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円安踊り場、コロナ前からの景気減速でも菅長官は消費減税を否定

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総括

円安踊り場、コロナ前からの景気減速でも菅長官は消費減税を否定

ドル円=104-109、ユーロ円=123-128 、ユーロドル=1.16-1.21

通貨ごとの注目ポイント

*円 通貨4位、株価6位、円安踊り場、コロナ前からの景気減速でも菅長官は消費減税を否定
 コロナ感染でのロックダウンや経済活動制限が徐々に解除され、景気回復も前月比ペースでは進んでいたが、先週あたりからの世界の経済指標は前月比でも伸び悩み始めた。日本では、7月小売売上、雇用、消費者態度指数などが上げられる。日本経済はコロナ感染以前から減速している。3四半期連続マイナス成長、輸出は20か月、輸入は15か月、新車販売は11カ月連続で減少している。ただ菅官房長官は消費減税を否定している。秋の円安地合いに景気対策が加わればリスク選好の円安株高進むのだが、不作為なら僅かな円安に留まるかもしれない。不作為でも現在は貿易赤字国なのでリスク回避の円高となっても需給面からみれば大幅円高とはならない。菅長官はデジタル庁の創設や最低賃金の引き上げ策などで景気浮揚を狙っている。
 週足や月足はそれぞれのボリバン下限から反発中、日足は漸く雲の下から雲中へ上昇したが、106.50以上で連続上ヒゲを出し抵抗にあっている。小康してから、再び円安方向へ動くか。
今週は7-9月法人企業景気予測調査がある。現在6四半期連続のマイナスの大企業製造業業況判断指数(BSIは) 4-6月期よりは改善する予想だ。

*米ドル 通貨7位、株価(NYダウ)5位、前月比景気回復ブームが一服
 米経済指標の前月比改善ブームに一服感が出たようだ。8月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比137万1000人増となり、伸びは前月の173万4000人から鈍化したほか、予想の140万人も下回った。政府支援策の効果が薄れる中、新型コロナウイルス感染拡大で引き起こされた景気後退(リセッション)からの回復が危ぶまれている。9月3日に米株が大幅下落したのも景気回復の一服感が影響している。
8月ISM非製造業総合指数が56.9、7月の58.1から低下、7月米国貿易赤字が拡大し2008年7月以来の高水準となった。また米SECが株取引アプリのロビンフッドを注文処理の開示巡り調査に入ったことも影響した。
 ただ貿易収支については輸出入とも拡大しているのでそれほど悪い要因ではない。輸入拡大は米消費の拡大だ。FRBは景気減速が長引くとして数年におよぶ低金利の継続を約束したが、長期金利が上昇し始めたことは株価に不安感を与えた。今週の消費者物価に注目したい。

 (大統領選挙=キニピアク大学の8月末大統領選挙に関わる世論調査ではバイデン前副大統領とトランプ大統領のいずれに投票するかという問いに対して、バイデン氏が52%、トランプ氏が42%と、バイデン氏が10ポイントリードした。また、前回大統領選挙の2016年と国情を比較して、「悪化した」と回答は58%と高く、「改善した」(38%)を大きく上回った。経済、ヘルスケア、危機管理、人種問題、新型コロナウイルス対応の各分野でトランプ氏とバイデン氏のいずれに良い仕事が期待できるかという問いに対しては、経済で同率(48%)だったが、その他の分野では、ヘルスケア(バイデン氏55%、トランプ氏41%)、危機管理(バイデン氏53%、トランプ氏43%)、人種問題(バイデン氏58%、トランプ氏36%)、新型コロナウイルス対応(バイデン氏56%、トランプ氏40%)の各分野でバイデン氏への支持が高かった。
 トランプ大統領の仕事ぶりに対しては、「支持する」が43%、「支持しない」が54%で、共和党支持者では「支持する」が90%、民主党支持者では「支持しない」が94%と対照的だ。人種別では、黒人層の83%が「支持しない」とし、その割合はヒスパニック系(60%)、白人層(49%)を大きく上回った。人種問題を大きな問題として認識するかという問いに対しては、75%が「認識する」と大きな問題として捉えている。人種別では、黒人層が94%と最も高かったが、ヒスパニック系(75%)、白人層(72%)も高かった)

