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FX「FRBは利上げ機運高まる。サマーズ氏はリセッション不可避と」

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総括

FX「FRBは利上げ機運高まる。サマーズ氏はリセッション不可避と」

ドル円=122-127、ユーロ円=133-138 、ユーロドル=1.06-1.11                               

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨11位(11位)、株価8位(7位)、新年度入りで需給・出来高が変わり落ち着きを見せる」
 年初来では円より弱いのはトルコリラだけだ。ウクライナ紛争以降では円が最弱。株価も弱い。円安に不満の声も聞こえるが、過去の円高の時も同じくらいの不満が出ていた。日銀は不満の声よりも実際の消費者物価動向で政策を進めていくだろう。4月以降の物価は2%以上になる見方が多い。携帯電話料金の押し下げが一巡するからだ。2%を超えれば日銀の姿勢も少し変化しよう。ただ円買い介入は、もともとG20では介入は原則やらないこととなっているし、貿易赤字国が円買い介入をするのは理にかなわないので実施はないだろう。
 3月中旬までの貿易統計は483億円の赤字とまだ赤字だが大幅赤字から落ち着いてきた。2月経常収支も予想通り、貿易赤字の減少と所得黒字の増加で1月の1兆1964億円の赤字から1兆6483億円の黒字へ転換した。まだ資源高やワクチン輸入で貿易赤字は続くが落ちついてきた。中国の市場参加で日本の輸出が伸びないのが悩みだ。
 ドル円、クロス円ともに3月28日に付けた高値が抜けるかどうかがカギだろう。ただ3月の期末の特殊ドル買いは新年度はない。それは出来高を見てもよくわかる。3月後半はブローカー経由銀行間取引が1日で100億ドルを超える日もあったが、4月になっては元の40億ドル程度に戻っているからだ。相場は落ち着いてきている。今週は昨年の円安要因であり残高が10兆円以上増加した13日発表の3月外貨投信概況をチェックしたい


*米ドル「通貨6位(7位)、株価(NYダウ)9位(9位)、FRBは利上げ機運高まる。サマーズ氏はリセッション不可避と」
 4月に入っては米ドル全面高となっているが、年初来では6位と強いわけでもない。米利上げ機運が高まり、フェッドウオッチでは0.5%の利上げ確率が80%を超えてきている。ドルで取引される資源商品と金利上昇でのドル買いは続いている。一方、株価を見ると強さは見られない。年初来では NYダウが4.45%安、S&Pが5.83%安、ナスダックが12.36%安だ。
 いち早く、利上げへ警鐘を鳴らしていたサマーズ氏が「リセッション不可避」と発言した。「景気の過熱と政策対応の遅れ、それに供給ショックが重なったのは、非常に厳しい組み合わせだと考える。今後2年ほどでリセッションに陥る可能性は、そうでない可能性よりも間違いなく高い。これがコンセンサスになるのではないかと考えている」と述べた。また、ゴールドマンサックスは「米国のインフレは今がピークに達しつつあると考えている」と述べ、「2023年にリセッションに陥る確率は高まったとみている」と続けた。
 一方、FRBでもっともハト派と見られていたブレイナード理事は、系統的な利上げとバランスシートの急速な縮小により、金融政策は年後半に「より中立的な位置」に達し、その後必要に応じてさらなる引き締めを行うとの見通しを示した。「インフレが高すぎること、そしてインフレを抑えることが最も重要であることは、われわれ全員が絶対的に同意できることだ。早ければ来月にも約9兆ドルのバランスシートの縮小に着手し、前回の縮小時よりも「かなり」早いペースで縮小を進めると述べた。単純に金融引き締めを続けると株下落など大幅波乱も起きそうだ。ドルへの影響も大きい。


