユーロ/円は10月21日高値(148.403円=年初来高値)を起点とする下降チャネルの上限突破で、今度は8月上旬を起点にした上昇チャネルでの推移へ変わっています。140.000円手前を推移する200日移動平均線も上昇基調で、チャネル上限が推移する148.000円トライもみえてきた感じです。勢いがつけば年初来高値更新も期待できるかもしれません。

【ユーロ/円チャート 日足】

EUR/JPY日足チャート
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:EUR/JPY:144.000-148.000

ポンド/円、下方向は166.000円が肝

ポンド/円は、10月31日高値(172.125円)からの下降チャネル上限を突破して地合い改善の様子はうかがえます。しかし、日足一目の雲上限が今後166.000円付近へ低下するため、下方向の支援力に難があります。この水準は直近サポートされている水準のほか、下降チャネル上限とも重なります。そのため、166.000円を下抜けてくると、再び下降チャネルに沿った下落トレンドに変わり下げ幅を拡大させてきそうです。また、上方向は12月13日高値の169.273円を突破できれば、171.000円までの戻りは見えてきそうです。

    【ポンド/円チャート 日足】

    GBP/JPY日足チャート
    出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
    予想レンジ:GBP/JPY:165.000-171.000

    12/19 週のイベント

    12/19(月) 18:00 ドイツ 12月IFO企業景況感指数
    12/19(月) 19:00 ユーロ 10月建設支出
    12/20(火) 16:00 ドイツ 11月生産者物価指数(PPI)
    12/20(火) 18:00 ユーロ 10月経常収支
    12/20(火) 24:00 ユーロ 12月消費者信頼感
    12/21(水) 16:00 ドイツ 1月GFK消費者信頼感調査
    12/22(木) 16:00 イギリス 7-9月期四半期経常収支
    12/22(木) 16:00 イギリス 7-9月期四半期国内総生産(GDP、改定値)
    12/23(金) 16:45 フランス 11月卸売物価指数(PPI)

    一言コメント

    外為どっとコム総合研究所のTEAMハロンズ(@TeamHallons) が平日毎日21時よりライブ配信しています。番組では、注目材料の紹介、テクニカル分析でエントリーポイントや利食い・損切りポイントを解説し、実際にリアルトレードも行っています。ご興味のある方は、一度、こちらにアクセスしてみてください。

     
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