目次
▼2日(水)の為替相場
(1):豪GDP悪化 1991年以来の景気後退入り
(2):対欧州通貨中心にドル買い戻し強まる
(3):菅官房長官出馬 アベノミクス継続で円売り
(4):米ADP 予想を大幅に下回る
(5):英中銀QE拡大示唆 Brexit懸念でポンド売り
2日(水)の為替相場
期間:2日(水)午前6時10分~3日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪GDP悪化 1991年以来の景気後退入り
豪4-6月期国内総生産(GDP)は前期比-7.0%、前年比-6.3%と予想(-6.0%、-5.1%)を下回る伸びとなった。2期連続のマイナス成長であり、豪州経済は1991年以来の景気後退(リセッション)に入った事になる。これを受けて、一時豪ドル売りが強まった。
(2):対欧州通貨中心にドル買い戻し強まる
欧州勢の本格参入とともに、ユーロ/ドルやポンド/ドルでドル買い戻しの動きが強まった。なお、これより前に発表された独7月小売売上高は前月比-0.9%と予想(+0.5%)に反して減少した。
(3):菅官房長官出馬 アベノミクス継続で円売り
菅官房長官が自民総裁選への出馬会見で「安倍政権は経済再生最優先で取り組んできた。『アベノミクス』を責任をもって引き継ぎ、さらに前に進めていきたい」と述べた事を受けて円売りが優勢となった。
(4):米ADP 予想を大幅に下回る
米8月ADP全国雇用者数は42.8万人増と、予想(100.0万人増)を大幅に下回った。前月(21.2万人増)に続き2桁万人台の増加に留まった。これを受けて一時ドル売りに傾いたが、対ユーロや対ポンドを中心にドルを買い戻す動きに大きな変化はなかった。このため、ドル円は売り一巡後に反発したが、クロス円は続落した。
(5):英中銀QE拡大示唆 Brexit懸念でポンド売り
英中銀(BOE)ベイリー総裁が議会証言を行い、「見通しの不確実性はかつてないほど高い」と述べたほか、ラムスデン副総裁は「必要なら資産購入ペースの大幅拡大も可能」などと発言。これ以前には、欧州連合(EU)のバルニエ氏(英EU離脱首席交渉官)が「10月末の厳格な通商合意の締め切りに対して現実的になるべき」「英政府は義務なしでEU特典の維持を望んでいる」などと英政府の姿勢を非難した。これらを受けてポンド売りが活発化した。
2日(水)の株・債券・商品市場&外為注文情報
ドル/円の見通し:
106円台前半中心に強持ち合い
昨日のドル/円は終値ベースで約0.2%上昇。次期首相の本命である菅官房長官が自民党総裁選の出馬会見で「『アベノミクス』を責任をもって引き継ぎ、さらに前に進めていきたい」と述べた事で円売りが優勢となった。ユーロやポンドに対してドルが買い戻された事もドル/円の支えとなり、一時106.30円前後まで上昇した。
海外株高や「スガノミクス」への期待から日本株の上昇が見込まれる中、本日も円売り優勢の流れは続きそうだ。他方、昨日発表された米8月ADP全国雇用者数が42.8万人増(予想:100.0万人増)に留まった事で、明日4日の米8月雇用統計への不透明感も浮上している。このため明日に向けて、ドル買いの動きはやや鈍る可能性がある。本日のドル/円は106円台前半を中心に強持ち合いの展開が見込まれる。
本日の注目イベント
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。