*ユーロ「通貨10位(9位)、株価13位(14位)DAX)、まだ利上げには時間がかかりそうだ。仏伊での政治混乱も注視」
 通貨ユーロも株価も弱い(円よりは強いが)中で利上げ観測も高まってくる苦しい展開。ロシアへの厳しい経済制裁も跳ね返ってくる。ドル円や他のクロス円同様に3月28日につけた高値137.527を上抜けない。長期金利水準は年初来最高に達している。3月10日のECB理事会議事要旨では、景気刺激策の解除に前向きな姿勢が示されたほか、利上げの条件が満たされたか、もしくは近く満たされるとの見方から、一部当局者が一段と踏み込んだ行動を促していたことがことが分かった。ただ、ウクライナ戦争で不確実性が高まる中、幅広い選択肢を用意しておく必要があり、かなり先の政策についてコミットするべきでないとの考えも示され、結局は慎重姿勢が優勢になった。
 市場ではゴールドマン・サックスとダンスケバンクは9月と12月にそれぞれ0.25%の利上げが実施されると予想している。ウクライナ戦争を受けた需要の減退が予想ほど大きくなく、インフレの二次的影響が明確に見られれば、ECBは7月にも利上げに踏み切る可能性があるとの見方を示している。取り敢えず今週のECB理事会では政策金利は据え置きだ。
 さて、フランスのマクロン大統領は、今月の大統領選で極右候補マリーヌ・ルペン氏が当選すれば、海外投資家がルペン氏の社会政策を嫌気して逃げ出すだろうとの認識を示した。
世論調査ではルペン氏の支持率が急上昇しており、決選投票でマクロン大統領と対決するとみられている。またイタリアでもコロナ対策や物価高への不満でドラギ政権へのデモが発生している。政治的にも落ち着かない欧州となってくる。


*ポンド「通貨9位(10位)、株価3位(5位)、3月28日の高値を上抜けず。利上げ観測の強い英中銀だが、カンリフ副総裁は反対」
 ポンドはウクライナ危機の影響を受けて年初来では12通貨中9位と弱いが円よりは強い。ただ株価は資源国の一面も見せ年初来プラス圏(+3.86%)と強い。ロシアへの経済制裁の悪影響も受けながら苦しい経済運営となっている。今週発表の3月消費者物価は7%へ近づきそうだ。英中銀のヒュー・ピル・チーフエコノミストは、今後の債券市場混乱に対処するには量的緩和は誤った手段である可能性があるとの見解を示した。新型コロナウイルスのパンデミック以降、英中銀は債券市場の変動抑制のため多額の債券購入を実施してきた。これまではマクロ経済や金融状況への配慮と、市場機能の支援や金融安定化に向けた措置が相反することはなかったが、それは単にわれわれが幸運だったに過ぎないだろう。インフレ率が大幅に上昇し、一段の上昇が予想される現在の環境下では、そうした措置が当然とは言えない、とした。
 一方、英中銀カンリフ副総裁は、インフレが高止まりするとの見通しが定着しつつあることを示す兆候はほとんどないため、英中銀がこれを阻止するために持続的に対応する必要はないとの見方を示した。
英中銀は3月、金融政策委員9人のうち8人の賛成多数でインフレ抑制に向け政策金利を0.5%から0.75に引き上げたがカンリフ副総裁のみが利上げに反対していた。
 企業や労働者が高インフレの持続を想定し、それに応じて価格や賃金を引き上げようとするリスクはあるものの、企業と労働者は半世紀前と同じような価格決定力を持っていないと強調したほか、1970年代に見られた賃金と物価のスパイラル的な上昇は長期にわたるインフレ高進のあとに発生したとの見解を示した。英中銀はインフレと成長に対する上向きと下向きの双方のリスクを検証し、政策ツールを「慎重、かつ柔軟に」利用していく必要があると言及。たとえ高水準でもエネルギー価格が安定した場合すれば、金融政策が過度な引き締めになる可能性が高いと警告し、「最終的に金融政策が経済を圧迫することがリスクだ」とした。


*豪ドル「通貨2位(3位)、株価7位(6位)、好材料続くも94円台は維持できず」
 94円に乗せきれず、2週連続で長い上ヒゲを残した。ただ週足は10週連続で陽線。ウクライナ紛争以来では最強通貨、年初来では2位。豪ドル円上昇の大半は円相場の下落によるものだ。世界的な高インフレの
要因(サプライチェーン問題、資源高)のうち資源高が豪ドルを支えている。
 豪産業省は、資源とエネルギーの四半期見通しを発表し、2022年6月までの21-22財政年度の鉱業とエネルギーの輸出収益が前年比33%増の4250億豪ドルと、前年に続き記録を更新するとの予測を示した。
石炭、天然ガス、リチウム、ニッケル、銅などの価格がかつてない騰勢を見せている。鉄鉱石価格は下落している。
 さらにRBは、政策金利を過去最低の0.1%に据え置いたが、金融引き締めに「忍耐強く」取り組むとしていた文言を削除し、2010年以来となる利上げに向けて一歩踏み出した。市場は文言の変更を最終的な引き締めに向けた一歩と捉え、早ければ6月の利上げや、8月か9月と予想する見方が出ている。焦点は5月19日発表の1Q賃金指数となる。尚、総選挙は5月半ばになる見込み。豪は政権が交代しても経済政策は大きく変わらない。


