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FX/為替見通し「豪ドル/円は金利差と米景気、相場のメインドライバーの移り変わりが大きく影響しそう」週刊為替レポート ハロンズ 豪ドル/円、NZドル/円 2022年06月18日

週刊為替レポートハロンズ 豪ドルNZドル

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次

 

豪ドル/円は金利差と米景気、相場のメインドライバーの移り変わりが大きく影響しそう

今週の振り返り

今週は各国の金融政策会合に向けての思惑と、実際の決定に振り回される週となりました。
①15日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されました。前週末(10日)に発表された米5月消費者物価指数が約40年振りの高水準を記録したことから、「利上げ幅が0.75%になる」との思惑が急速に織り込まれ、週初から米ドル独歩高となりました。FOMCではその市場の予想通り0.75%の利上げとなりましたが、利上げペースに関して市場予想ほどタカ派でないと捉えられて米ドル売りが強まりました。
②16日にはスイス国立銀行(中銀:SNB)が0.50%の利上げを実施しました。市場では9月に利上げの可能性は予想されていたものの、今回の利上げはほとんど織り込まれておらずサプライズとなりました。スイスフラン高を嫌い長年マイナス金利を導入していたスイスの利上げは市場にも大きなインパクトを与え、リスクオフの円買い、ドル買いが強まりました。
③前日のSNBの決定を受けて、「日銀も利上げもしくは金融政策の微調整が行われるのでは?」との思惑がにわかに強まりましたが、結果は金融政策の変更はなく、現状維持となりました。
豪ドル/円は94.49円前後で週初を迎え、SNB後には一時91.97円付近まで下値を拡大しましたが、日銀の決定を受けて94円台半ば(執筆時)まで値を戻す荒い動きとなりました。

注目の経済指標は?NZの貿易収支には季節性が出る

来週は豪州、NZともに経済指標の予定がほとんどありません。21日には7日に開催された豪準備銀行(RBA)理事会の議事要旨が公表されます。市場予想の0.25%を上回る0.50%の利上げを実施した背景を確認することになります。他方でNZでは5月の貿易収支が発表されます。NZの貿易収支は例年3~5月にかけてピークを迎えます。これはNZの主要輸出品目である乳製品が関係しています。牧草の生育時期や生乳時期は年間を通して均一には出来ません。そのため、生産時期も偏りが出てくるのですが、そのピークがだいたいこの時期となります。今年は新型コロナオミクロン株の感染拡大の影響から例年なら貿易収支が黒字に転じる1月を過ぎても貿易赤字のまま。黒字に転じたのは4月でした。季節性を考えると夏以降は貿易赤字に戻る可能性が高いので、5月の貿易収支が赤字となってしまった場合にはNZドルには売り圧力がかかってきそうです。

豪労働市場は素晴らしい伸び

6月3日にオーストラリアの新政権は豪公正労働委員会に最低賃金の引き上げを申請しました。これに対して、同委員会は15日(水)に最低賃金を5.2%引き上げると発表しました。豪1-3月期の消費者物価指数が5.1%でしたので、インフレ上昇率とほぼ同じ率の引き上げ幅となりました。さらに、16日には5月の雇用統計が発表されました。結果は表1をご覧ください。

【表1:豪雇用統計の結果】

雇用者数と労働参加率の大幅増が確認できます。失業率は予想を下回りましたが、これは労働参加者が大幅に増加した結果ですので問題ありません。そして『雇用の質』に関しても正規雇用者数が大幅に増加しています。非常勤雇用者数は減少していますが、減少した分を補って余るほどの正規雇用者数の増加は豪経済の回復にとってポジティブ材料となります。最低賃金の引き上げはもちろんのこと、労働市場の改善も豪の平均賃金の上昇の助けとなります。これにより、RBAは加速するインフレに対して強気の政策を取りやすくなったとみてよいでしょう。RBAでは史上初となる2会合連続の0.5%利上げや、利上げ幅の拡大など市場でもタカ派的な見方が強まっています。豪国内は堅調な回復を続けることとなりそうです。

金利と米経済、メインドライバーを見極める

豪国内経済は堅調な回復となりそうですが、来週は国外要因が豪ドル/円の動きを主導することとなりそうです。まず、主要国中央銀行が利上げサイクルに入った中で、日銀だけが唯一金融緩和を維持。これによって主要国と日本の金利差は開く一方です。金利差だけを見ると円安方向に動くというのが妥当な判断になります。気を付けたいのは、米国の景気減速懸念です。FRBが利上げペースを大幅に早めたことで、米経済の回復に急ブレーキがかかることが予想されます。この場合、リスクオフの米ドル買い戻しと円買いが入ることとなります。特に資源国通貨である豪ドルは、リスクセンチメントに敏感に反応しますので、豪ドル/円は大きく下落する可能性も秘めています。見る側面によって、上昇、下落どちらのリスクもありますので、決め打ちはせずに、「何がメインドライバーなのか」を見極めてトレードを行うと良いでしょう。

テクニカル的には

豪ドル/円の上値は6/8高値の96.88円が最初の目標となりそうです。そこを上抜けてしまうと100円を目指す動きになりそうです。一方で下値は今週サポートして機能した、5/12から6/8に上昇した半値戻しとなる92円付近が目途となりそうです。この水準には週足一目の転換線も位置していますので、かなり意識される水準となりそうです。そこを下抜けた場合は日足の雲上限が目途となりそうです。

【豪ドル/円 日足チャート・一目均衡表、豪ドル/円 週足チャート・一目均衡表】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:
AUD/JPY:92.00-98.00、NZD/JPY:83.00-88.00

6/20 週のイベント:

06/21 (火) 10:30 豪 豪準備銀行(中央銀行)、金融政策会合議事要旨公表
06/22 (水) 07:45 NZ 5月貿易収支
06/24 (金)  NZ 祝日休場 マタリキ(先住民の新年)のため

一言コメント:

週末に都立の大きな公園に行ってきました。夕方辺りから雨が降る予報だったのですが、昼過ぎにゲリラ豪雨…スマホには有料の天気予報アプリを入れており、数年前から同じサービスを利用していますが、ここ2,3年は特に夏の時期は外れることが多いです。大気の状態からコロコロ変わりやすいということでしょうか?あまりわかりませんが…

nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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