目次
▼10日(木)の為替相場
(1):英EU交渉「大きな溝」発言でポンド急落
(2):豪ドル 本邦機関投資家の買い観測で上昇
(3):英10月GDP 前月から伸び鈍化
(4):ECB 市場予想どおりでユーロ上昇
(5):米失業申請悪化 CPIは伸び加速
(6):英首相「合意なき離脱準備」発言でポンド続落
10日(木)の為替相場
期間:10日(木)午前7時10分~11日(金)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):英EU交渉「大きな溝」発言でポンド急落
英国と欧州連合(EU)との通商交渉について、英政府関係者が「非常に大きな溝が両サイドに残っている」「溝が埋まるかはまだ明確ではない」などと述べた事が伝わると早朝の薄商いの中でポンドが急落した。
(2):豪ドル 本邦機関投資家の買い観測で上昇
豪ドル/円は本邦機関投資家の買い観測などから9月2日以来となる78円台へと上昇。鉄鉱石先物が中国需要を睨んで値上がりした事も豪ドルを支援した。なお、中国政府は豪州産ワインに反補助金の追加関税を徴収すると発表したが、豪ドル相場への悪影響は特に見られなかった。
(3):英10月GDP 前月から伸び鈍化
英10月国内総生産は前月比+0.4%と予想(±0.0%)を上回ったが、前月(+1.1%)から伸びが鈍化。英10月鉱工業生産は前月比+1.3%と予想(+0.3%)および前月(+0.5%)を上回った。一方、英10月貿易収支は119.99億ポンドの赤字となり、予想(95.50億ポンドの赤字)を下回った。
(4):ECB 市場予想どおりでユーロ上昇
欧州中銀(ECB)は主要政策金利を据え置いた一方、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)による資産買い入れ枠を5000億ユーロ拡大して1.85兆ユーロとするとともに期間を2022年3月まで9カ月延長した。また、長期資金供給オペ(TLTRO)も2022年6月まで1年延長した。これを受けてユーロはやや乱高下したが、概ね想定内の追加緩和であったとの見方から買いが優勢となった。ラガルドECB総裁がその後の会見で、PEPPについて「良好な金融状況を維持できるようなら買い取り枠をフルに活用する必要はない」との見解を示した事や、ユーロ高について「為替レートの動きを注視する」と述べるに留めた事などもユーロの上昇に繋がった。
(5):米失業申請悪化 CPIは伸び加速
米新規失業保険申請件数は85.3万件と予想(72.5万件)を上回り、前週(71.6万件)から増加。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う新たな制限措置の影響と見られる。一方、米11月消費者物価指数は前月比+0.2%、前年比+1.2%と予想(+0.1%、+1.1%)を上回る伸びとなり、食品とエネルギーを除いたコア指数も前年比+1.6%と予想(+1.5%)を上回る伸びを記録した。
(6):英首相「合意なき離脱準備」発言でポンド続落
ジョンソン英首相は、EUとの通商交渉について「継続するが、現在の状況からみて『合意なき離脱』に備える事が必要だろう」と発言。これを受けてポンドは下げ幅を拡大した。
10日(木)の株・債券・商品市場
外為注文情報
本日の見通し
ドル/円の見通し:値幅は限定的か
昨日のドル/円は104円台半ばで伸び悩んだ。欧州市場序盤に一時104.58円前後へと上昇したが、欧州中銀(ECB)の金融政策発表を受けてユーロ高が進んだ反動からドルが下落。NY市場では国際商品価格の上昇とともに豪ドルやカナダドルが強含んだ事もドルの重しとなり、104.17円前後まで押し戻された。
このところ、対円でのドル売りは不発気味だが、昨日の動きで104円台後半の上値の重さを再確認した格好だけに、改めて103.65-70円の下値支持を試す展開となってもおかしくないだろう。ただ、米国のコロナ対応追加経済対策協議や英国と欧州連合(EU)の通商交渉など、週末の間も目が離せないイベントが続く。いわゆる「週末リスク」を避ける動きで、持ち高調整が主体の展開となれば、ドル/円の値幅は限られそうだ。
注目の経済指標
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