(1)
豪9月貿易収支は71.80億豪ドルの黒字となり、黒字額は輸出の増加を背景に予想(50.50億豪ドル)を大幅に上回った。
(2)
独9月鉱工業生産は前月比-0.6%と、予想(-0.4%)を下回り、前月の+0.4%から低下に転じた。
(3)
中国商務省は、米中通商協議の進展により、両国が相互に賦課している関税を段階的に撤廃する事で合意したと発表。これを受けて円売りが強まるとドル/円やクロス円が上昇した。
(4)
英中銀(BOE)は政策金利(0.75%)と資産買入れプログラム(4350億ポンド)の据え置きを発表。しかし、同時に公表した議事録で、2人の委員が利下げを提案していた事が明らかになった他、「世界の成長が安定化しない場合、また欧州連合(EU)離脱を巡る不透明感が定着したままである場合、金融政策によって回復を後押しする必要が生じる可能性がある」とした事からポンド売りが強まった。なお、金融政策レポート(インフレレポートから名称変更)では、2020年と21年の成長率見通しを引き下げ、2年後のインフレ率予想値も下方修正。その後のカーニー総裁会見でも、景気見通しへのリスクは「下方向に傾いている」との認識が示された。
(5)
「米国は中国との通商合意『第1段階』の一環として関税措置を撤回する事に合意した」と伝わった。米政府当局者が中国側の発表(③)を認めた格好となり、豪ドル/円とドル/円が一段高となった。なお、豪ドル/円は約3カ月半ぶり、ドル/円は約5カ月ぶりの高値を更新した。
(6)
「米国は対中関税撤廃の決定を下していない」「対中関税の撤廃計画はホワイトハウス内部で強い反対がある」との一部報道を受けて、円が買い戻される場面があった。
ドル/円の見通し
昨日のドル/円は終値ベースで約0.3%上昇。米中通商協議を巡る楽観的な見方が広がる中、一時109.49円前後まで上伸して5月31日以来の高値を更新した。中国商務省が、米中両国は相互に賦課している関税の段階的な撤回に合意したと発表した事がきっかけ。その後、米政権内部には関税撤廃計画に強く反対する声もあると伝わり上値を削ったものの下値は限られ、高値圏を維持してクローズした。
ドル/円は、8月来の上値抵抗であった109.30円前後を突破した事で上向きの流れが強まってもおかしくないチャートの形状となっている。それだけに、週末を控えた本日の動きが注目される。米国が3連休前となる事もあって、心理的節目の110円に向けた上伸は期待しづらいところだが、109円台前半で値固めできれば来週以降の上昇期待は維持されよう。