今週、中国の大手不動産会社、中国恒大集団が経営危機に直面しているというニュースで、市場は一時リスクオフモードに入り、FX市場でもドル円は一時109円直前の水準にまで円高が進みましたが、時間の経過と共に、市場も冷静さを取り戻し、現在はまた元の水準に向かってゆっくりと動いています。
アメリカの景気動向ですが、9月のNY連銀製造業景気指数が35.3と市場予想の18を大きく上回りました。また、米小売売上高の前月比も0.7%のプラス、9月の米フィラデルフィア連銀製造業景気指数も30.7といずれも好調な結果となっ ています。
私は、いずれアメリカの景気が回復基調にあることを示すような経済指標が徐々に出てきて、ドル高に緩やかに向かっていく可能性が高いと、ずっと言ってきました。今週発表の経済指標を見ていると、いよいよそういう傾向になってきたのかもしれないなと、少し期待をしているところです。
9月21-22日にはいよいよ注目のFOMCが開催されます。今のところ、今回テーパリングを決定する可能性は極めて低いといわれていますので、それ自体は材料にならないかもしれません。ただ、最近の経済指標を参考に、FOMCのメンバーが 現在のアメリカの景気状況をどう見ているかについては、非常に高い関心が集まると思います。よく注意してみておきましょう。
トレードとしては、依然としてドル買い中心戦略でいきたいと思います。先週申し上げたようドル/円は109-111円の中での押し目買い、ユーロ/ドルではユーロショートポジションの継続とします。
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【インタビュー】
今井雅人 氏
1962年生まれ、岐阜県下呂市出身。上智大学卒業後、1985年に三和銀行入行、1987年よりディーリングの世界に入る。1989年から5年間シカゴに赴任、その間多くの著名トレーダーと出会う。日本に戻ってからは為替部門に従事。2004年3月までUFJ銀行の為替部門の統括次長兼チーフディーラーを勤めていたが、同年4月に独立。内外の投資家にも太いパイプを持ち、業界を代表するトレーダーとして活躍するが、2009年8月第45回衆議院選挙に立候補し、初当選。現在は、経済アナリスト活動など多忙な毎日を送る。元東京外為市場委員会委員、東京フォレックスクラブ理事歴任。株式会社マットキャピタルマネージメント代表取締役。
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