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菅氏に追い風吹く日本経済。米国発リスク回避でも日本への影響は軽微

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総括

菅氏に追い風吹く日本経済。米国発リスク回避でも日本への影響は軽微

ドル円=104-109、ユーロ円=123-128 、ユーロドル=1.16-1.21

通貨ごとの注目ポイント

*円通貨4位、株価6位、菅氏に追い風吹く日本経済。米国発リスク回避でも日本への影響は軽微
 米ドルの項で詳述するように3月のコロナの最悪期からみれば、世界の株が上昇、リスク選好のドル安・円安・株高が進んできた。9月に入ってからは米株は下落しているが日経はなんとか上昇している。ただドル円は動かないがクロス円は若干円高方向へ動いている。世界では米大統領選挙を前にリスク選好が一服している。理由は米大統領選で支持率の高いバイデン氏が法人税増税や最低賃金の引き上げなど企業に優しくない政策を打ち出しているからだろう。
 ドル円は動かない。貿易収支の均衡で出来高も激減している。首相有力候補の菅氏は、本音かもしれない「消費増税示唆」を即刻打ち消した。一転、必要なら第3次補正予算を編成する考えを明らかにした。ただ消費税の減税は改めて否定した。
 先週は政府の短観ともいうべき法人企業景気予測調査が大幅改善した。また7-9月期の成長は年率で15%増と高い伸びが期待できる。GOTOキャンペーンの東京適用も景気拡大となる。菅氏にとっては追い風での船出となる。日銀は今週の金融政策決定会合で、輸出と生産の判断を上方修正する見通しだ。足元の指標でみられる持ち直しの動きを反映する。景気の総括判断についても、7月展望レポートで示した「きわめて厳しい状態にある」との表現を若干前進させ、一部にみられる持ち直しの動きに言及する可能性が高い。日銀は大規模な金融緩和を据え置く公算が大きい。

*米ドル通貨6位、株価(NYダウ)9位、3月のコロナ感染からのリスク選好の動きも9月は若干異変あり
 3月のコロナの最悪期からみれば、世界の株が上昇、リスク選好のドル安・円安・株高が進んでいる。これまでの数々の世界的経済ショックと同じ展開だ。世界を揺るがす経済ショックでリスク選好の取引を行うのは逆張りで世間様に顔向けできないように見えるが、実はこれは順張りではないかと確信している。危機になれば政府が動く、世界全体が動く、人民も頑張り危機から脱出しようとするのが文明国ではないかと。ただそこで思い切った政策を打ち出さず、国民も緊縮政策に反対運動やデモを起こせば改善が進まなくなる(アルゼンチン)。リーマショック、ギリシャ危機などは良き例だと思う。
 さてそのリスク選好の動きも9月は若干異変が起きている。NYダウ、ナスダックは9月に入って6か月ぶりに下落し始めている。豪ドルドルは6か月ぶりに、ユーロドルも5か月ぶりに9月は下落スタート。
米大統領選挙で現在支持率が高いバイデン大統領の政策で法人税の21%から28%への引き上げと最低賃金の15ドルへの引き上げが気になるところで、市場もこれを嫌気しているのではないだろうか。
コロナ感染への追加の5000億ドルの経済対策は与野党対立で否決された。米財政赤字が8月までの11カ月間で3兆ドル超となったことなど悪いニュースも続いた。トランプ大統領の救いは選挙直前に3Qの経済成長率が前期比年率でプラス27%になるとの予想があることだろう。
 今週はFOMCが開催される。フォワードガイダンスの強化や資産購入枠の拡大などが注目点だ。パウエルFRB議長は既に、向こう数年におよぶ低金利の継続を約束する一方、景気回復にはFRBけでなく、議会からの支援も必要との認識を改めて示しているが、その議会が紛糾しているのが気がかりだ。若干上昇した消費者物価に言及するかどうか。

