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FX/為替見通し「豪ドル/円、上海のロックダウンによる悪影響が怖い…。週後半はスイス中銀に注目??」週刊為替レポート ハロンズ 豪ドル/円、NZドル/円 2022年06月11日

週刊為替レポートハロンズ 豪ドルNZドル

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次

 

豪ドル/円、上海のロックダウンによる悪影響が怖い…。週後半はスイス中銀に注目??

今週の振り返り

先々週から再び市場のメイントピックとして戻ってきた日銀と他主要国中銀の金融政策の方向性の違いによる、円独歩安が今週も継続。7日に豪準備銀行(RBA)が市場予想の0.25%もしくは0.40%を上回る0.50%の利上げを実施したことも支えとなり、豪ドル/円は8日には一時96.88円付近まで上昇。また、豪に利上げサイクルで先行するNZドル/円は86.81円付近まで上値を拡大しました。その後は、欧米の重要経済指標を控えて短期的な調整が入ったことや、中国・上海の中心部で週末にロックダウンが再導入されることが嫌気されて、円安の動きも一服となりました。

予想以上の利上げ幅、来週の注目は豪雇用統計!

7日に発表されたRBAの政策金利は過去22年間で最大の利上げ幅となる0.50%の利上げとなりました。直近の豪1-3月期GDPの強い結果を受けて、0.40%利上げを予想する市場参加者は一定数いましたが、0.50%利上げは「流石にそこまでは」といった声が多く、予想していた参加者はほとんどいませんでした。その結果、RBAの結果発表直後に豪ドル/円は約80銭上昇するなど、市場の反応を見てもサプライズだったことが伺えます。(その後、豪株式市場の急落を背景に豪ドル/円も発表前の水準まで値を戻しました。)
RBAは声明文で、「将来の利上げのタイミングと規模は、今後のデータとインフレ、労働市場への評価次第」と今後の姿勢を示しています。16日(木)には豪5月雇用統計の発表が控えています。豪雇用統計は3月、4月と悪くはないものの、市場予想に届かない残念な結果となりました。既に労働参加率は66%台と過去最高水準、失業率は3.9%と過去最低(一番良い)という状況で、完全雇用に近い状態となっています。ですので、注目は雇用の質となります。雇用者数の増加に加え、正規雇用者数が増加していれば、7月の追加利上げに向けての第一段階クリアとなり、豪ドルは買いで反応することとなりそうです。判断が難しいのが正規雇用者数が減少して、非常勤雇用者数が増加した場合です。この場合は、総合の雇用者数が増加していれば豪ドルへの負の影響は軽微なものになるのではないでしょうか。

新政権が賃上げ要求!

ご存じの通りオーストラリアでは、先日の総選挙で労働党に政権が交代しました。そして、アルバニージー首相率いる新政権は6月3日に公正労働委員会に最低賃金の引き上げを申請しました。これに対して公正労働委員会は数週間以内に決定を下すこととなっています。引き上げ幅は定かでありませんが最低賃金の引き上げが決まれば、RBAが注視している平均賃金の上昇に寄与することとなり、利上げサイクルの継続と大幅利上げの可能性が一段と高まることとなりそうです。

中国の回復に疑問符?

中国・上海の中心部、閔行区(びんこうく)にて11日から2日間限定のロックダウンが再開されることとなりました。11日に同区の全住民にPCR検査を実施、検査完了後にロックダウンを解除するとの方針を示しています。ただ、ゼロ・コロナ政策を採る中国ですので、1人でも陽性者が出れば同地区のロックダウンは解除されない可能性があります。閔行区以外の地域でもロックダウンほどではないですが、外出制限やPCR検査が実施される地域が多数あります。共産党は6月2日に新型コロナに対する勝利宣言を出してしまいました。そして、3月からの2カ月にも及ぶロックダウンで住民の不満が高まっています。ですので、「いくらゼロ・コロナ政策を採っているとはいえ、大規模なロックダウンは出来ないだろう。」と考えています。仮に陽性者が複数検出され、共産党がメンツよりも実(ゼロ・コロナ政策)を取って再び大規模なロックダウンとなる場合は週明けからリスクオフの円買いが強まる可能性があります。週末は上海発のニュースに気を付けておきましょう。

今週・来週は中銀ウィーク

今週はRBAの他に欧州中央銀行(ECB)の会合があり、ECBは7月からの利上げ開始と近い将来のマイナス金利政策の脱却を示唆しました。来週は15日に米連邦公開市場委員会(FOMC:市場予想は0.50%利上げ)、16日にはスイス中銀(SNB:市場予想は-0.75%で据え置き)と英中銀(BOE:市場予想は0.25%利上げ)、そして17日には日銀金融政策決定会合が控えています。ほとんどの中央銀行が利上げ予想となっている中、周知のように日銀は金融緩和を継続する意向です。注目は16日のSNBとなります。先日、SNBはインフレ抑制のためにマイナス金利政策から脱却する可能性が伝えられました。SNBまでもがマイナス金利から脱却(の意思を示す)してしまうと、主要国でマイナス金利は日銀だけとなってしまいます。そうなれば、再び日本円売りの圧力が強まる可能性がありますので、SNBの会合にも注意をしておきたいところです。

【来週金融政策会合が予定されている中銀と利上げ予想】

テクニカル的には

豪ドル/円の上値は6/8高値の96.88円が最初の目標となりそうです。そこを上抜けてしまうと100円を目指す動きになりそうです。一方で下値は日足一目の転換線がとりあえずの目途となります。その下の水準ではこれまでレジスタンスとして機能していた94円付近がサポートとなりそうです。そこを下抜けた場合は、5/12から6/8に上昇した半値戻しとなる92円付近が目途となりそうです。

【豪ドル/円 日足チャート・一目均衡表、フィボナッチリトレースメント】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:
AUD/JPY:93.50-98.00、NZD/JPY:83.50-88.00

6/13 週のイベント:

06/14 (火) 10:30 豪 1-3月期四半期住宅価格指数
06/14 (火) 10:30 豪 5月NAB企業景況感指数
06/15 (水) 07:45 NZ 1-3月期四半期経常収支
06/15 (水) 09:30 豪 6月ウエストパック消費者信頼感指数
06/15 (水) 11:00 中国 5月小売売上高
06/15 (水) 11:00 中国 5月鉱工業生産
06/16 (木) 07:45 NZ 1-3月期四半期国内総生産(GDP)
06/16 (木) 10:30 豪 5月新規雇用者数
06/16 (木) 10:30 豪 5月失業率

一言コメント:

当コメントでもたまに紹介する私のランチタイムのお散歩。今週は微妙な天気が多かったですが、降らなそうな日に竹芝桟橋まで行ってきました(片道1.3キロ)。そのうち、もう少し遠くまで足を延ばして、帰りは間に合わないので公共交通機関なんてことになるかもしれないです。

nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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