ポンドのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日のポンド トレードシナリオ
ここまでの相場
・5月5日にイングランド中銀(BOE)は政策金利を1.00%に0.25%の利上げ。
金融政策委員会(MPC)メンバーの9人中3人は0.50%の利上げ支持。
成長見通しを2023年がマイナス0.25%、2024年が0.25%になると下方修正(従来はそれぞれ1.25%、1.00%予想)。
・英1-3月期GDP(国内総生産)は前期比+0.8%と予想(+1.0%)を下回る。英3月月次GDPは-0.1%と前月からマイナス成長(5月12日)。
・英3月失業率(ILO方式)は3.7%と前回(3.8%)から改善。賃金上昇率も+4.2%と前回(+4.1%)を上回った(5月17日)。
・北アイルランド議定書に関して、英政府が今後数週間以内に北アイルランド議定書の一部を事実上無効化する法案を提出する方針を示す(5月17日)。北アイルランド議定書の一部を破棄すればEUが報復措置を取る可能性がある。
・英4月消費者物価指数(CPI)は前年比+9.0%(予想+9.1%)と前回の英3月分(+7.0%)からインフレは更に加速。1982年以降、最大のインフレ率となった(5月18日)。
・英4月小売売上高(除自動車)は前月比1.4%(前月は-1.1%)と大幅に改善(5月20日)。
今日のメインシナリオ
ポンド/円は材料難で方向感模索中。素直に株価追随か
5月20日に発表された英4月小売売上高(除自動車燃料)は前月比+1.4%と予想(-1.1%)に反してプラスとなった。ただし、インフレの影響から価格が高騰していることが原因で、消費行動が拡大したわけではないため、ポジティブ材料にはならない。本日は英国にて経済指標の発表は予定されていない。英国の経済減速が懸念される一方で、米国の経済減速も懸念材料として挙がっていることから、方向感が出にくい相場となっている。欧米株価が上昇すればリスクオン(ポンド/円は上昇)、株価が下落すればリスクオフ(ポンド/円は下落)、と株価の動向に素直に反応しそうだ。
他方で、ベイリーBOE総裁の発言が予定されている。6月16日のBOE 金融政策委員会(MPC)が控えていることもあるので、発言内容には念のため警戒しておきたい。
個別の想定シナリオ
■本日は経済指標の発表など予定なし
⇒欧米の株価動向に左右される
⇒株価上昇ならポンド買い
⇒株価下落ならポンド売り
チャート分析
注目材料
23:15 ベイリーBOE総裁発言
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」ではポンド/円は雨、ポンド/米ドルは晴れとなっている。ポンド/円の移動平均で7時に買いサインが点灯。
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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