シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読
み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼IMMポジション ドル/円
円ネットショート約1年ぶりの水準へ減少
▼IMMポジション ポンド/ドル
ポンドネットショート4週連続減少
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットショート約1年ぶりの水準へ減少】
6月28日時点で円のポジションは、ドルに対して5.3万枚の売り越し(ネットショート)。
ショートが取り崩されたことから、ネットショートは前週から0.6万枚減少。
期間中のドル/円相場は、一時134円台前半へと調整したものの、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が積極的な引き締めを継続する考えを強調したことなどを受け、136円台を回復する底堅い展開だった。
そうした中でも、投機筋は円の先安観を弱めたと見られ、ネットショートは今年最低の水準に減少した。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットショート減少】
6月28日時点でユーロのポジションは、ドルに対して1.1万枚の売り越し(ネットショート)。
ロング・ショートともに取り崩されたがショートの取り崩しがやや大きかったためネットショートは前週から0.5万枚減少。
期間中のユーロ/ドル相場は、ユーロ圏の景気減速懸念と欧州中銀(ECB)の利上げ期待の綱引きとなり、1.05ドル台を中心にもみ合う展開だった。
欧米勢の半期末を目前に控えて投機筋は持ち高調整に動いたと見られる。
ポンド/ドル
IMMポジション ポンド/ドル
ポイント
【ポンドネットショート4週連続減少】
6月28日時点でポンドのポジションは、ドルに対して5.3万枚の売り越し(ネットショート)。
ロングが積み増され、ショートが取り崩されたことから、ネットショートは前週から1.0万枚減少。
期間中のポンド/ドル相場は、1.220ドルを挟んで方向感のない動きとなった。
英国でも景気減速懸念が広がっているものの、投機筋は米国の景気後退リスクを重く見てドル買い(ポンド売り)ポジションを閉じる動きを強めたようだ。
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IMMポジション
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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