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FX/為替見通し「英国で保守党党大会・債務予想素案、ポンドのセリング・クライマックスはこれから?」週刊為替レポート ハロンズ ユーロ/円 ポンド/円 2022年10月2日

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執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人

目次

執筆日時 2022年9月30日 16時30分

英国で保守党党大会・債務予想素案、ポンドのセリング・クライマックスはこれから?

9月26日週のユーロ/円、ポンド/円は荒い展開

英国のトラス新政権が先週発表した財政政策を受けて、財政悪化懸念が高まりポンド中心に欧州通貨売りが先行し、ポンド/円は148.666円、ユーロ/円は137.345円まで下げました。また、ポンド/米ドルは過去最安値となる1.03256ドルまで下落しました。同レベルからは短期勢の買い戻しが見られる中、英中銀が残存期間20年超の国債を対象に無制限で買い入れを決めたほか、国債売却の延期を発表し市場の安定化に動いたため、ポンド/円は161.762円、ユーロ/円は142.280円まで急反発するなど、荒い値動きとなりました。ユーロ/円は、インフレ加速からECBが大幅利上げを続けるとの思いもサポート材料となったもようです。(各レート水準は執筆時点のもの)

※相場動向については、外為どっとコム総研のTEAMハロンズが配信している番組でも解説しています。

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外為どっとコム総合研究所のTEAMハロンズ(@TeamHallons) が、平日21時より配信するFXライブ番組

FXライブ/為替予想【実践リアルトレード】トラス・ショック 第二波の可能性・影響、次は人民元ショック?(2022年09月29日)- YouTube

インフレ加速観測で切り返し

10/6(木)に、0.75%の利上げに踏み切った9月の欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨が公表されます。理事会で、利上げ幅、利上げスピード、インフレ見通し、中立金利の水準などについてどのような議論がなされたのか注目されます。想定以上にタカ派な議論がなされていれば、10月27日の理事会での0.75%利上げ観測や、ECBの利上げ幅拡大への期待から、ユーロ買い戻しが短期的に優勢になりそうです。もっとも、天然ガスパイプライン・ノルドストリームの破損事故、OPECプラスの減産観測など、エネルギー問題に対する不安が燻る中で、利上げペースの前倒しも加われば経済へのダメージは相当大きくなると見られ、ユーロ買い戻しは長続きしないでしょう。引きつけて戻り売りを仕掛けるタイミングを窺いたいです。

セリング・クライマックスはまだ先か

英中銀が国債の買い支えに踏み切った背景には、英国の年金勢のマージンコール回避が目的だったと報じられています。年金勢は、国債を担保にレバレッジをかけており、担保が目減りすれば保有資産の売却を迫られる危険があったようで、英中銀が行動しなければ英国初の金融危機の可能性もあったかもしれません。このような事情があるなら、英中銀もそうたやすく国債の買い支えから手を引くとは思えません。ポンドは短期的に下げづらくなった感じはあります。もっとも、包括的なエネルギー価格抑制策で英国の財政負担が増加することは間違いなく、英国の破たんリスクの指標の一つである、5年物CDS(クレジットデフォルトスワップ)は英中銀の介入後も高いレベルを維持しています。

また、財政出動がインフレを助長し、今後はそれを抑え込むために英中銀が利上げを行なうインフレ・スパイラルへ陥る事態もあるかもしれません。10月2日に開催される英保守党党大会のほか、11月23日に発表される中期計画や成長率・債務予想の素案が来週にも提示される見通しとあって、これらの内容が市場の不安を後退させられるか注目されます。これらイベントが先行きへの懸念を高めれば、再びポンド売りが加速する可能性はありそうです。先週のポンド暴落でセリング・クライマックスが済んだとの声も一部で聞かれていますが、ブレグジットを思い返せば、まだ始まってすらいない可能性もあり、ポンドに対して前向きにはなりづらいです。引き続き戻り売りが有効と考えます。

ユーロ、対ドルでの戻り売りポイントは2箇所

ユーロ/米ドルは、チャネルの中での下落トレンドにおける自立反騰局面と見ています。しばらくは戻りを試しそうですが、日足一目均衡表・基準線レベルの0.9867ドル付近、そしてチャネル上限の1.0090ドル付近が戻り売りを仕掛けるポイントになりそうです。値動きが少し荒いので、ストップオーダーをタイト目に入れて臨みたいです。ユーロ/円も、144円台を回復した場面では戻り売りが強まると見ています。

【ユーロ/米ドルチャート 日足】

EUR/USDチャート日足

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:EUR/USD:0.96000-1.01000

    ポンド/円、21日線が目先のレジスタンス

    ポンド/円は戻り基調を続けているものの、162円前半には21日移動平均線や日足一目均衡表・雲の下限が推移しており、この辺りは戻り売りが出やすいと見ています。このレベルを上抜けてしまったら、9月20日の高値(164.430円)付近まで戻す可能性もありそうです。下値の目途は心理的節目の157.000円や9月29日安値の155.616円付近が意識されそうです。

      【ポンド/円チャート 日足】

      GBP/JPY日足チャート
      出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
      予想レンジ:GBP/JPY:155.500-164.500

      10/3 週のイベント

      10/3(月) 17:00 ユーロ 9月製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)
      10/3(月) 17:30 イギリス 9月製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)
      10/4(火) 18:00 ユーロ 8月卸売物価指数(PPI)
      10/5(水) -OPECプラス、閣僚級会合
      10/5(水) 15:00 ドイツ 8月貿易収支
      10/5(水) 15:45 フランス 8月鉱工業生産
      10/5(水) 17:00 ユーロ 9月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値)
      10/5(水) 17:30 イギリス 9月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値)
      10/6(木) 15:00 ドイツ 8月製造業新規受注
      10/6(木) 17:30 イギリス 9月建設業購買担当者景気指数(PMI)
      10/6(木) 18:00 ユーロ 8月小売売上高
      10/6(木) 20:30 ユーロ 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨
      10/7(金) 15:00 ドイツ 8月鉱工業生産

      一言コメント

      外為どっとコム総合研究所のTEAMハロンズ(@TeamHallons) が平日毎日21時よりライブ配信しています。番組では、注目材料の紹介、テクニカル分析でエントリーポイントや利食い・損切りポイントを解説し、実際にリアルトレードも行っています。ご興味のある方は、一度、こちらにアクセスしてみてください。

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