執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人
目次
- ▼米ドル/円、超短期では売り?。利上げで景気の底割れを警戒
- ▼6月27日週のドル/円は24年ぶりの高値更新後に急失速
- ▼米リセッション入り懸念高まるか
- ▼ドル/円、超短期は売り目線
- 7/4週のイベント
- 一言コメント
執筆日時 2022年7月1日 17時00分
米ドル/円、超短期では売り?。利上げで景気の底割れを警戒
6月27日週のドル/円は24年ぶりの高値更新後に急失速
本邦実需のドル売り・円買いでアジア時間は上値重く推移する場面が目立ちましたが、海外時間に入るとその流れが逆転して、ドル買い・円売りが優勢に。米ドル/円は、136円前半の売りをこなすと136.998円まで上伸しました。四半期末のドル買い需要が旺盛だったことも、米ドル/円を支えた一因とみられます。しかし、株価調整から円買い戻しが強まると、134.738円(執筆時点)まで押し戻されました。
米リセッション入り懸念高まるか
来週は6日に米6月ISM非製造業景況指数、8日に同6月雇用統計が発表されます。市場の視線が金利から景況感へ移っていますので、これらの結果を受けた景気動向に対するセンチメントが米ドル/円の動向を左右しそうです。これらの結果が米国の成長鈍化を想起させれば、ドル安・円高が進みそうです。反対に、米経済の底堅さが示されれば、各国の金融政策の格差に根差した値動きになりそうです。 雇用統計については、JOLT求人件数は未だ過去最高レベルを維持しているものの、足もとの新規失業保険申請件数は底打ちから増加に転じ始めていますので、雇用者数増加のペースが鈍化するかもしれません。前月に、物価上昇による収益鈍化を見越して雇用が減少した小売部門に続いて、他のサービス産業も採用抑制に動くようなら、相当悪い結果となる危険もあります。このような場合、米ドル/円は131円台が意識されるかもしれません。
ドル/円、超短期は売り目線
5月27日安値126.676円と6月16日安値131.498円を結ぶ下値支持線をブレイクし始めており、下方向に対する警戒レベルは少し高まっています。終値ベースで下回ってくれば、134.60円付近の21日移動平均線や6月23日安値の134.265円をも下抜けて、下げ幅を広げるかもしれません。
【ドル/円チャート 日足】
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:USD/JPY:132.000-136.500
7/4 週のイベント:
7/05(火) 08:30 日本 5月毎月勤労統計調査-現金給与総額
7/05(火) 23:00 米国 5月製造業新規受注
7/06(水) 23:00 米国 6月ISM非製造業景況指数(総合)
7/06(水) 27:00 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
7/07(木) 08:50 日本 対外対内証券売買契約等の状況
7/07(木) 14:00 日本 5月景気先行指数(CI)・速報値
7/07(木) 21:15 米国 6月ADP雇用統計
7/07(木) 21:30 米国 5月貿易収支
7/07(木) 21:30 米国 新規失業保険申請件数
7/08(金) 08:30 日本 5月全世帯家計調査・消費支出
7/08(金) 08:50 日本 5月国際収支・貿易収支
7/08(金) 14:00 日本 6月景気ウオッチャー調査
7/08(金) 21:30 米国 6月非農業部門雇用者数変化
7/08(金) 21:30 米国 6月失業率
7/08(金) 21:30 米国 6月平均時給
7/10(日) - 日本 参議院議員通常選挙、投開票
一言コメント
10日に参議院議員選挙が実施されます。与党が勝利すれば、一応、黒田総裁の緩和政策がある意味信任されたと受け止められ、海外勢中心に円売りが加速する展開もあるかもしれませんね。
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