読む前にチェック!最新FX為替情報

読む前にチェック!
最新FX為替情報
CFD銘柄を追加!

スプレッド
始値比
  • H
  • L
FX/為替レート一覧 FX/為替チャート一覧 株価指数/商品CFDレート一覧 株価指数/商品CFDチャート一覧

FX見通し「国内は回復基調なのに、豪ドルもNZドルも下落基調!?」週刊為替レポート ハロンズ 豪ドル/円、NZドル/円 2021年11月27日

f:id:gaitamesk:20211129112200p:plain

▼今週の振り返り
▼強い貿易黒字が豪ドルを支える?
▼危険なサブシナリオ
▼OPECプラスがゲームチェンジャー?
▼NZの見通しは?
▼テクニカル的には…
▼11/29 週のイベント
▼一言コメント

国内は回復基調なのに、豪ドルもNZドルも下落基調!?

今週の振り返り-米ドル独歩高で豪・NZはともに…

今週は米国の次期FRB議長にパウエル現FRB議長が再任されることとなり、市場では米国の金融政策の継続期待から米ドルの独歩高に。24日にはNZ準備銀行(RBNZ)がオフィシャル・キャッシュレート(OCR:政策金利)を発表。市場予想通り政策金利を0.75%への0.25%の利上げを実施しました。ただ、一部では0.5%の利上げ予想もあり発表後にはNZドル売り圧力がかかり、NZドル円は79.26円付近まで、豪ドルもNZドルに連れる形で82.75円付近まで下落しました。もっとも、RBNZは声明で「インフレと雇用の中期的な見通しを考慮すると刺激策の更なる縮小を予想」と金融政策の引き締めを継続することを示したため、特に対円では下げ幅も限定的となりました。26日に発表された豪10月小売り売上高はロックダウン明けのニューサウスウェールズ州での反発が大きく影響し前月比+4.9%(予想:2.5%)と大幅に回復しました。ただ、南アフリカで発見された新型コロナの新たな変異種への警戒感から株価が大幅に下落。リスク回避の円買いとなり、豪ドル円は82.03円、NZドル円も78.38円(執筆時)まで値を下げました。

強い貿易黒字が豪ドルを支える?

豪では1日に7-9月期GDPが、2日には10月貿易収支が発表されます。四半期GDPは前期(4-6月期)に前年同期比+9.6%というとてつもない伸びを見せましたが、7-9月期はロックダウンの影響もあり同+3.0%と大幅に減少する見込みです。ただ、これについては豪準備銀行(RBA)が今月5日に発表した四半期ごとの金融政策報告でも予想しているものなので、予想を大幅に下回る結果でない限り影響は限定的になると思います。貿易収支は8月に過去最高となる147.39億豪ドルの黒字となり市場を驚かせたあとの9月は122.43億豪ドルの黒字と市場予想を下回ったものの、かなり強い結果となりました。今回発表される10月分は、前月まで下落の一途を辿っていた鉄鉱石価格が若干ながら反発、石炭をはじめとしたエネルギー価格は前月に引き続き上昇した月でもあります。そのため、貿易黒字額も8月に続く(もしくは上回る)ほどの強い結果となることを予想しています。ただ、米国の金利先高観、テーパリング加速期待は強く、対ドルでは売られやすい。ドル円も115円台半ばで上値を抑えられるとなると、豪ドルが上昇するにはもう少し時間がかかりそうです。

危険なサブシナリオ

このところ中国経済の減速懸念がささやかれています。30日に発表される中国製造業PMIは9、10月と2ヶ月連続で50.0を下回っています。中国恒大集団問題を始め不動産セクターでの減速や国内での電力不足による工場の操業停止(徐々に再開しているものの正常には程遠い)、原材料費の高騰など、今回も製造業は厳しい結果となりそうです。
また、ユーロ圏ではロックダウンを導入する国が出てくるなど経済減速懸念が強まっています。世界的な経済減速⇒株価下落⇒豪ドル下落加速、というシナリオもあり得ます。普段以上に日々状況をチェックしながらのトレードを心掛けたいところです。

OPECプラスがゲームチェンジャー?

