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FX見通し「ユーロ円、鉄壁と思われる127.90円割れもありそう」週刊為替レポート ハロンズ ユーロ/ドル 2021年11月27日

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▼22日週のユーロは下落
▼問題が山積み、見通しづらい
▼上値抑制の状態が継続
▼ユーロ/円は127.90円付近巡る攻防
▼11/29 週のイベント
▼一言コメント

ユーロ/円、鉄壁と思われる127.90円割れもありそう

22日週のユーロは下落

ユーロ/ドルは昨年7月以来となる1.1186ドルまでレンジ下限を拡大。オーストリアでのロックダウン(都市封鎖)のほか、隣国ドイツでの都市封鎖観測、中東欧諸国での感染者数増を受け、コロナへの警戒心がユーロの上値を抑制した格好です。ユーロ/円は、115円台を回復したドル/円を支えに128.56円近辺では下げ渋り129.60円近辺へ持ち直す局面は見られましたが、南アフリカでのコロナ変異株の話題で128.58円付近(執筆時点)まで失速しました。

問題が山積み、先は見通しづらい

ユーロ圏の2021年7-9月期実質GDP成長率(改定)は前期比+2.2%(年率換算+9.3%)と2四半期連続でプラス成長となり、ワクチン接種の効果はかなりのものであったことは疑いようがありません。しかしながら、現在はワクチン普及の効能が薄らぎつつあるとの不安がこうしたマインドを後退させています。成長をどの程度圧迫するかは分かりませんが、少なくとも中東欧を中心としたコロナ再拡大が復興スピードを抑制することは間違いありません。

加えて、供給サイドのボトルネック長期化懸念は燻ったままで、エネルギー価格の高騰が企業や家計の景況感・行動に影響を及ぼす様子も垣間見られ、これまでの復興スピードを持続するのは徐々にきつくなっていきそうです。年末にかけて景気減速とインフレ率上昇が共存するスタグフレーションに陥るとみられ、経済は不安定な状態が継続しそうです。

上値抑制の状態が継続

このような環境下では、ECBも物価安定だけを唱えて政策決定を下すのは困難です。ECB理事会議事要旨も「金融政策は忍耐強くあるべき」との見解を示しており、金利正常化への腰は重いままです。恐らく12月16日のECB理事会では、来年3月までとしているパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の後継案を巡る議論が活発化するとみられます。当然ながらこの議論は緩和的政策の継続性を想起させることになり、米国や英国に対して金利正常化の勢いが限られるユーロ圏にとって、その差はさらに広がるものと考えます。

これらを踏まえれば、ユーロは主要通貨のなかで弱い部類の通貨となりやすく、ユーロの本格的な反発は遅れそうです。また、ドイツ国内が中道左派の社会民主党(SPD)と自由民主党(FDP)、緑の党が連立合意し政治の混乱は回避されたものの、2023年以降は厳格な債務制限を復活させたい思いが政権側にくすぶるなかで、欧州経済への不安は残ります。ユーロは上値の重い推移が続きそうです。

ユーロ円は127.90円付近巡る攻防

これまで上昇傾向だった中長期のトレンドラインである200日線も、130.58円レベルで水平飛行へ遷移。50日線までもが同ラインとデッドクロスの状態で、トレンド悪化は否めません。127.90円付近はこれまで3回ほど跳ね返された地点で、相応の支持帯とみられますが、現状のトレンドを踏まえると次回は『そろそろ・・・』との思いも込み上げてきます。ユーロ/ドルの昨年6月安値1.1168ドル付近が軽い支持線となっているため、超短期的には自律反発も期待されますが、それでも下向きトレンドを変えるほどではないでしょう。ユーロ/円は130.40円アラウンドの21日線付近では戻り売りが被さってきそうです。

【ユーロ/円 日足 一目均衡表】

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出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:
EUR/JPY:127.00-129.80、EUR/USD:1.1050-1.1350

11/29 週のイベント:

11月29日(月)19:00ユーロ圏11月経済信頼感
11月29日(月)19:00ユーロ圏11月消費者信頼感(確定値)
11月29日(月)22:00ドイツ11月消費者物価指数(CPI、速報値)
11月30日(火)16:45フランス10月消費支出
11月30日(火)16:45フランス11月消費者物価指数(CPI、速報値)
11月30日(火)16:45フランス7-9月期国内総生産(GDP、改定値)
11月30日(火)17:55ドイツ11月失業率
11月30日(火)19:00ユーロ圏11月消費者物価指数(HICP、速報値)
11月30日(火)19:00ユーロ圏11月消費者物価指数(HICPコア指数、速報値)
12月01日(水)17:55ドイツ11月製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)
12月01日(水)18:00ユーロ圏11月製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)
12月02日(木)19:00ユーロ圏10月卸売物価指数(PPI)
12月02日(木) 19:00ユーロ圏10月失業率
12月03日(金) 17:50フランス11月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値)
12月03日(金) 18:00ユーロ圏11月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値)
12月03日(金) 19:00ユーロ圏10月小売売上高

(執筆:小野 直人)

一言コメント:

Our World in Dataによれば欧州各国のワクチン接種完了の比率はロックダウンしたオーストリアは65%、ドイツは68%、フランス69%、英国は68%と西ヨーロッパは70%近となっており、それなりにワクチン接種が進展していることが分かります。しかし、東欧諸国に目を移すとスロバキアが43%、クロアチアが47%、ポーランドが54%とこちらは対照的で大きく遅れが生じており、欧州での感染拡大への懸念は払しょくされづらい状況です。本格的な流行時期を控えて接種スピードが上がることを願うばかりです。ちなみに日本は77%と、これらの国々よりもワクチン接種が進んでいます。かたや先行していたはずの米国はなんと58%にとどまっており、これはこれで不安が募ります。

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