*ユーロ 通貨2位、株価7位(DAX)、レーンショック、ECB理事会、復興基金財源は
 ユーロ圏も日米同様に、前月比のコロナ感染での底値から回復してきた経済指標の改善が一服した。ユーロ圏7月小売売上高は前月比1.3%減で予想の1.5%増を下回った。5月は20.3%増、6月は5.3%増であった。
 9月1日にユーロドルが節目の1.20を越え、ボリバン上限を越えたところで、ECBのチーフエコノミストを務めるレーン専務理事が「ユーロ高が金融政策にとって実際問題になる」と発言しユーロは下落した。
ただ9月3日、4日は1.1830以下で長い下ヒゲを出し、底堅さを示した。今週のECB理事会で為替について言及するか注目される。今週は政策変更はおおむね見込まれていないが、物価予想などが焦点。ユーロ高に加え、8月の消費者物価指数がマイナスに転落したことや、FRBが平均インフレ目標を導入したことを背景に、ECBへの政策対応圧力は強まっている。レーン専務理事は11日にも発言する予定。
 また今週はEU財務相会合が開催される。総額7500億ユーロの復興基金を実際に活用する方法や、共通債券の償還に向けたEU独自の財源をどのように確保するかが話し合われる。
復興基金の第一弾の資金は、来年の早い時期に供与される見通し。EU首脳は財源確保の手段として、非リサイクルプラスチック製品への課税制度を設け、加盟国が税収をEUに拠出することで合意。今月11-12日の財務相会合では、デジタルサービス税や、EUよりも二酸化炭素(CO2)の排出基準が緩い国の製品への関税の導入案の細部で合意をまとめる必要がある。どちらの税も、米国および中国との通商上の緊張を高める公算が大きい。

*ポンド 通貨6位、株価15位、FT株価指数下落止まらず、年初来23%下落、EUとの貿易交渉進まず。ポンドはドル安で下落幅は限定的
 ユーロとともに上昇していたが、9月1日のECBレーン理事発言でユーロが下落するのに連れて下落した。依然、コロナ感染の深刻さとEUとの貿易交渉の難航で英国FT株価指数は弱い。英首相官邸は、EUと通商協定を締結できる可能性が30-40%しかないとの見方を示している。国家補助金を巡る交渉が行き詰まっているという。英国は今年1月末にEUを離脱。現状を維持する「移行期間」は今年末で切れるが、EUとの通商交渉は現時点でほとんど進んでいない。英政府は国家補助金を活用して国内のハイテク部門を強化したい考えで、補助金を巡る交渉で譲歩を拒んでいる。EUのミシェル大統領は「遅かれ早かれ、英国は何を求めているかはっきりさせるべきだ。EUを去り、同時に恩恵を得ることはできない」と指摘。EU側にとっては、公正な競争の場が鍵で不可欠だと述べた。
 ソーンダーズ金融政策委員は、新型コロナウイルス感染拡大による影響のほか、EU離脱に関連するリスクを相殺するために、英経済には一段の刺激策が必要となる公算が大きいとの見方を示した。
また「2%としているインフレ目標を持続的に達成するために、追加的な金融緩和が適切になると考えている」と述べた。
 8月の建設業PMIは54.6と、前月の58.1から予想外の低下となった。雇用が再び大幅に減少した。

*豪ドル 通貨3位、株価11位、量的緩和強調、対中対立続く。5か月連続陽線のあと反落
 豪ドルは対円、対ドルで5か月連続で陽線を達成した後、9月は反落スタート。外部要因ではECBレーン理事のユーロ高牽制発言に影響された。国内要因では、これまでマイナス金利導入を否定していたRBAだが、銀行に低利で資金を供給するターム物資金調達ファシリティーの拡大と2021年6月末までの延長を決定し、市場にとりサプライズとなった。RBAは必要とされる限り非常に緩和的な姿勢を維持し、一段の金融措置がいかに回復を支援できるか引き続き検討すると表明。低金利を長期間維持する方針を再確認すると同時に、追加措置の可能性も示唆した。RBAは購入した国債などの総額が610億豪ドルにのぼると明かした。必要なら購入額を増やす考えも示した。
 2Qの経済の落ち込みは世界今共通だが、豪の2Q・GDPは前期比7.0%減で、1959年の統計開始以来、四半期ベースで最大の落ち込みとなった。新型コロナウイルス危機の影響が大きく、ビクトリア州での感染再拡大で景気回復が遅れ、追加の財政出動への圧力が強まる可能性もある。
 中国との対立は続き、中国は、害虫混入で豪州産大麦の輸入を一時停止した。また豪外務省は、中国国営中央テレビの英語放送でキャスターを務める豪人記者が中国当局に拘束されたと発表した。約2週間にわたり拘束されているという。

