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円、スイス、ユーロと年初から弱かった通貨が4月に逆襲

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総括

円、スイス、ユーロと年初から弱かった通貨が4月に逆襲

ドル円=107-112、ユーロ円=128-133 、ユーロドル=1.17-1.22

通貨ごとの注目ポイント

*円通貨11位(11位)、株価3(5)位、新年度の輸出と米金利低下でドル売りスタートした4月
新年度が始まった。前回、年度上半期はドルが上りにくいと書いたが、早速111円近くから109円割れまで2円近くドル円が下落した。いくらなんでも、最近の相場からは、ややスピードが速いと思ったが、米金利の低下も影響した。米の大型コロナ景気対策に続き、大型インフラ投資が打ち出され、米金利上昇とドル高が続くものとされていたが、パウエル議長の強い金融緩和継続発言、さらには大型インフラ投資の財源は増税で賄うとされ米長期金利が低下しドルも売られた。さらにG20での「通貨の競争的切下げを回避」や国際課税の強化も影響したようだ。従って日本の新年度要因だけではスイスやユーロまで強くはならないが、今回はいくつかの要因が絡んで3通貨揃い踏みでドル下げとなった。
 もちろん、米消費者物価が上昇すれば、FRBからもテーパリングを推す声も出てくるだろうが、やはり4-9月は日本の輸出先行のドル売りがありドル上昇には結びつかないと思う。夏までは緩やかにドル下げ、8月半ばに円高のピークを向かえて秋の円安となるのではないだろうか。また金利上昇思惑でドルを買った人は、買った時からドルロングとなり売り場を探す。それが投機というものだ。実需は買い切り売り切りで反対取引は行わない。
 さて2月の家計調査の実質消費支出は前年比6.6%減となり、昨年9月以来のマイナス幅に拡大した。予想は5.3%減で、これ以上の減少となった。緊急事態宣言による外出自粛や昨年の買いだめの反動、前年がうるう年だったことなどが影響した。そもそも日本の景気は2019年の消費増税導入から後退している。さらにマイナス金利で個人の可処分所得が減少、これではなかなか消費が盛り上がらず、輸入も増えず、貿易赤字も大きくならず円買い要因となる。
 波乱要因としては最近大きく報道される兆円単位の買収案件。日立やパナソニックの1兆円規模の米企業買収はドル高円売り要因、英投資ファンドの東芝買収2兆円案はポンド売り円買い要因。いや現地通貨調達ではどちらも為替が出ないケースもあるが頭に入れておきたい。

*米ドル通貨4(4)位、株価(NYダウ)3(5)位、FRBの緩和継続と大型増税で金利低下。貿易赤字は過去最大
米ドルはポンドを除く主要通貨で下落した。二つの要因で米金利が低下し、金利上昇でのドル買いの調整が入った。一つはパウエルFRB議長が米経済活動再開に伴う支出拡大や供給のボトルネックによって年内に物価が上昇する公算が大きいとしつつも、持続的なインフレとはならないとの見解を示したことだ。また景気への支援継続が必要な中、FRBは支援を継続していくとした。もう一つはバイデン大統領が掲げる2兆ドル規模のインフラ投資の財源としての増税計画が示されたことで債券市場の不安が収まり、米金利が低下したことだ。これまでリスク選好の調達通貨とされていた円、スイス、ユーロが買い戻された。
 2月の貿易収支は、景気が他国より早く持ち直す中、赤字額が前月比4.8%増の711億ドルと過去最大に達した。大規模な景気刺激策により米経済は約40年ぶりの大幅な成長を遂げる見込みで、今年は赤字が高止まりする可能性がある。ムード的なドル上げ要因の金利上昇とは異なる実需のドル安要因だ。
 今週は米金利動向を占う1200億ドルの3年債、10年債、30年債入札がある。また3月消費者物価指数(CPI)も注目したい、前月比0.2%、前年比1.5%の上昇が見込まれている。
また中国当局によるアリババへの独占禁止法に関わる罰金が米株式市場にどう影響するかも注視したい。さらには米リパトリ法案も追っていきたい。材料が増えてきた。

*ユーロ通貨9(9)位、株価2(2)位(DAX)、経済指標好調。ECB議事録にテーパリング観測も出てユーロ上昇
ユーロドル、欧州株価ともに上昇した。FRBが金融政策の引き締めを急がない姿勢を示したことから、世界経済が景気刺激策を背景に回復するとの期待が高まった。FRBは依然、新型コロナウイルスのパンデミックによる景気への打撃を不安視しており、回復がより安定するまで経済を下支えする意向だ。また米国大型景気対策の財源である増税案が発表されたことも米金利を低下させ、ドル安ユーロ高となった。フランスが再びコロナ感染抑制のためにロックダウンに入っているが、出てくる経済指標は好調だ。4月のユーロ圏投資家センチメント指数は13.1となり、2018年8月以来の高水準となった。3月のユーロ圏の総合購買担当者景気指数(PMI)は53.2と前月の48.8から上昇し、好不況の分かれ目となる50を回復した。2月のユーロ圏生産者物価指数(PPI)は前年同月比1.5%上昇した。エネルギーと中間財の価格が上昇した。2月の独鉱工業受注指数は、底堅い国内需要を反映し2カ月連続で伸びた。新型コロナによる1Qの国内総生産(GDP)全体の落ち込みを製造業が和らげるとの見方を後押しする指標だった。
 またECB理事会の議事要旨によると、政策当局者は債券買い入れの増額ペースを落とすことや、2Qに買い入れを集中させ、状況によって後に買い入れペースを落とすことを話し合ったされ、金利低下観測が後退したこともユーロ買いを誘った。

