FX/為替予想「『常識外』の利下げでリラ軟調！引き続き下落を警戒」トルコリラの焦点

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執筆：外為どっとコム総合研究所　神田卓也

トルコ中銀は先週18日、大方の予想に反して政策金利を14.00％から13.00％に引き下げた。
利下げを決めた理由について、「世界的な経済成長に対する不確実性が高まり、地政学的なリスクが増大する中、工業生産の成長と雇用の増加を維持するために、金融環境を支援的な状態に維持することが重要」と説明。
ほぼ年率80％に高進したインフレに関しては、中銀や他の当局の措置でまもなくディスインフレ（インフレ鈍化）が始まるとの見通しを示すにとどまった。

金融市場における「常識外」の利下げに対して通貨リラは軟調だ。
もっとも、一方的に下落する展開には至っていない。
対ドルでは2021年12月以来の1ドル＝18.10リラ台へと下落したものの、当時の安値の18.30リラ台を前に下げ渋っている。
対円ではドル/円相場の上昇にも支えられて1リラ＝7.4円台で底堅い動きとなった。
トルコ当局による介入観測がリラの下値を支えているようだ。
なお、リラ買い介入の原資となるトルコの外貨準備高は足元で増加している。
トルコ国内の原発建設事業に向けたロシア国営企業からの送金などが背景と見られる。
ただし、外貨準備の増加およびリラ買い介入の持続性については不透明と言わざるを得ない。
リラ相場を巡っては、引き続き下落に対する警戒が必要だろう。