(1)
中国11月小売売上高は前年比+8.0%、同鉱工業生産は前年比+6.2%と、いずれも予想(+7.6%、+5.0%)を上回る伸びとなった。ただ、豪ドルの反応は限定的だった。
(2)
仏12月製造業PMI・速報値が50.3(予想:51.5)となり、続いて独12月製造業PMI・速報値も43.4(予想:44.6)、ユーロ圏12月製造業PMI・速報値も45.9(予想:47.3)となった。これらを受けてユーロが小幅に売られた。
(3)
英12月製造業PMI・速報値は47.4、同サービス業PMIは49.0と、いずれも予想(49.2、49.5)を下回った。これを受けてポンドは売りが強まった。
(4)
米12月NY連銀製造業景気指数は3.5となり、予想(4.0)に届かなかった。また、米12月製造業PMI・速報値は52.5と、予想(52.6)を僅かに下回ったが、ドルの反応は限られた。
(5)
前週末に米中が第1段階の通商合意に達した事を好感して米国株が上昇する中、ドル/円や豪ドル/円が上昇。ドル/円は、米12月NAHB住宅市場指数が76と、1999年以来20年ぶりの水準に上昇した事も支援材料になった。
(6)
クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は、米中による第1段階の通商合意は完了したと強調。その上で「米国の対中輸出は2倍になるだろう」との見方を示した。
ドル/円の見通し
昨日のドル/円は、終値ベースで約0.2%の小幅高。米国株高を背景に一時109.60円台まで上昇した。米中が前週末に第1段階の通商合意に達した事を受けて、市場には慎重ながらも楽観的なムードが広がった。ただ、ドル/円は上値抵抗と目される109.70円台を前に戻り売りをこなせず伸び悩んでいる。前週の重要イベントを通過した上に、クリスマスシーズンを間近に控えているとあって、110円の節目を目指して上伸しそうな勢いは今のところ感じられない。
世界的に株価が堅調に推移する中、ドル/円も底堅さを維持しようが、上値を試すには追加燃料が必要となりそうだ。