*NZドル 通貨8位、株価4位、為替レートを懸念せず
 豪ドルがRBAの量的緩和拡大示唆で下落し、その対価でやや買われた。対円、対ドルで5か月連続陽線で9月入り。既にNZ中銀はマイナス金利導入の可能性も示唆しているだけあってRBAのサプライズ的な緩和策示唆には反応は小さかった。さてコロナ対策だが、さすがに世界2位の感染対策と評価されているだけあって依然厳しい対策が取られている。総選挙は4週間延期、現行の感染に関する制限措置を9月半ばまで維持する方針を明らかにした。首相は、「最善の経済対策は依然、強力な衛生対策だ。衛生対策を正しく行えば、最終的にはより早期に制限が解除でき、対応が二転三転するリスクが低下する」と語った。
9月4日に同国で確認された新規感染者数は5人、これまでの累計感染者数は1413人で、死者は22人。
 さてオア中銀総裁は「追加的な手段にはマイナス金利やさらなる量的緩和が含まれる」としながらも「為替レートを懸念していない」と発言しNZドルを支えた。

テクニカル分析

*ドル円「ボリバン下限から5連続陽線も106.50で抵抗される。雲中へ上昇」
日足、ボリバン下限から5連続陽線も先週3日、4日は同じように長い上ヒゲを出し上値抵抗感を示す。106.50が一つの壁。9月2日-4日、8月28日-31日の上昇ラインがサポート。8月28日-9月4日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。ボリバン中位。雲中へ上昇。
週足、一旦、ボリバン下限を下抜くもボリバン内へ戻す。7月27日週-8月31日週の上昇ラインがサポート。8月24日週-31日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、依然、3月のレンジを抜けず。3月-7月の上昇ラインがサポート。9月は6月-7月の下降ラインを上抜いてスタート。ボリバン下限を一旦下抜くも月末にバンド内へ戻す。3月-6月の下降ラインが上値抵抗。
年足、4年連続陰線。16年-19年の上昇ラインは再び下抜く。16年-17年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロドル「ボリバン上限越え(レーン発言)から反落も下ヒゲ2本」
日足、9月1日のボリバン上限越え(レーン発言)から反落。先週3日、4日は下ヒゲ残し抵抗する。ボリバン中位。5日線下向き。8月27日-9月4日の上昇ラインがサポート。9月1日-4日の下降ラインが上値抵抗
週足、ややボリバン上限からは下放れる。8月24日週-31日週の上昇ラインがサポート。依然ボリバン上位。
月足、4か月連続陽線で9月は陰線スタートもまだボリバン上限越え。6月-7月の上昇ラインがサポート。7月-8月の上昇ラインは下抜く、2月から5月までボリバン下限を何度も一時下抜くも下げ止まっていた。ついに雲中に届く。
年足、2年連続陰線。今年は陽転。18年-19年の下降ラインを上抜く。02年‐17年の上昇ラインがサポート。14年‐18年の下降ラインも上抜く。11年‐14年の下降ラインが上値抵抗。

*ユーロ円「ボリバン上限越え(レーン発言)から反落も下ヒゲ2本」
日足、9月1日のボリバン上限越え(レーン発言)から反落。先週3日、4日は下ヒゲ残し抵抗する。ボリバン中位。5日線上向き。9月3日-4日の上昇ラインがサポート。9月1日-4日の下降ラインが上値抵抗
週足、ボリバン上位だが、2週連続長い上ヒゲを残して売り圧力を示す。8月24日週-31日週の上昇ラインがサポート。
月足、ボリバン下限から4か月連続陽線も上限に近づいた9月は反落スタート。雲下。6月-7月の上昇ラインがサポート。7月-8月の上昇ラインは下抜く。18年9月-20年8月の下降ラインが上値抵抗。
年足、2年連続陰線。今年はここにきて陽転。18年-19年の下降ラインを上抜く。16年-20年の上昇ラインがサポート。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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