今週に入り高騰する原油価格に対応するために、米国が日本や中国、インドなどと協調して石油の戦略的備蓄の放出に踏み切ることを表明しました。これで「原油価格の高騰が抑えられる」との見方がある一方で、OEPCをはじめとした産油国が快く思っていない様子です。来週は2日(木)にOPECプラスの会合が予定されており、ここで今後の減産幅縮小の方針を決める予定となっていました。ただ、今回の戦略的備蓄の放出を経て、OPECプラスが減産幅縮小を見送るということとなると、原油価格が跳ね上がる可能性もあります。原油価格の上昇は資源国通貨である豪ドルにはプラス材料となる一方で、この影響から世界経済の減速懸念が強くなると株価の下落や、リスク回避の円買いが強まり豪ドルには売り圧力がかかってくるでしょう。今後振り返った時に、「あのOPECプラス会合がゲームチェンジャーだった」となる可能性もありますので要注意のイベントとなります。

NZの見通しは?

24日のRBNZ会合では市場予想通りに利上げは行われたものの、一部で期待されていた利上げ幅の拡大(0.25%→0.50%)は見送られました。また将来の利上げ予測も加速させたのですが、市場では「ハト派的利上げ」ととらえられてNZドルは全般的に売られました。そのほか、米国の早期利上げ観測とテーパリング加速期待の高まりによる米ドルの独歩高も影響して、NZドル米ドルは約3ヶ月ぶりとなる0.68ドル台前半まで下落しました。ただ、NZドルはG10通貨の中でも数少ない利上げサイクルに入っている通貨です。下図にもある通り、RBNZは今後も利上げサイクルを継続するとともに8月時と比べても利上げ速度の予測も加速させています。そのため、今後も対ドルでは米金融政策への期待度の増加減の影響があるものの、NZドル自体は底堅い動きとなることを予想しています。もっとも、ドル円が115.50円でキャップされ、NZドル米ドルでは米ドルが強いとなると、必然的にNZドル円は下落となりますが…

f:id:gaitamesk:20211126095015p:plain
[RBNZデータをもとに外為どっとコム総研作成]

テクニカル的には…

下落トレンドは継続中です。下値目途は82.00円。この水準には8/20安値と10/21高値を結んだフィボナッチの半値戻し、9/3高値、日足雲下限、月足の転換線などのサポートが多数あります。82.00円を下抜けると日足では三役逆転となり強い売りシグナルが点灯します。上値は日足転換線が当面の目途となりそうです。

【豪ドル/円 日足チャート 一目均衡表とフィボナッチリトレースメント、200MA】

f:id:gaitamesk:20211126100750p:plain

 

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:
AUD/JPY:80.00-84.00、NZD/JPY:77.00-80.50

11/29 週のイベント:

11/30 (火) 09:30 豪 7-9月期経常収支
11/30 (火) 09:30 豪 10月住宅建設許可件数 (前月比)
11/30 (火) 10:00 中国 11月製造業購買担当者景気指数(PMI)
12/01 (水) 06:45 NZ 10月住宅建設許可件数(前月比)
12/01 (水) 09:30 豪 7-9月期四半期国内総生産(GDP)(前期比)
12/01 (水) 09:30 豪 7-9月期四半期国内総生産(GDP)(前年同期比)
12/01 (水) 10:45 中国 11月Caixin製造業購買担当者景気指数(PMI)
12/02 (木) 09:30 豪 10月貿易収支
12/03 (金) 10:45 中国 11月Caixinサービス部門購買担当者景気指数(PMI)


(執筆:中村 勉)

一言コメント:

週末にショッピングモールへ行ってきました。初めて行った場所なのですが、コロナ明け、ブラックフライデーのセール、天気も良好と条件が揃い激込み…余りの人の多さに見たい物の半分も見ずに退散してきました。ちなみに妻に昼食を頼んだところ、偶然にも先週の当稿で触れた「パ〇ダエ〇スプレス」を買ってきました(公開前で話してもいない)。

●免責事項
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。