*NZドル「通貨5位(4位)、株価11位(11位)、利上げ幅は0.25%か0.5%か」
 ウクライナ危機以降の高インフレの要因である鉱産物資源と農産物資源の価格上昇のうち、農産物価格の上昇がNZドルを支えている。ただNZドル円の上昇の大部分は円安要因だ。対ドルでは大きな変動はない。今週NZ中銀が利上げを行うようだ。引き上げ幅は0.25%が多いが0.5%引き上げ予想もある。既にインフレ率が5.9%と30年ぶりの伸びとなり、中銀目標1-3%のほぼ2倍になっている。住宅価格の高騰に加え、ウクライナ危機の影響で食品やコモディティー価格がさらに押し上げられるとの懸念も強まっている。
 積極的な利上げは短期的な経済のハードランディングのリスクを高めるが、利上げがゆっくりすぎると、もっと将来のさらなるきついハードランディングの可能性が出てくる懸念がある。中銀は数十年ぶりの高インフレ抑制と、経済成長を止めないこととの間で綱渡りを迫られている。
 3月のインフレ率予想は今年が平均6.2%、来年が2.8%となった。1月調査ではそれぞれ3.3%、2.1%だった。経済成長率予想は今年が3.1%、来年が2.7%になった。

テクニカル分析

 *ドル円「3日連続陰線後、6日連続陽線で切り返し中」
日足、3月28日の高値へ向けて6日連続陽線。3月28日-4月8日の下降ラインが上値抵抗。4月7日-8日の上昇ラインがサポート。5日線、20日線上向き。
週足、5週連続陽線。3月28日週は短い陽線だが長い上ヒゲを残したが先週は上昇。ボリバン2σと3σ上限の間に位置する。3月28日週-4月4日週の上昇ラインがサポート。3月28日週-4月4日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、ボリバン3σ上限を越える上昇。5か月線から反発。1月-3月の上昇ラインがサポート。1月-2月の下降ラインを上抜く。3月は上ヒゲが長くなったが4月はその上ヒゲへ向かって上昇。雲の上。
年足、2021年は6年ぶり陽線。今年もここまで陽線。15年-20年の下降ラインを上抜く。20年-21年の上昇ラインがサポート。15年-21年の下降ラインを上抜く。


 *ユーロドル「ボリバン2σ上限から反落」
日足、ボリバン2σ上限から2σ下限まで下落。4月7日-8日の下降ラインが上値抵抗。3月7日-4月81日の上昇ラインがサポート。5日線下向き、20日線上向き。
週足、ボリバン3σ下限から反発もボリバン中位以上は維持できず下落。3月28日週-4月4日週の下降ラインが上値抵抗。3月7日週-4月4日週の上昇ラインがサポート。5週線、20週線下向き。
月足、1月、2月は雲の上に出きれず、3月急落。ボリバン3σ下限で下げ止まり反発も4月は再び2σ下限へ。2月-3月の下降ラインが上値抵抗。
年足、20年‐21年の上昇ラインを下抜く。17年-20年の上昇ラインがサポート。14年‐21年の下降ラインが上値抵抗。


 *ユーロ円「ボリバン2σ上限から反落」
日足、3月28日の年初来高値の137.527からは反落も、134円前半で下げ止まる。4月5日-8日の上昇ラインがサポート。3月31日-4月8日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き、20日線上向き。
週足、ボリバン3σ下限から反発、一時3σ上限上抜く。雲の上に出る。3月28日週は上ヒゲが長い。3月21日週-4月4日週の上昇ラインがサポート。3月28日週-4月4日週の下降ラインが上値抵抗。
5週線上向き、20週線も上向く。
月足、1月、2月は陰線。2月の長い上ヒゲで3月急落も下ヒゲで急回復。ボリバン上限へ。20年5月-22年3月の上昇ラインがサポート。21年10月-22年2月の下降ラインを上抜く。
年足、2年連続陽線。今年も3月に陽転。14年-21年の下降ラインを上抜く。12年-20年の上昇ラインがサポート。


情報提供元:FX湘南投資グループ
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