FX見通し「豪ドルを支える資源価格。対円以外では弱含む？」週刊為替レポート　ハロンズ　豪ドル/円、NZドル/円　2022年02月05日

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豪ドルを支える資源価格。対円以外では弱含む？

今週の振り返り

前週に米金融引き締め警戒感から買われた米ドルの調整売りが優勢に。豪ドルは1日のRBA理事会直後に売られる場面も見られましたが、週を通して日本円、米ドルが弱かったことで週初の80.50円付近から82.30円付近まで下値を切り上げる動きとなりました。（執筆時）他方でNZは2日発表の2021年第4四半期雇用統計で、失業率が3.2%へ低下（前期は3.3%）。NZ労働市場の堅調さを示しました。NZドル円は75.35円付近で週初を迎え、一時76.75円付近まで上値を伸ばしました。

市場の期待を冷ますRBA

RBAは1日の理事会で①週40億豪ドルの債券購入プログラムを2月で終了、②政策金利を0.1%で据え置き、と決定しました。これらについては市場の事前予想通りでした。ただ、市場では7月頃からの利上げ開始を予想する参加者が多かったもののRBAは利上げ時期に関しては明言せず、「辛抱強く対応する」と12月の声明を繰り返しました。これにより豪ドル円は一時80.90円付近まで下落ましたが、それでもRBAの予想以上のスピードで加速するインフレ率や堅調に回復する労働市場を背景に市場では年内（夏あたり）の利上げ開始予想が根強く残ったため、豪ドルは大崩れとはなりませんでした。ただ、米国は3月利上げを示唆、英国は3日に利上げ（しかも9人中4人は0.5％の利上げを支持）、欧州も年内利上げを否定せず、日本以外の主要国は軒並みタカ派に傾斜しています。RBAは量的緩和政策を中止したものの利上げ見通しが立っていないので、対円以外の通貨では売られやすくなりそうです。

高騰するエネルギー価格

アラブ首長国連邦（UAE）やサウジアラビアへのイエメン親イラン派組織の脅威やウクライナ情勢への懸念などの懸念点は先週と変わりませんが、特にウクライナ情勢への警戒感の強まりから原油価格は2014年10月以来の1バレル=90ドル台まで上昇してきています。2日に開催されたOPECプラスの会合では3月も日量40万バレルの増産が決定されましたが、リビアでは治安情勢悪化で予定量を大幅に下回る生産しかできておらず、OPECプラス全体で見ても1月は日量40万バレルの予定増産量のところ日量約21万バレルしか増産出来ていません。天然ガス価格もウクライナ情勢懸念で欧州での価格が高騰していますし、石炭も最大輸出国であるインドネシアの政策変更により豪産の石炭価格が上昇しています。エネルギー価格の高騰はほかの資源価格の上昇にもつながりますので、我々消費者にはたまったものではありませんが、今後も資源国通貨である豪ドルを支える要因となりそうです。

テクニカル的には…

1/13以来、上値抵抗線として機能していた一目転換線の上抜けに成功したので、当面は同線がサポートとして意識されそうです。また週足で見ると81.50円付近が雲の上限となりますので、この水準も意識されそうです。他方で上値は現時点（2/4）では日足一目雲上限と200日移動平均線が82.50円付近に位置しているため、同水準が意識されそうです。

【豪ドル/円　日足チャート　一目均衡表と200MA】

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出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ：
AUD/JPY：80.50-84.00、NZD/JPY：75.00-78.00

2/7 週のイベント:

02/07 (月) NZ 休場
02/07 (月) 10:45 中国 1月Caixinサービス部門購買担当者景気指数（PMI）
02/08 (火) 09:30 豪 1月NAB企業景況感指数
02/09 (水) 08:30 豪 2月ウエストパック消費者信頼感指数

執筆：中村　勉
Twitter:@gaitamesk_naka

一言コメント：

東京新型コロナ第6波のピークは来週前半と言った内容の記事を見ました。今回は大人だけでなく、サッカーの教え子の通う保育園や小学校の学級閉鎖など、今までで一番間近に感じ、いつ感染してもおかしくない。「自分が感染しなかったのは運が良かっただけ」程度の感覚でした。もうすぐ2年ですか…

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