目次
▼30日(木)の為替相場
(1):ユーロ圏1-3月期GDP 過去最大の落ち込み
(2):ECB 資金供給策を強化
(3):米指標 悪化相次ぐ
(4):月末絡みのフロー強まる
30日(木)の為替相場
期間:30日(木)午前6時10分~1日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):ユーロ圏1-3月期GDP 過去最大の落ち込み
ユーロ圏1-3月期域内総生産(GDP)・速報値は前期比-3.8%と過去最大の落ち込みを記録。市場予想と一致した。前年比では-3.3%だった(予想:-3.4%)。また、ユーロ圏4月消費者物価指数・速報値は前月比+0.3%、前年比+0.4%と市場予想(いずれも+0.1%)を上回った。
(2):ECB 資金供給策を強化
欧州中銀(ECB)は中銀預金金利と主要政策金利であるリファイナンスオペの最低応札金利をそれぞれ-0.5%と0.0%に据え置いた。「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」の規模も7500億ユーロで維持した。一方、条件付き長期資金供給オペ(TLTRO3)の最低金利を-1.00%に引き下げた他、「パンデミック緊急長期リファイナンスオペ(PELTRO)」を新たに行うと発表した。声明では「理事会は必要に応じ、そして必要とされる期間、PEPPの規模を拡大し、構成を調整する用意がある」と表明した。ラガルドECB総裁はその後の会見で「今年のユーロ圏経済は最大で12%縮小する可能性がある」とした上で「責務の範囲内で必要な事は全て行う」と強調した。一方で、通常の資産買い取りの対象にジャンク債を含めるかについては「協議しなかった」と答えた。
(3):米指標 悪化相次ぐ
米新規失業保険申請件数は383.9万件と高止まりして予想(350.0万件)を上回った。また、米3月個人消費支出(PCE)は前月比-7.5%と予想(-5.1%)以上に落ち込んだ。同PCEデフレーターは前年比+1.7%であった(予想:+1.6%、前回:+1.8%)。
(4):月末絡みのフロー強まる
月末のロンドン・フィキシングに向けてユーロやポンドに対するドル売りや円売りのフローが観測された。ユーロ/円やポンド/円の上昇が主導する形で豪ドル/円やドル/円も値を上げた。
30日(木)の株・債券・商品市場&外為注文情報
ドル/円の見通し:
市場の動意は限定的
昨日のドル/円は107円台を回復して反発。月末のロンドン・フィキシングに向けて大口の買いフローが観測された事でショート・カバーを誘発したと見られる。NY市場終盤には一時107.50円付近まで上伸した。もっとも、今朝にかけては107.00円台まで押し戻されるなど買いは一巡。
本日から月替わりとなるが、香港、シンガポール、仏、独などが休日で、日本は明日から5連休に入る。不要不急のポジションを構築する投資家は世界的に少ないと見られ、市場の動意は限られそうだ。ドル/円も107.00円を挟んで方向感を模索する事になろう。なお、NY市場では米4月ISM製造業景況指数が発表される。市場予想は36.0と前月の49.1から大きく落ち込む見通しだ。ただ、大幅悪化は織り込み済みであり、ドルは強い反応を示さない公算が大きい。
本日の注目イベント
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。