目次
▼29日(金)の為替相場
(1):欧州指標 予想ほど落ち込まず
(2):米個人所得増加もPCEは減少
(3):ロンドン・フィキシングで乱高下
(4):トランプ氏 中国へ対抗措置発表
29日(金)の為替相場
期間:29日(金)午前6時10分~30日(土)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):欧州指標 予想ほど落ち込まず
ユーロ圏5月消費者物価指数(HICP)・速報値は、前年比+0.1%と予想に一致。これより前に発表された独4月小売売上高指数は前月比-5.3%と予想(-12.0%)ほど落ち込まなかった。
(2):米個人所得増加もPCEは減少
米4月個人所得は前月比+10.5%と予想(-5.9%)に反して大幅に増加。一方、米4月個人消費支出(PCE)は前月比-13.6%と予想(-12.6%)以上に減少した。米4月PCE価格指数(デフレーター)は前年比+0.5%、同コア指数は前年比+1.0%だった(予想:+0.5%、+1.1%)。
(3):ロンドン・フィキシングで乱高下
ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに向けてポンド買いが強まると、133.455円前後まで上昇。フィキシング通過後には132.40円台まで反落するなど、月末最終日の薄商いの中、ポンド/円は荒っぽく上下した。アイルランドのバラッカー首相は、英国と欧州連合(EU)の将来の通商関係を巡る交渉はほとんど進展していないと語り、「通商協定で合意が成立しない事態に備える法案を準備する」と表明した。
(4):トランプ氏 中国へ対抗措置発表
トランプ米大統領は、中国政府が香港「国家安全法」導入を採択した事などを巡り、「中国政府は継続的にアメリカとの約束を破ってきた」「中国の武漢ウイルス隠ぺいで、コロナは世界中に広まった」と批判。その上で「米国に上場している中国企業について調査」「香港への(貿易上の)優遇措置を取り消すプロセスに入るよう指示」などとするとともに、中国当局者へのビザ発給を停止する意向を示した。また、かねてから「中国寄り」だと批判してきた世界保健機関(WHO)への支援打ち切りも表明した。事前報道で対中制裁の内容が概ね伝わっていた事などから為替市場の反応は限定的だった。
29日(金)の株・債券・商品市場&外為注文情報
ドル/円の見通し:
慎重に立ち上がる公算大
5月29日のドル/円は月末フロー中心の値動き。東京仲値でドル売りが強まると107.00円台に弱含んだが、ロンドン・フィキシングでは円売りが入り、NY市場終盤には107.90円付近まで反発した。なお、トランプ米大統領は予定通りに対中制裁措置を発表したが、貿易合意・第1段階の破棄などには至らなかった。このため市場の反応は限定的だった。
米中衝突リスクは幾分和らいだものの、米ミネアポリスで起きた白人警官による黒人男性の暴行死への抗議デモが全米に拡大しており、新たなリスクとなりつつある。ロスアンゼルスを始め各地で夜間外出禁止令が出されるなど混乱が広がっており、新型コロナウイルスの感染縮小に伴う経済活動再開への期待に水を差すおそれも出てきた。こうした中、6月入りした市場は慎重に立ち上がる公算が大きく、ドル/円も107円台でもみ合いながら次の方向感を模索する展開が見込まれる。
本日の注目イベント
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