FX/為替見通し「豪ドル/円は国内経済が堅調でも下落基調が続く」週刊為替レポート 豪ドル/円、NZドル/円 2022年10月15日

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執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次

 

豪ドル/円は国内経済が堅調でも下落基調が続く

今週の振り返り

今週の豪ドル/円、NZドル/円はともに下落後に反発。豪ドル/円は92円台半ばで、NZドル/円は81円台半ばで週初を迎えました。週の前半は米国の大幅利上げが継続するとの思惑が高まったことや、ウクライナ情勢が悪化したことを受けたリスクオフのドル買いが先行。NYダウ平均をはじめとした株価が下落したことで、資源国通貨である豪ドル、NZドルは売りが先行。豪ドル/円は91.07円前後、NZドル/円は80.69円前後まで下落しました。週後半はNYダウ平均をはじめとした株価が底堅く推移したことや、注目されていた13日の米9月消費者物価指数(CPI)の発表を終えたことで、材料出尽くし感からか株価が大幅に反発し、リスクオンの豪ドル、NZドル買いとなりました。この流れは翌14日の東京時間も続き、豪ドル/円は93.45円前後、NZドル/円は83.63円前後まで上昇しました(共に執筆時)。

注目はRBA議事要旨と豪雇用統計

来週は18日にRBA議事要旨が公表されます。10月4日に開催されたRBA理事会では市場予想に反してRBAは利上げ幅を0.25%に縮小しました。この決定についての詳細が説明されるはずです。今後のRBAのスタンスを確認する重要なイベントとなりそうです。そして20日には豪9月雇用統計が発表されます。7月には雇用者数減少となりましたが、8月にはその減少分の大多数を取り戻し、7月の減少が一時的だったことを示しています。市場予想を見ると9月の雇用者数変化は+2.5万人、失業率は3.5%(8月:3.5%)、労働参加率は66.6%(8月:66.6%)と、数字だけを見ると8月から大幅な改善が見られません。 しかし失業率と労働参加率はともに、月次集計を開始した1978年以降では一番良い水準にあります。大幅な悪化が見られなければ、豪州の雇用市場は引き続き底堅いと見て良いでしょう。豪州の最新の有効求人は約47.1万人です(8月時点)。8月の失業者数は約48.8万人ですので、9月の雇用者数が大幅に増加し、失業者数が47.1万人を下回ることになれば、豪州の雇用はかなり強いと判断されそうです。

豪経済が強くても…

現在の為替市場は、米連邦準備制度理事会(FRB)が大幅利上げを継続するとの思惑からの米ドル買い。そして、欧州をはじめとした世界経済の減速懸念からのリスクオフの米ドル買い。2つの米ドル買い材料により、米ドルの独歩高状態となっています。この流れはFRBが大幅利上げを止めて利下げに転じるか、日本をはじめとした米ドル高に苦しむ国々が協調介入を行わない限り止まらなそうです。前者に関しては、複数のFRB高官がタカ派的な発言を繰り返していることからも、すぐに起こり得ることではないと思います。13日の米CPIが予想を上回る強い結果だったことも、米国が利上げの手を緩めることのない一因となりそうです。後者にしても、単独、協調と介入の種類に関わらず、影響を与える通貨(米ドル)の当局から一定の理解を得られないと実施することは難しそうです。9月22日に財務相・日銀が円買い介入した際は為替レートではなく、円安に進むスピードが早すぎることを理由にFRBからも理解を得ました。しかし、ドル高を止めたいとなると、現時点ではFRBは首を縦には降らないと思います。こういったことから米ドル高基調は簡単には終わらなそうです。米ドルが高いということは輸入物価が上がるということです。日本でも円安の影響で輸入物価が上がっていますが、これは日本以外の国でも同様のことが言えます。世界各国は米ドル高に苦しみ輸入物価の上昇からインフレが高止まりする。高インフレの影響から経済が減速し、資源需要が減退する。資源国通貨である豪ドルとNZドルは下がりやすい。この構図は当面続くのではないでしょうか。

英国の政治不安続く。週明けに要注意

来週、月曜日に為替相場が大荒れとなる可能性があります。イングランド銀行(BOE)による英国債市場の安定を目的とした、緊急の英国債買入れプログラムが14日に終了予定となっているためです。大本を辿ると、トラス政権が打ち出した大幅な減税案がインフレを加速する可能性を高めることや、財源の裏付けがないことが今回の英国債とポンド相場の不安定化を引き起こしました。一部では英政府がこの減税案の方向転換を模索しているとの報道があります。週末の間に、BOEが買入れプログラムの延長をすることや、英政府の減税案に修正や撤回が示されることがなければ、英国債は売られて、ポンドは9月23日と26日の悪夢とも言えるような暴落を繰り返す可能性があります。その場合は、リスクオフの米ドル買いとなり、豪ドル/円は下落することとなりそうです。

テクニカル的には

豪ドル/円は日足一目均衡表の雲下限が目先の上値目途となります。10月7日にしっかりと雲を下抜けしてからまだ日が浅いこともあり、それほど強い抵抗にはなっていないはずですが、なかなか上抜けられずにいると徐々に抵抗帯として意識されることになりまそうです。94円台後半には週足の転換線もあります。この水準を上抜けて週を終えられれば、豪ドルの下落トレンドも一服となりそうです。下値は10月13日安値の90.852円や8月2日安値の90.518円、その下には節目となる90.00円が控えています。90円台が一先ずの下値目途となりそうです。

【豪ドル/円 日足チャート・一目均衡表】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:
AUD/JPY:90.00-95.50、NZD/JPY:80.00-85.00

10/17 週のイベント:

10/16~22 中国共産党大会
10/18 (火) 06:45 NZ 7-9月期四半期消費者物価(CPI)
10/18 (火) 09:30 豪 RBA理事会議事要旨
10/18 (火) 11:00 中国 7-9月期四半期国内総生産(GDP)
10/18 (火) 11:00 中国 9月小売売上高
10/20 (木) 09:30 豪 9月雇用統計
10/21 (金) 06:45 豪 9月貿易収支

一言コメント:

今週の月曜日(10月10日)は祝日だったため、久々に日曜日の夜はNFL(アメフト)を生中継で観ました。NFLは大体現地時間の13時にキックオフとなります。そのため、米国東部で行われる試合を生中継で観るためには、日本時間の夜中の2時に起きていないといけません(米国が冬時間になったら夜中の3時に起きていないと…)。試合が終わるのが大体朝の5時過ぎ(冬は6時過ぎ)。体力的には結構つらいです。私が20年以上応援しているチームは今年の優勝候補筆頭なので、可能な限りは生中継で観ます!録画中継を観る場合は1日中個人のSNSやニュースサイトを開かずに情報を遮断しないといけないので…

nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー社へ入社。8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、Twitterを通してFX初心者向けの情報発信を担当している。
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