先週のFOMC後、137円台にあったドル/円ですが、昨日の午前中に130.40付近まで下落しました。
その後、ペロシ下院議長が台湾到着、バイ・ザ・ルーマーでドル円買い戻しが急激に進んだところでシカゴのエバンス総裁、サンフランシスコのデイリー総裁、クリーブランドのメスター総裁が三人揃ってタカ派を主張。一気にドル円は噴き上げて昨晩は巻き戻す展開となりました。
エバンス総裁は、9月は50bp利上げは妥当としながらも、75bp利上げも問題ないと発言をしました。メスター総裁もインフレにコミット、インフレが制御されるまで、今後も目指すと発言し利上げを容認、デイリー総裁はインフレ率2%に近いインフレまで物価抑制に取り組む姿勢をあらためて主張しました。
これらを受けて、ドル/円は大幅反発。133円台半ばまで価格を戻しました。
先週から7円下落し、そこから3.5円の大幅反発です。
筆者は137円台から130円台までしっかりと7円近くショートトレードを実現できたのですが、132円から再びショートを打ち込み、しっかりと今朝ほど133.50円超えでストップに引っかかってしまいました。。。
FRBメンバーの発言をみていると、このところのインフレピークアウト説→株価上昇=長期金利の低下に嫌気をさしているのかもしれません。(これではインフレ脱出できるものもできなくなるため。)
6月のCPIは9.1%であったことから、来週水曜に発表される7月CPIは依然注目です。
多少のCPIが減少しても、FRBメンバーからの強いメーセージにより、ドル高はキープされる可能性もあります。
今回の発言でインフレに対する徹底的な姿勢があらためて示されたことになりますが、ちょっとこれで、現在のドル安トレンド反対要素が出てきた状況です。
つまり、しばらくドル円はこれからレンジ相場に移行する可能性が出てきたように思えます。
目次
▼ドル/円は手を出さないほうが無難?
▼豪ドル/米ドルに0.69台から売り?
ドル/円は手を出さないほうが無難?
出所:Trading View
こちらがドル/円4時間足です。
大幅下落となりまして、その後、大幅上昇です。売り方も買い方もしっかりで焼け焦げたのではないでしょうか(笑)
今後、上値の目処は134.77円のフィボナッチとレジスタンスラインが重なるクラスターポイントでしょうか。
ここまで急な調整は、正直想定外です。
ペロシ議員の台湾訪問は続いており、中国政府からの報復など、今日明日あたりからいくつか声明が出されると思います。
そういったファンダメンタルズに振り回されて、もしかしたら、再びきついドル円の急落もあるかもしれません。
そのあたりを考慮に入れながらトレードすることは大変です。
しばし傍観が良いように思えます。どうしてもどちらかにエントリーを狙いたいという方であれば、上記の134.77円付近からの戻り売りトレードでしょうか?
中国サイドからの不確定な悪材料はまだこれから出てくると思いますので、注意してみておきましょう。まだ市場は荒れると思います。ステイ推奨です。
豪ドル/米ドルに0.69台から売り?
出所:Trading View
久しぶりに豪ドル/米ドルの分析を行います。売りを狙った戦略です。
冒頭でお話ししました通り、先行き不透明なリスクオフ材料があり、豪ドル/円をチョイスしたいところですが、エバンス総裁をはじめ、FRBメンバーのインフレに対する強いコミットがまだ続くと予想できれば、豪ドル/米ドルのショート戦略のほうが安パイではないでしょうか。
こちらは4時間足です。
サポートの0.6900を割り込んできまして、再び反落の形状を始めております。ストップは0.7050超えにおいて、0.67-0.68方向にエントリーを狙うほうが無難かもしれません。
RCIは26と52が下向きかつ、RCI26が0.00ラインを割り込んできておりますので、売りシグナル点灯中です。さらにRCI52が0.00ラインを割り込もうとすれば、さらに下落は加速しやすくなるので、売るタイミングとしてはこれから向こう4-8時間以内が戻り売りチャンスとなりそうです。個人的には0.6920-0.6950あたりから戻り売りを狙って行きたいイメージです。このトレードで今週後半収益を狙いに行きたいと考えております。
ドル/円をはじめ、クロス円は参加者がかなり疲弊しきっていると考えられます。値動きの予測が立てにくいので、個人的にはドルストレートでリスクオフのポジションを取る方が得策ではないでしょうか。ご参考まで。
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FX&Cryptoトレーダー、業界ニックネームは「ひろぴー」。ラジオ日経パーソナリティ、FX会社や仮想通貨取引所のコラムニストとして活動の場は多岐に渡る。自らのトレーディングノウハウから、ユーザビリティの高いインターフェース総監督を担う。FX会社や金融プラットフォーム開発エンジニアリング企業、仮想通貨取引所へのコンサルティング業が主。 2019年7月より TradingView Japan の Marketing Director に就任。
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