豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
・豪2021年第4四半期 消費者物価指数(CPI)は前年比+2.6%(トリム平均)と豪中銀(RBA)の目標レンジ(2~3%)の中央値を突破。
・RBAがCPIのほかに注視するのが賃金指数。この賃金の伸びが前年比3%を超えるのをRBAは目安にしている。2021年第4四半期前年比+2.3%(最新)。
・4月5日のRBA理事会で政策金利は0.10%で据え置いたが、声明文からインフレの高騰に対して「忍耐強く対応する」の文言が削除された。
・3月分の豪雇用者数は1.79万人増と堅調ながらも予想の3.0万人増を下回る。
・中国、一部都市ロックダウンにより景気回復に遅れの可能性浮上。上海市のロックダウンは全面解除まで少なくとも数週間はかかる見通し(4月11日時点)。
隔離区域以外は20日までに新規感染者ゼロを目標(4月17日)。
・WTI原油価格は前々日にOPECがEUからの増産依頼を拒否したことで逼迫懸念が継続。1バレル=107ドル台まで続伸(4月14日)。
・豪10年債利回り、2015年7月以来の3%台乗せ(4月11日~13日)。
今日のメインシナリオ
豪ドル/円は、円安が下値を支えるものの、米ドル高が上値を抑える
先週末の金曜日は欧米勢がグッドフライデー(イースター前の金曜日)で祝日休場。欧米の商品市場相場なども休場で原油などのコモディティ価格に変動はなかった。また、米国と日本の金利差拡大による米ドル高・円安の影響もあり、豪ドル/円は底堅い動きを続けている。本日は中国の1-3月期GDPや3月小売売上高が発表される。3月半ばから新型コロナの感染拡大により予想では中国経済の減速を示している。中国人民銀行は4月15日に市中銀行の預金準備率の0.25%引き下げを発表した(一部では0.50%の引き下げが予想されていた)。中国当局が金融緩和によって経済を下支えする方針は明確。中国の景気下支え期待は交易関係の強い豪ドルにとってはプラス材料となる。
また、ウクライナ情勢の長期化懸念によりコモディティ価格は底堅く推移することが予想され、日米の金利差拡大への思惑から米ドル/円の下値も堅そう。これらの影響を受けて本日も豪ドル/円は底堅い動きとなりそうだ。
懸念点は3月28日以降、豪ドル/円はジリジリと上値を切り下げていること。米国の利上げペース加速期待により、豪ドルよりも米ドルが強い状況となり、豪ドル/米ドルがじりじりと下落しているためだ。これに関しては、5月3-4日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で実際の利上げを確認して、材料出尽くしとなるまでは続きそうだ。そういった観点から見ると、豪ドル/円の上値は限定的。
個別の想定シナリオ
■中国人民銀行による預金準備率引き下げ
⇒市中に資金を供給することで、中国経済の下支えに期待
⇒豪は中国と交易関係が強い
⇒豪ドル/円は底堅い
チャート分析
今後の注目材料
コモディティ価格動向
中国の経済指標
米国の利上げ期待による、米長期金利動向
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は曇り空に雨がぱらつき、豪ドル/米ドルは快晴となっている。豪ドル/米ドルのストキャスティクスで、8時に買いシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
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- ※ 「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」とは、選択した通貨ペア・足種に対して、複数のテクニカル分析を行った結果をパネル形式で一覧表示することにより、直感的に相場状況を把握することができるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(パソコン版)/(スマホ版)では「取引分析」 を選択することで、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況をチャート上に表示が可能です(「外為注文情報」)。
- ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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