2022年2月1日更新
元外銀ディーラーで現在はマーケットについて幅広い投資情報を発信する和田仁志氏さんに、外貨の長期投資について解説をしていただきました。
目次
▼客観的に相場をみることが出来た長期投資
▼外貨積立 4つのポイント
▼まとめ
客観的に相場をみることが出来た長期投資
「長期つみたて」と聞いて思い出すのが、10数年前にお付き合いで始めた金の定額積み立てですが、当時は「資産の一部として金を保有してもいい」という思いがありました。昨年、金価格が2000ドルを突破し、世間で金価格の上昇が囃されていたことから、「そろそろ潮時かな?」と考えて保有していた金を処分したわけですが、普段の値動きに一喜一憂することなしに、結果論にはなりますが、客観的に相場をみることが出来ました。
外貨積立 4つのポイント
グローバルな投資が可能となっている現在、円だけではなく、「外貨資産を保有する」ことに異論はありません。従って、長期つみたての目的とFX取引との目的は分けて考えるべきであり、長期つみたてではリスクを最小限に抑えていく必要があると思っています。積み立てを始めるにあたっての私のポイントは次の通りです。
- (1) : ドルコスト平均法(定額購入法)を採用して、毎回同じ額(円価)を購入する
- (2) : 価格の変動リスクをなるべく低く抑えるために、購入間隔を狭く設定(毎日でもいいし、毎週でもよい)する
- (3) : レバレッジをかけた取引は別途行うとして、基本的には外貨預金と同じ倍率(1倍)で長期間積み立てる
- (4) : なるべく、自分自身で説明が出来る、または興味がある国の通貨に投資する
先ずは、月額の投資可能額(外貨ではなく円価)を設定し、これをどの通貨に投資するかを決めることが必要ですが、現在の金融市場の環境は、コロナ禍での世界的な過剰流動性相場がそろそろ終わりを告げることになってきており、これは米国の金融政策が節目を迎えつつあることからも明らかです。米国では現在、政策金利はゼロ付近に設定していますが、来年後半にも金利引き上げの可能性が出てきました。今後はマイナス圏で推移している実質金利がプラスに転換していく可能性も高く、そうなってくると、やはり米ドルへの投資が基本となってくると思っています。外貨投資の半分は米ドルへ向けたいところです。
そして、残りの半分をどうするのか。(4)のポイントにもあるように、こちらは身近な分かりやすい国の通貨を選びたいです。個人的に言えば、日本ともなじみが深い豪ドルやNZドルへの投資です。後年、移住する日本人も多く、これらの国の通貨への投資は非常に分かりやすいと思います。政治や経済についても、調べやすいほか、地理的な近さという取り組みやすさもあります。
次にあげたいのは、メキシコペソです。米国に隣接しているという点。金利が高く設定されているという点は魅力に感じています。米ドルを50%に設定し、その他の通貨をそれぞれ均等に設定。投資可能額(円価)を投資間隔に従って配分していけばいいと思います。
まとめ
外貨に投資することによって、やはりその国の特徴や魅力を調べ、もしくは、将来的にその国を訪れるといったことにもつながっていきます。日本だけではなく、自分の投資している国への関心が高まるというのも、外貨投資がもたらす楽しさの一つです。
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1968年長野県生まれ。立命館大学卒業後、米シティバンク・英スタンダードチャータード銀行で十数年間に渡りインターバンクディーラーとして一線で活躍。その後は、証券会社などで外国為替証拠金業務を立ち上げるなど、当業界にも精通している。2006年8月からはニューヨークからホットな金融情報を提供する。グローバルインフォ代表取締役社長を経て、2017年8月よりDZHフィナンシャルリサーチ常務執行役員に就任。
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