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FX/為替見通し「ユーロの売り急ぎは禁物。英国は『前進』か『後退』か、首相辞任」週刊為替レポート ハロンズ ユーロ&ポンド 2022年7月10日

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執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人

目次

執筆日時 2022年7月8日 17時00分

ユーロの売り急ぎは禁物。英国は『前進』か『後退』か、首相辞任

7月4日週のユーロは暴落、ポンドは後半反発

ロシア産天然ガスの供給不安による域内の成長不安が強まり、ユーロ/円は136.864円(執筆時点)、ユーロ/米ドルは2002年12月以来となる1.00720ドル(執筆時点)まで下落しました。一部通信社が、欧州債市場の分断化を阻止する新ツールが今月21日のECB理事会までに間に合わない可能性と報じたことも嫌気されました。
また、ユーロに引っ張られて前半こそ売りが優勢だったポンドはジョンソン英首相の辞任表明を受けて政治の停滞解消との思いから反発。ポンド/円は160.396円を安値に163円後半、ポンド/米ドルは1.18756ドルを安値に1.20ドル半ばまでそれぞれ切り返しました。ただ、買い戻し一巡後は売りに押され勢いは長続きしませんでした。

ECBを巡り荒れた展開も

ECB議事要旨では、何人かは7月の大幅利上げの選択肢を望んだことが明らかとなり、6月9日の理事会後の漸進的利上げを示唆したラガルド総裁会見のイメージよりタカ派にふれる格好になりました。ただ、こうしたタカ派な雰囲気は欧州の成長減速と結び付けられ為替市場ではユーロ安で反応する流れは変わっていません。加えて、タカ派ペース加速時の緩衝材となるはずの分断化阻止ツールは、多くの作業が残っており次回会合に間に合うかどうか微妙な状況で、こうした不安はさらにユーロを圧迫する可能性が高いです。ユーロは下目線が強そうで、対ドルでパリティ割れが警戒されます。
もちろん、今後2週間で合意できるところまで議論が進展するかもしれませんし、前回と同様に21日以降、臨時理事会を開催して決定するなど選択肢も複数あるため、ECBが一枚岩でないことをもって短絡的に売り急ぐべきではありません。新ツールを巡る各国当局者の前向きな発言で戻したところを丁寧に売りで対応したいです。

ポンドは戻り売り目線を維持

7日、ジョンソン英首相が保守党党首の辞任を表明しましたが、これであく抜け感が出るかと言われれば、そうでもないでしょう。後任人事は10月ごろに決まるとの見方で、それまではレームダック化したジョンソン政権が英国の舵取りを続けることになります。結局、現状の国難に対して効果的な施策を打てない状況は変わらないということです。こうした状況を少しでも打破するため、保守党の一部では来週にも「一度否決された党首不信任投票は、少なくとも1年の期間を空けて行う」とする内規を変更しようとする動きがあります。内規が変更され、再度、党首不信任投票が行われ、新たに党首決定、首相就任と円滑に進んだとしても、それなりの時間は必要です。来週の保守党内の動きによっては、ポンドが買い戻される場面はありそうですが、それでも英経済の成長鈍化懸念からポンド売り圧力は後退しづらいのではないでしょうか。

ユーロ/米ドルはパリティ割れトライ!

これまでのサポートレベルだった1.0350ドルを割り込んで、下げ幅を広げています。下方向には目立った支持線が見当たらず、やっぱり1.0000ドルを一度は試しにいきそうな雰囲気です。同レベルを割り込んだ場合、0.99000ドル、0.98000ドルがそれぞれ節目になるでしょう。戻りは、1.03500ドルを越えれば、ショートカバーが誘発されるでしょう。ユーロ/円は137.830(6/16安値)を終値ベースで割り込んでおらず何とか踏みとどまっている印象ですが、下抜けからのダブルトップ完成は時間の問題とみられます。その時は、5月後半のもみ合いレベルである136.000円、その次が5月23日安値の134.660円付近が意識されそうです。

【ユーロ/米ドルチャート 日足】

ユーロ/米ドルチャート 日足
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:EUR/USD:0.99000-1.03500

【ユーロ/円チャート 日足】

ユーロ/円チャート 日足
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:EUR/JPY:134.500-139.000

ポンド/円、160円割れか

160.396円(7/6安値)からは戻し気味に推移してますが、164.500円付近を低下中の21日移動平均線がレジスタンスとしてワークしています。同ラインの突破に失敗すれば、期間21日のボリンジャーバンド-3σレベルである159.650レベルまでの下げはありそうです。

【ポンド/円チャート 日足】

ポンド/円チャート 日足、ボリンジャーバンド
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:GBP/JPY:159.500-165.500

7/11 週のイベント

7/12(火) 18:00 ドイツ 7月ZEW景況感調査
7/12(火) 18:00 ユーロ 7月ZEW景況感調査
7/12(火) 26:00 イギリス ベイリー英中銀(BOE)総裁、発言
7/13(水) 15:00 ドイツ 6月消費者物価指数(CPI、改定値)
7/13(水) 15:00 イギリス 5月月次国内総生産(GDP)
7/13(水) 15:00 イギリス 5月鉱工業生産
7/13(水) 15:00 イギリス 5月貿易収支
7/13(水) 18:00 ユーロ 5月鉱工業生産
7/14(木) 08:01 イギリス 6月英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格指数
7/15(金) 11:00 中国 4-6月期四半期国内総生産(GDP)
7/15(金) 18:00 ユーロ 5月貿易収支

一言コメント

今度は、オミクロン株の新しい系統BA4、BA5ですか~。なかなか、安息の日々は訪れませんね。

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