*ポンド通貨3位(2位)、株価9(10)位、リスク選好変調で売られる。ワクチン問題や東芝買収案も売りに傾く
ユーロの伸びに比し反落した。米国の大型景気対策でリスク選好となりポンドも上昇してきたが、その大型景気対策の財源の大型増税策が発表され、米金利が低下しリスク選好の流れが反転。これまで調達通貨として弱かったスイス、ユーロ、円が上昇、その対価としてポンドは売られ、対円で153円台から一時149台へ下落した。英投資ファンドの2兆円規模の日本の東芝買収計画もまだ実現性は不明なるもポンド売りを強めた。その他、世界中で血栓症との関連があるとされた英アストラゼネカ製のワクチン使用を制限されたこともポンド売りに繋がった。しかし、英国の感染症者数はアストラゼネカ中心のワクチン接種で激減し、経済が再開するのも近いとされている。悪い話ばかりではない。

*豪ドル通貨5(4位)、株価12位(11位)、インフレ目標達成まで金融緩和維持。新年度の円高もあり84円維持できず
昨年からの上昇も一服している。対円では84円を維持できない。RBAは予想通り、政策金利を過去最低の0.1%に据え置くとともに、少なくとも2024年まで超緩和的な政策を維持する方針を改めて示した。
中銀は昨年、3度利下げを実施し、3年債利回りを0.1%で維持するための措置を導入。長期債を対象とした大規模の量的緩和にも着手した。ロウRBA総裁は「目標が達成されるまで、非常に支持的な金融環境を維持する」方針を表明。「実際のインフレ率が2-3%の目標範囲内に持続的に収まるまで政策金利を引き上げない。早くても2024年までにこれらの条件が満たされるとは予想していない」と指摘した。最近の小売売上や企業景況感、消費者心理、雇用関連指標は力強いものとなっている。3月求人広告も前月比7.4増。3月住宅価格は約30年ぶりの高い伸びを記録した。対円での伸び悩みは、日本が新年度に入り、輸出予約が先行していることも影響している。今週は3月雇用統計の発表がある。

*NZドルNZドル「通貨8(7)位、株価15位(最下位)、政策金利は据え置きか、住宅投資規制が株価下落に結び付く。20年4Q・GDPも弱い
豪ドル同様に伸び悩んでいる。株価指数も依然マイナス圏が続く。今週は政策金利決定があるが据え置き予想だ。これまで住宅価格急騰を防ぐために、厳しい規制をかけて抑制したことが株価の下落にも繋がった。NZドルは世界的なリスク選好の流れで79円台まで上昇したがその影響もあり豪ドルより弱くなっている。住宅投資規制は一種の金融引き締めにもなった。昨年4Qの経済はマイナス成長に陥った。新型コロナウイルスのパンデミックに伴うリセッションからのV字回復の期待を損なう結果となった。国内総生産(GDP)は前期比1.0%減少。予想は0.2%増だった。前年同期比では0.9%減。予想は0.5%増。ある意味出口戦略をとっていた中銀にとってはショックであった。今週の政策金利は据え置きに加え、緩和政策の長期的継続にも触れるのでではないだろうか。

テクニカル分析

*ドル円「新年度入りで、ボリバン中位まで下落」
日足、ボリバン2σ上限から中位まで下落。2月23日-4月8日の上昇ラインがサポート。4月6日-9日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。
週足、3月29日週-4月5日週の下降ラインが上値抵抗。3月22日週-4月5日週の上昇ラインがサポート。雲の上。ボリバン上位。
月足、3か月連続月足陽線。21年2月-3月の上昇ラインがサポート。20年2月-21年3月下降ラインが上値抵抗。雲中から下落。4月は若干だが陰線スタート。
年足、2020年まで5年連続年足陰線だが、今年はここまで陽線維持。15年-20年の下降ラインを上抜くか。16-20年の上昇ラインがサポート。

*ユーロドル「ボリバン2σ下限から反発し中位超え」
日足、ボリバン2σ下限から反発し中位超え。4月8日-9日の下降ラインが上値抵抗。4月8日-9日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。4月9日は下ヒゲ長し。
週足、3月29日週の長い下ヒゲで先週は上昇。2月22日週-4月5日週、1月4日週-2月22日週の下降ラインが上値抵抗。3月29日週-4月5日週の上昇ラインがサポート。ボリバン2σ下限で踏みとどまる。
月足、3か月連続陰線。4月は陽線スタート。2月-3月の下降ラインが上値抵抗。20年11月-21年3月、20年3月-5月の上昇ラインがサポート。雲の上。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。17年‐20年の上昇ラインがサポート。14年‐20年の下降ラインも一時上抜いたが下抜き返す。

*ユーロ円「ボリバン上位で揉みあう」
日足、4月7日の上ヒゲで下げるも8日の下ヒゲで上伸。4月8日-9日の上昇ラインがサポート。4月7日-9日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。
週足、3月15日週-22日週の下降ラインを上抜く。3月22日週-29日週の上昇ラインがサポート。3月15日週-4月5日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、5か月連続陽線、雲の上へ出る。ボリバン2σ上限。2月-3月の上昇ラインがサポート。18年2月-21年3月の下降ラインを上抜く。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。16年-20年の上昇ラインがサポート。15年-18年の下降ラインを上抜く。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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