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今週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「オセアニアに注目指標はなし!世界経済の見通しに注意!」ハロンズ FX 2022/12/17

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次

 

オセアニアに注目指標はなし!世界経済の見通しに注意!

今週の振り返り

今週の豪ドル/円は92.57円前後、NZドル/円は87.32円前後で週初を迎えました。市場は今週が年内最後のビッグイベントの週として見ていました。特に13日発表の米11月消費者物価指数(CPI)と翌14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)への注目度が高まっていました。そのため、豪ドル/円、NZドル/円は国内の経済指標や両国と交易関係の強い中国の経済指標にはほぼ無反応。米ドル/円の動向に追随することとなりました。
前週末に発表された米11月卸売物価指数(PPI)が市場予想を上回ったことから、市場では「13日に発表される米11月CPIが市場予想を上回ること、そして米連邦準備制度理事会(FRB)が市場予想ほど早く利上げサイクルを終了させないのではないか?」といった思惑が高まっていました。米11月CPIが発表される13日の夕方には豪ドル/円は93.36円前後、NZドル/円は88.16円前後まで上昇しました。その後発表された米11月CPIが予想を下回り、米国のインフレが想定以上に鈍化していることが伝わると、上げ幅を縮めました。
今週は米英欧などの主要国が相次いで金融政策を発表。金融引き締め長期化懸念が高まり世界的に株価が下落したことで、資源国通貨である豪ドル、NZドルは売られることとなりました。特に豪ドル/円は下落幅が大きく一時91.96円前後まで低下しました。(執筆時)

好調な豪雇用統計に無反応??現在の豪ドルを取り巻く環境は?

12月15日(木)に豪11月雇用統計が発表されました。結果は以下の表①の通りです。

【表① 豪州の11月雇用統計 予想と結果】

雇用者数、労働参加率は市場予想を大きく上回るものとなりました。労働参加率について、月次統計を開始(1978年)して以来の最高値を今年6月に記録しましたが、今回はさらに更新しています。失業率は3.4%となり前月と同水準でしたが、これも月次統計では最低水準を維持しています。先週の週間ハロンズ(豪雇用統計は『質』に注目!米FOMCの結果が豪ドルにも大きく影響を与える?)でも挙げました、「不完全雇用率※1」については、前月同様に5.9%となりました。もちろん不完全雇用率が低下していることが望ましかったですが、雇用者数や労働参加率の大幅増加がありましたので、『質』まで上がるまでには至りませんでした。今後も注目していきましょう。

※1不完全雇用率は…①高度な教育やスキル、経験を持っているが、それらを必要としない職についている。②正社員を目指しているのに、非常勤でしか職が得られない。などといった希望通りの仕事に就けない人の割合

 

中国が気になる…

前述の通り、豪州の11月雇用統計はかなり良い結果となりました。それにもかかわらず、豪ドル買いが強まらなかったことが気になります。奇しくも豪11月雇用統計が発表された12月15日は中国の11月小売売上高や11月鉱工業生産が予想を下回ったことなどにより中国株が大幅に下落しました。そして、欧米時間には欧米中銀が金融引き締め長期化を示唆したことで、世界景気の悪化懸念が高まり、世界的に株価が下落しました。そのため、豪ドルは大きく下落することになりました(豪ドル/円は米ドル/円が上昇したため、下落幅は小さくなりました)。こういったことからも15日は「豪州は国内経済よりも中国、そして世界経済の見通しに大きく左右される」ということを強く意識させられる日となりました。

今週は米国の11月CPIやFOMCという年内最後のビッグイベントがあったため、豪ドルは様子見姿勢が強く株価への反応は小さかったです。しかし、これらのビッグイベントをこなしたことで、来週は経済指標などの結果を受けた株価動向が豪ドル、NZドル相場に影響を与える場面がありそうです。特に警戒したいのは中国株の動向となります。中国はゼロコロナ政策の緩和を進めたことにより、新型コロナの新規感染者数が爆発的に増えていると言われています。これまでは、「ゼロコロナ政策の緩和による中国経済の先行きを覆っていた霧が少し晴れて、中国経済が回復する」との期待感が中国株を支えていました。しかし、今週後半の動きを見ると「新型コロナの感染拡大が近未来の中国経済にネガティブな影響を与える」との警戒感が強まってきているように感じます。ゼロコロナ政策緩和による中国経済回復の期待は忘れてしまいましょう。

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円は、200日移動平均線(200MA)を明確に下抜けたあと、同線が終値ベースでのレジスタンスとして機能しています。来週も200MAが目先の上値目途となりそうです。その上の水準では、11月10日以降、日足一目雲上限(94.822円前後)がレジスタンスとして機能しています。一方で下値は10月13日安値の90.852円前後や、週足雲上限90.353円前後、心理的な節目となる90.00円が目途として見られそうです。

【豪ドル/円 日足チャート・一目均衡表、200日移動平均線】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:AUD/JPY:90.00-95.00、NZD/JPY:86.00-89.00

12/19 週のイベント:

12/20 (火) 06:45 NZ 11月貿易収支
12/20 (火) 09:00 NZ 12月ANZ企業信頼感
12/20 (火) 09:30 豪 豪準備銀行(RBA)、金融政策会合議事要旨公表

一言コメント:

先日、同僚と初めて新橋で飲みました。小一時間で数杯飲んで、ちょっと食べて、「じゃ!」って解散。長く楽しく飲むのも良いですが、このテンポ感も非常に良かったです。そろそろ年末ですね(笑)

 
nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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