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豪ドル/円 NZドル/円 週間為替見通し「豪ドル/円は豪月次CPIに注目が集まる!RBAの様子見姿勢を転換させられる!?」ハロンズ 2022/10/22

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次

 

豪ドル/円は豪月次CPIに注目が集まる!RBAの様子見姿勢を転換させられる!?

今週の振り返り

今週の豪ドル/円、NZドル/円はともに上昇。17日に英国のハント新財務相が、解任されたクワーテング前財務相が発表したトラス政権の大規模な減税政策のほとんどを撤回すると発表したこと、20日にはトラス英首相が一連の混乱の責任を取り辞任し、英政権を巡る不安が払拭されたことで、リスク選好の動きとなりました。リスクセンチメントに敏感な豪ドルとNZドルは上昇。米ドル/円がじりじりと上値を追い1ドル=150円台まで上昇する展開だったことも後押しとなり、豪ドル/円は95.15円前後までNZドル/円は85.95円前後まで上値を伸ばしました。また、中国当局が入国者に対するコロナ隔離期間の短縮を検討していることが伝わったことも、豪ドル、NZドルにとって支援材料となりました。

市場の期待を裏切った豪9月雇用統計

今週20日に豪9月雇用統計が発表されました。RBAは今月の理事会で「急速かつ大幅に利上げした影響を見極めたい」との理由から、利上げ幅を0.25%に縮めました。市場では「RBAが重視している労働市場が大きく改善していれば、RBAが11月に再び利上げ幅を0.50%に拡大するのでは?」との期待が少なからずありました。しかし結果は、雇用者数は900人増と予想の2.5万人増を大幅に下回り、労働参加率は66.6%と前月と変わらなかったため、失業率も3.5%と変化なし。総じて見ると前月比横ばいとなりました。そのため、雇用統計の結果はRBAが利上げ幅を0.50%に戻す強い根拠とならず、来週の消費者物価指数(CPI)の結果を待つこととなりました。

注目度が増す豪9月月次CPI

前述のとおり、来週26日(水)に発表される豪7-9月期CPIと豪9月月次CPIの注目度が高まっています。元々、豪州は四半期ごとにCPIを発表していましたが、よりタイムリーな指標として月次CPIの発表が9月より開始されました(2018年12月分まで遡って発表)。この月次CPIは四半期CPIの構成項目の内3分の2だけの集計となりますので、必ずしも四半期CPIと同時期の月次CPIの平均が一致するとは限りません。それでも「四半期CPIの初期指標として価値がある」指標となっています。この月次CPIを見ますと、7月、8月はそれぞれ7.0%、6.8%でした。そのため、7-9月期の四半期CPIは7%前後となることが予想されます。豪準備銀行(RBA)は2022年末のインフレ率を7.75%程度と予想していますので、四半期CPIはRBAの予想の範囲内に落ち着くと思われます。そのため、RBAが利上げ幅を再び拡大するとしたら、9月の月次CPIが7%台半ばまで大幅に上昇した場合になると思います。仮に9月の月次CPIが8%だったとしても、四半期CPIは単純計算で7.2~7.3%です。しかし、月次CPIがRBAの年末の想定値を超えています。この場合、11月に再び利上げ幅を拡大しなければ、年末のインフレ率がRBAの予想を超える可能性が高くなります。26日は月次CPIの結果にも注目してみましょう。

表1:【豪月次CPIと四半期CPI推移】

豪ドルの方向感は…?

現在、豪ドル相場のトレンドは下落基調と見ています。理由としては、
①RBAが利上げ幅を縮小したため、大幅利上げを続ける米連邦準備制度理事会(FRB)との金融政策に差が出てきた
②豪州と交易関係の強い中国をはじめ、欧州圏など世界的に景気減速懸念が根強い
といったものが考えられます。
①の影響から対米ドルで豪ドルが売られやすくなっています(そもそも米ドル独歩高状態でもあります)。そして豪州は資源国通貨の代表格です。②のように世界経済が減速することで資源需要が減退することが予想され、資源国通貨の豪ドルには売り圧力がかかりやすくなります。今週のように英国の政治的不安が払しょくされてリスク回避の巻き戻しが優勢となることもありますが、基本的には豪ドルは下落するとみています。

テクニカル的には

豪ドル/円はこのままの水準で今週を終えると、週足の一目均衡表では基準線を上抜けることとなりますので、下落トレンドは一旦終了となりそうです。その場合は週足転換線を上抜けられるかが焦点となりそうです。日足チャートを見ると、一目基準線が下向きとなっているため、下降トレンド継続中です。目先は一目転換線が目途となりそうです。その下の水準では、今週安値(10/17)の92.08円前後や、10/13安値の90.85円前後が意識されそうです。他方で上値は、一目均衡表の雲が分厚いたいめ、相応の抵抗が予想されます。雲の上限が上値目途として意識されるのではないでしょうか。

【豪ドル/円 日足チャート・一目均衡表(左)、週足チャート・一目均衡表(右)】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:
AUD/JPY:90.50-96.50、NZD/JPY:82.50-87.50

10/24 週のイベント:

10/24 (月) NZ レイバーデーで祝日休場
10/26 (水) 09:00 NZ 10月ANZ企業信頼感
10/26 (水) 09:30 豪 7-9月期四半期消費者物価(CPI)
10/26 (水) 09:30 豪 9月月次消費者物価(CPI)
10/28 (金) 09:30 豪 7-9月期四半期卸売物価指数(PPI)

一言コメント:

今週20日に米ドル/円は1990年以来の1ドル=150円に乗せました。今年は年初からの急激な円安のため、テレビの取材を数多く受けさせていただき、知人から「観たよ~」と連絡をもらうことも増えてきました。この円安を機に為替、FXに興味を持つ人が一人でも多くいるといいな~と祈っています。

nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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