*ユーロ通貨2位、株価5位(DAX)、貿易黒字国のユーロ高牽制の効果は一時的
 ユーロドルは9月に入って5か月ぶりの下落を見せている。2月から5月は月足でボリンジャーバンド下限で低迷していたが、現在は月足ボリンジャーバンドの上限を越えている。1.20という大台を前にしてユーロ相場の議論が高まった。膨大な貿易黒字のユーロ圏にとってはユーロ高は自然の流れだが、昨今のデフレ下では、やはり通貨を安くしておきたい当局者が多くなる。特に貿易赤字国が多い南欧から通貨安要求が出てくる。レーンECB専務理事に続き、 ビルロワドガロー仏中銀総裁は「特定の為替レートを目標としない」と語った上で、「為替相場はインフレと金融政策には明らかに重要だ。従って、中期的なインフレ見通しに与える意味合いの観点で、為替レートの動向をわれわれは注意深く見守る」とした。ラガルドECB総裁も「ユーロ高に過剰反応する必要はない」と述べたものの、「ユーロ相場のインフレへの影響を慎重に判断する」と述べたことで、ユーロ高への警戒感は払拭されていない。
 現在のユーロの水準は1999年のユーロ発足時やそれ以降の平均値と比べても乖離していないが、やはり通貨高がインフレを抑制しているので他国と同じように通貨安を望む。ただ株価と違って為替は相手国があるので、自国だけを通貨安にすることは出来ない。ECB当局者のユーロ高牽制で下げることはあっても中長期で長続きはしない。貿易黒字では無理だ。

*ポンド通貨9位、株価14位、漸く下落、合意なき離脱か、物価も弱い
 英国が合意なしにEUから離脱するとの見方が高まる中で、ポンド売り圧力が強まった。本紙ではポンドにネガティブであったが、それは対ユーロでは進んでいたが、対円、対ドルではコロナ感染の最悪期からのリスク選好で上昇していたが漸く先週の下落となった。
 英政府がEUと昨年10月に合意し、今年1月末に発効したばかりの「離脱協定」の主要部分をほごにしようとする法案を議会に提出した。EUは「国際法違反だ」と激怒している。法案は協定を実行に移すためのものだが、英国が協定の内容を「不適用にしたり、修正したり、言い換えたりできる」と明記した。ジョンソン首相は、EUとのFTAを年内に発効させるためには10月15日までの合意が必要と表明し、「合意なき離脱」への懸念が強まったものの、これは協議決裂の可能性をちらつかせることで、EUが先に譲歩するよう圧力を掛けるジョンソン政権の作戦との見方も少なくない。
 今週は金融政策会合っがある。物価動向は相変わらず弱い。マイナス金利を導入するとの見方が再燃している。

*豪ドル通貨3位、株価11位、9月は6か月ぶり反落。ビクトリアロックダウンで雇用統計は
 ビクトリア州政府は新型コロナウイルス対策としてメルボルンで導入している厳しいロックダウン措置を9月28日まで延長すると発表した。感染率が十分に低下していないため。
メルボルンでは新型コロナ感染の第2波を受け、8月2日に夜間外出禁止などの厳しい移動規制が導入された。8月の企業景況感指数はマイナス6となり、7月のゼロから悪化した。ビクトリア州が新型コロナウイルス感染抑制のため再びロックダウンを導入したこと受け、雇用、売上高、収益性に関する指数が軟調だった。 今週は8月雇用統計が発表されるが、ビクトリア州のロックダウンの影響もあるのだろうか、失業率や雇用者数ともに7月より悪化する予想となっているので気をつけたい。
 中国との対立は続き、中国は、害虫混入で豪州産大麦の輸入を一時停止した。また豪外務省は、中国国営中央テレビの英語放送でキャスターを務める豪人記者が中国当局に拘束されていたがシドニーに戻ったことを発表した。

