(1)
中国10月貿易収支は428.1億ドルの黒字となり、黒字額は予想(401.0億ドル)を上回った。10月の輸出は前年比-0.9%、輸入は同-6.4%で、いずれも予想(-3.9%、-7.8%)ほどの落ち込みはなかった。
(2)
トランプ米大統領は、対中関税について「中国は撤回を望むだろうが、私は何も同意していない」「中国は一部の関税撤回を求めているが、完全撤回は求めていない、なぜなら私がそれをしないと理解しているからだ」と述べて、対中関税の完全撤廃を否定した一方、一部撤廃については含みを残した。
(3)
米11月ミシガン大消費者信頼感指数・速報値は95.7と予想および前月(いずれも95.5)を僅かに上回った。3カ月連続の上昇であり、3年ぶりの低水準となった8月を底に消費者マインドが改善している事が示された。
(4)
大手格付け会社ムーディーズが英国の格付け見通しを引き下げたと発表。格付けは「Aa2」で据え置いたが、欧州連合(EU)離脱を巡る動きの中で政策決定能力と財政規律へのコミットメントが弱まっているとして、格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。
ドル/円の見通し
8日のドル/円は終値ベースで0.1%未満の小幅安。109.50円を超えられずに伸び悩むと、トランプ米大統領が対中関税の撤回には同意していないと表明した事で109.00円台に押し戻された。ただ、売りが一巡すると109.20円台に値を戻すなど、200日移動平均線にサポートされて下値も堅かった。本日も、米中通商問題を巡る突発的な報道に注意しながらの相場展開となろう。
なお、本日は米国がヴェテランズデーの祝日で、米債市場は休場となる。株と為替は取引が行われるが、参加者は限られる見込み。ドル/円は大きなニュースがなければ109円台前半を中心にもみ合う展開となりそうだ。