2021年のトルコリラ/円相場は、13.7円台で寄り付いた後、2月半ばには年初来高値となる15.2円台へと上昇したが、①3月にはエルドアン大統領が当時のアーバル・トルコ中銀総裁を解任した事で一時12.6円台へと急落した。その後も上値の重い展開が続き、②6月にはエルドアン大統領が「7-8月には利下げが必要」と発言したことから12.2円台へと続落。その後はいったん下げ渋ったものの、③9月にカブジュオール・トルコ中銀総裁が就任後初の利下げを敢行すると、あらためてリラに下落圧力がかかった。④中銀が10月会合でも政策金利を200bp(2.00%)引き下げると12円台を割り込んで続落。
中銀は11月会合でも100bpの追加利下げを行い、声明で年内での利下げ打ち止めの可能性に言及した。しかし、⑤エルドアン大統領が「投資、生産、雇用のために低金利が必要」と発言すると追加利下げへの思惑が高まった。これを受けて10円台を明確に割り込むと11月末には8円台割れへと続落。12月に入っても下落は止まらず、中旬には⑥中銀による100bpの追加利下げを受けて7円台を割り込んだ。さらに、⑦中銀のリラ買い介入にもかかわらず6.09円前後まで下値を切り下げて過去最安値を更新。ところがこの日、⑧エルドアン大統領が、リラ建て預金に対し通貨安による目減り分を補償する異例の措置を発表すると、一時9.1円台へと急反発した。⑨中銀の覆面介入もあったと見られ、クリスマス休暇を前に一時11.10円台まで買戻しが進んだ。12月27日15時点では10.00円付近で推移している。
2月高値から12月安値への下落率は54%に達したが、12月後半の数日間で一時は年間の下げ幅の7割近くを埋める反発を見せた。エルドアン大統領のリラ預金保護策にこれほどの効果があるとは想定外であったが、中銀の覆面介入との合わせ技で、年末を控えた投機筋のショートカバーを巻き込んだ結果、反発力が増幅されたのだろう。改めて2022年年明けの動きに注目したい。なお、年明け1月3日にはトルコ12月消費者物価指数(CPI)が発表される。奇しくもこれが、為替市場における2022年最初の注目イベントになりそうだ。
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