*NZドル通貨7位、株価4位、マイナス金利が現実味、今週GDP。選挙前でも増税打ち出す
 NZドルも9月に入って6か月ぶりに反落している。NZの3年国債利回りが、初めてマイナス圏に突入した。中銀がさらなる利下げを実施するとの観測が高まっていることが背景にある。2023年4月償還債の利回りはマイナス0.001%を付けた。スワップ市場は中銀が来年10-12月までに政策金利を0.5%引き下げ、マイナス0.25%とすることを既に織り込んでいる。
  追加金融緩和の観測は、期待されていた新型コロナウイルスワクチンの一つの臨床試験が中断されたと伝えられたことで強まった。中銀は先月、資産買い入れ規模を最大1000億NZドルに拡大することを決定。コロナ危機で打撃を受けた経済の回復を支えるため、マイナス圏への引き下げを含む追加利下げもあり得ると表明した。
 今週は2Q・GDPの発表がある。予想は前期比で12.5%減だ。さてアーダーン首相が率いる労働党は、所得税最高税率を39%に引き上げる計画を発表した。10月17日に延期された総選挙で勝利した場合、次期政権の下でこれ以上の所得増税はしないとしている。影響を受けるのは全人口の2%にすぎず、残る98%の税負担は変わらないという。選挙前でも増税を打ち上げるのはNZの財政規律の健全さを物語っている。世論調査では、労働党の支持率は野党勢力を大きく上回っている。

テクニカル分析

*ドル円 「雲中で横ばい、11日の上ヒゲ長し」
日足、これぞ横ばい。雲中。9月8日-11日の下降ラインが上値抵抗。9月9日-11日の上昇ラインがサポート。11日は上ヒゲ長い。5日線下向き。ボリバン中位。
週足、ボリバン下位膠着。雲の下。8月31日週-9月7日週の下降ラインが上値抵抗。8月31日週-9月7日週の上昇ラインがサポート。どちらに抜けるか、横ばいか。
月足、依然、3月のレンジを抜けず。3月-7月の上昇ラインがサポート。9月は6月-7月の下降ラインを上抜いてスタート。ボリバン下限を一旦下抜くもバンド内へ戻す。3月-6月の下降ラインが上値抵抗。雲の下。
年足、4年連続陰線。16年-19年の上昇ラインは再び下抜く。16年-17年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロドル「狭いボリバン内での動き」
日足、先週は一時ボリバン下限に達して反発。9月9日-11日の上昇ラインがサポート。9月10日-11日、9月1日-10日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。9月10日の長い上ヒゲ残る。
週足、ボリバン上位で膠着。8月31日週-9月7日週の下降ラインが上値抵抗。8月10日週-9月7日週の上昇ラインがサポート。雲のはるか上。
月足、4か月連続陽線で9月は陰線スタートもまだボリバン上限越え。6月-7月の上昇ラインがサポート。7月-8月の上昇ラインは下抜く、2月から5月までボリバン下限を何度も一時下抜くも下げ止まっていた。ついに雲中に届く。
年足、2年連続陰線。今年は陽転。18年-19年の下降ラインを上抜く。02年‐17年の上昇ラインがサポート。14年‐18年の下降ラインも上抜く。11年‐14年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロ円「狭いボリバン内での動き」
日足、狭いボリバン内で行ったり来たり。9月10日-11日の下降ラインが上値抵抗。9月9日-11日の上昇ラインがサポート。5日線下向き。
週足、ボリバン上位で膠着、8月3日週-9月7日週の上昇ラインがサポート。8月31日週-9月7日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、ボリバン下限から4か月連続陽線も上限に近づいた9月は反落スタート。雲下。6月-7月の上昇ラインがサポート。7月-8月の上昇ラインは下抜く。18年9月-20年8月の下降ラインが上値抵抗。
年足、2年連続陰線。今年はここにきて陽転。18年-19年の下降ラインを上抜く。16年-20年の上昇ラインがサポート。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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