目次
▼1日(水)の為替相場
(1):日銀短観 リーマン以来の低水準
(2):仏独製造業PMI いずれも上方修正
(3):米ADP雇用 予想を下回る
(4):米ISM製造業 好結果もドル下落
(5):FOMC YCCの必要性確信せず
1日(水)の為替相場
期間:1日(水)午前6時10分~2日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日銀短観 リーマン以来の低水準
前日のNY市場の流れを引き継いでドル買い・円売りが先行するとドル/円は6月9日以来の108円台乗せとなり、108.160円前後まで上昇した。しかし、仲値公示後は本邦輸出企業のドル売り観測などに押されて反落。短期筋の手仕舞い売りも入ったとされ、107円台に押し戻された。なお、これより前に発表された日銀短観は大企業製造業DIが-34と予想(-31)を下回り、前回(-8)からの落ち込みはリーマン・ショック後の2009年に次いで過去2番目の大きさとなった。
(2):仏独製造業PMI いずれも上方修正
仏6月製造業PMI・改定値は52.3、独6月製造業PMI・改定値は45.2といずれも速報値(52.1、44.6)から上方修正された。また、独6月失業者数は6.90万人、同失業率は6.4%(予想:12.00万人、6.5%)であった。
(3):米ADP雇用 予想を下回る
米6月ADP全国雇用者数は236.9万人増と市場予想(290.0万人増)を下回る伸びに留まった。ただ、速報値で276.0万人減だった5月の雇用者数は、一転して306.5万人増へと大幅に上方修正された。ドルの反応は限定的だった。
(4):米ISM製造業 好結果もドル下落
米6月ISM製造業景況指数は52.6と好不況の分かれ目である50.0を4カ月ぶりに上回った。市場予想は49.8だった。内訳指数では新規受注が56.4(前回31.8)、雇用が42.1(前回32.1)などと急回復した。これを受けてドルが幅広く下落したためドル/円は下落した一方、クロス円は強含んだ。米国の景気回復期待が高まり安全通貨としてのドルの需要が後退したと解説されている。
(5):FOMC YCCの必要性確信せず
米連邦公開市場委員会(FOMC)は6月9日-10日の会合の議事録を公表。「イールドカーブ・コントロール(YCC)のさらなる分析の必要性で一致」などと、現時点ではYCCの導入にそれほど前向きではない様子が示された。また、「大半の当局者がより明確なフォワードガイダンスを主張」していた事も明らかになった。ドルの反応は限定的だった。
1日(水)の株・債券・商品市場&外為注文情報
ドル/円の見通し:
ダブル・サプライズの可能性
昨日のドル/円は終値ベースで約0.4%下落。買いが先行したものの、108円台の上値の重さが改めて意識されると反落。NY市場序盤には、107.30円台まで下落する場面もあった。本日は、米6月雇用統計に市場の関心が集中している。なお、今回は独立記念日(4日土曜日)の関係で発表が本日に前倒しとなっている。市場予想は非農業部門雇用者数が305.8万人増、失業率は12.5%(前回:250.9万人増、13.3%)。コロナ禍で米労働市場が混乱しているだけに、前回同様大きなサプライズがあっても不思議ではないだろう。
また、ドルの反応にも注意を要する。昨日は米6月ISM製造業景況指数が予想以上に改善するとドルが下落した。市場では、米景気回復期待が高まり安全通貨としてのドルへの需要が後退したと解説されている。仮に、良好な米経済指標でドルが下落(悪化で上昇)するという「新ルール」が成立したのであれば、米6月雇用統計でも好結果にドル売り(悪化でドル買い)の反応を示すかもしれない。米6月雇用統計を巡っては、その結果と市場の反応がダブルでサプライズとなる可能性があるため注意が必要だ。
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