シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読
み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼IMMポジション ユーロ/ドル
ユーロネットロング小幅に減少
▼IMMポジション ポンド/ドル
ポンドネットショート2週連続減少
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットショート4週連続減少】
6月7日時点で円のポジションは、ドルに対して9.2万枚の売り越し(ネットショート)。
ロングが小幅に積み増しされたことから、ネットショートは前週から0.3万枚減少。
期間中のドル/円相場は、黒田日銀総裁が改めて金融緩和を続けると発言をしたことや米10年債利回りが大幅に上昇したことなどを受け、133.00円前後まで上値を伸ばした。
約20年ぶりのドル高・円安水準に上昇した事で、円高方向への揺り戻しを警戒する向きも出始めたようだ。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットロング小幅に減少】
6月7日時点でユーロのポジションは、ドルに対して5.1万枚の買い越し(ネットロング)。
ロング、ショートともに小幅に取り崩された結果、ネットロングは前週から0.2万枚減少。
期間中のユーロ/ドル相場はインフレ高進と欧州中銀(ECB)の早期利上げ観測を背景に上昇する場面もあったものの、1.0700ドルを挟んでもみ合う展開となった。
9日の欧州中銀(ECB)理事会を前に、投機筋の動きはポジション調整が主流だったようだ。
ポンド/ドル
IMMポジション ポンド/ドル
ポイント
【ポンドネットショート2週連続減少】
6月7日時点でポンドのポジションは、ドルに対して7.1万枚の売り越し(ネットショート)。
ロングが小幅に積み増されたことから、ネットショートは前週から0.3万枚減少。
期間中のポンド/ドル相場は、1.240ドル台から1.250ドル台でもみ合う方向感のない展開となった。
ジョンソン英首相の信任投票が行われ、可決されたことで、政治的混乱が落ち着くとの見方から、ポンドの先安観がやや後退したようだ。
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IMMポジション
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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